屋根塗装の費用相場は?適正価格と業者選びのポイントを解説!

屋根塗装を検討しているとき、やはり気になるのが費用相場ですよね。

屋根の塗装費用の相場を知っていれば、次のようなメリットがあります。

  • どれくらいの出費になるのか、見通しが立って安心できる
  • 業者の出してきた見積書の額が不自然に高すぎたり安すぎたりしないかわかる

当コラムでは、屋根塗装の費用相場や内訳のほか、よく使われる塗料や屋根塗装の注意点、塗装以外の屋根リフォームの費用目安などを解説します。

自宅の屋根塗装にあたって、お金の見通しを立てたり、業者の見積もり額が適正そうか判断したりするのに、ぜひお役立てください。

屋根塗装の費用相場

屋根塗装の相場と、屋根塗装の費用を左右するものについて解説します。

屋根塗装の相場

屋根塗装の費用相場は、一般的な広さの30坪程度の木造住宅の場合、20~40万円です。
※足場代はまた別に10~20万円ほどかかります。

ただし、屋根塗装の費用はいろいろな条件によって変化するため、相場通りにはいかないケースもある点に注意が必要です。

屋根塗装の費用を左右するもの

屋根塗装の費用を左右するものには、以下のようなものがあります。

屋根の面積

屋根塗装の費用は、塗装する屋根の面積によって変わってきます。
屋根の面積によって、使用する塗料の量や作業量が変わってくるためです。

屋根勾配(やねこうばい)

屋根は、雨が流れやすいように傾斜がつけられています。この傾斜のことを勾配(こうばい)といいます。
勾配が急な屋根は、職人が登って作業をするとき、足がすべるなどして転落する恐れが高いです。
このため、職人が屋根に足をつけなくても作業ができるよう、専用の特殊な足場が必要になり、そのぶん費用が高くなります。

一般的に、専用の6寸勾配以上の屋根では屋根足場が設置されます。

屋根材の種類

屋根材の種類によって、必要な作業の内容や工程が変わってくるため、工事費用が変わってきます。

使用する塗料の種類

塗料は種類によって価格が異なります。このため、どんな種類の塗料を使うかで、屋根塗装の費用は変わってきます。

屋根の状態

「どのくらい劣化しているか」や「損傷している部分はないか」など、屋根の状態によっても、塗装費用は変わってきます。

屋根の状態によって、塗料が定着するよう屋根表面の状態を整える作業にかかる費用が違ってくるためです。

劣化や損傷の程度が激しい場合には、塗装工事では屋根を万全の状態にできないので、上から別の新しい屋根材を被せる重ね葺き工事(カバー工法)や、古くなった屋根材を新しい屋根材に交換する葺き替え工事が必要になることがあります。

屋根塗装費用の内訳

屋根塗装の費用は、塗料などの材料費や職人の人件費、足場代などからなっています。
見積書の内訳は、次のような項目からなっていることが多いです。

  • 仮設足場
  • 高圧洗浄
  • 下地処理
  • 下塗り
  • 中塗り・上塗り(上塗り2回)
  • 諸経費
  • その他

ただし、見積書の書き方は業者によって異なる点に注意が必要です。

それぞれの単価相場と内容を解説します。
※単価相場はあくまで目安です。

仮設足場

足場の設置・撤去の作業の費用です。
飛び散った塗料が周辺を汚さないよう、足場の周囲を専用のシートでおおう作業の費用も含みます。
単価相場は700~1,000円/平方メートルです。

高圧洗浄

屋根についた汚れを落とすための高圧洗浄費です。
汚れが残ったままで塗装をすると、塗料がしっかりと定着せず、数カ月や数年などの短期間で塗装がはがれる恐れがあります。

高圧洗浄の単価相場は100~300円/平方メートルです。

下地処理

塗装する前の準備として、屋根表面の状態を整える工程です。
屋根の状態や種類によって、作業内容と費用が変わってきます。

ひび割れがあれば補修が必要ですし、トタン屋根であればケレン(専用の道具で表面を研磨する作業。サビを落としたり塗料が定着しやすいようにしたりする効果がある)が必要です。

見積書においては、「下地調整」と書かれていたり、次に紹介する「下塗り」と合わせて1つの項目にまとめられていたりすることもあります。

下塗り

屋根に下塗り用の塗料を塗る工程です。
下塗り用の塗料には、この後に上から塗る上塗り塗料の定着を助ける役割があります。

使用する下塗り用の塗料の種類は、屋根の材質や状態に応じて業者が選定するのが一般的です。

単価相場は600~2,000円/平方メートルです。

中塗り・上塗り(上塗り2回)

下塗り塗料が乾いた後、その上から上塗り用の塗料を2度重ね塗りする工程です。

上塗り塗料を1度塗り、乾くのを待って、その上から同じ塗料を重ね塗りします。

上塗り用の塗料には、屋根材の表面をおおうことで、屋根材を水気や紫外線のダメージから守る役割があります。

単価相場は1,500~6,000円/平方メートルです。

なお、スレート屋根の場合は、屋根材同士が塗料でくっつかないようにする道具「タスペーサー」を、中塗りの前に屋根材同士の間にはさむ作業が必要になります。
単価相場は500~800円/平方メートルです。

諸経費

塗装工事を行うための必要経費(交通費、現場管理費、ゴミ処理費)です。
工事金額の5~10%が計上されます。

複数の業者に見積もりをとると、見積もり書の内容が比較できて安心です。

その他

屋根の種類や状態によっては、上記の6つ(仮設足場、高圧洗浄、下地処理・下塗り、中塗り・上塗り、諸経費)以外にも費用がかかってくることがあります。

たとえば、スレート屋根であれば棟板金(屋根の棟に取り付けられている金属板)の塗装費用も発生するのが一般的です。下の写真はスレート屋根の棟板金を塗装している様子です。

そもそも屋根塗装って必要なの?

数十万円の出費となると、屋根塗装をためらう人もいるかもしれません。

しかし、屋根の種類によっては、屋根の見た目や状態を良好に保つために定期的な塗装が必要です。
屋根材を塗装することで、屋根材が塗膜(塗料の膜)で保護され、屋根材の防水性や耐候性を維持できます。

塗装が必要な屋根の種類と、塗り替え周期の目安を解説します。

塗装が必要な屋根の種類

戸建て住宅で使われていることが多く塗装が必要な屋根としては、次のようなものがあります。

  • スレート(コロニアル)の屋根
  • セメント瓦(セメント製の瓦)
  • モニエル瓦(コンクリート製の瓦)
  • トタン

【スレート】

【セメント瓦】

【モニエル瓦】

【トタン】

最近の戸建て住宅では、スレート屋根がとても多いです。

塗装の必要がない屋根材としては、日本の伝統的な粘土瓦(日本瓦)などがあります。

ただし、塗装が必要ない種類の屋根材を使った屋根でも、屋根の状況に応じてメンテナンスが必要です。
たとえば、粘土瓦の屋根であれば、棟(屋根のてっぺんの山形になった部分)と瓦の間のすき間を埋めている漆喰(しっくい)の補修や瓦のズレ直しなどです。

塗り替え周期の目安

塗料には耐用年数(寿命)があるので、塗り替えは定期的に実施する必要があります。
あくまで目安ですが、1回目の屋根塗装は、築10~15年くらいの間にやっておくことが理想です。

2回目以降の塗装のタイミングは、その前の塗装工事のときにどんな種類の塗料を使ったのかによります。

塗料の耐用年数は、種類によって異なるためです。

塗料の種類 耐用年数の目安
ウレタン塗料 5~7年
シリコン塗料 10~13年
ラジカル制御型シリコン塗料 10~15年
フッ素塗料 15~20年
遮熱塗料 15~20年
無機塗料 20~25年

※耐用年数はあくまで目安です。

塗料の価格は、耐用年数の長いものほど高くなります。
耐用年数が長いものを選んだ方が、屋根メンテナンスが必要になる回数が少なく済むので、30年や40年などの単位で見たときの屋根メンテナンスの費用を抑えられます。

屋根塗装の塗料と色

費用の他に屋根塗装で気になってくるのが、「どんな塗料を使う?」「色はどうする?」などのことでしょう。

ここでは、屋根でよく使われる塗料と色を紹介します。

屋根塗装でよく使われる塗料

屋根塗装でよく使われる塗料は、次のようなタイプです。

  • 耐久年数と塗装費用のバランスのよいシリコン塗料
  • 「遮熱塗料」と呼ばれる、遮熱機能がある塗料

シリコン塗料は、屋根だけでなく外壁でも主流の塗料です。
最近では、「ラジカル制御」と呼ばれる技術で耐用年数をのばしたラジカル制御型シリコン塗料(俗にいうラジカル塗料)が使われることも増えてきています。

遮熱塗料は、太陽光に含まれる赤外線を高効率で反射する機能のある塗料です。
赤外線は物質を温める性質があるので、赤外線を高効率で反射することは、建物の表面温度の上昇を防ぐこと、ひいては夏の室内気温の上昇を抑える効果があります。

予算に余裕がある場合や屋根塗装を長持ちさせたい場合は、フッ素塗料などがおすすめです。フッ素塗料はシリコン塗料に比べると高価ですが、シリコン塗料よりも長耐久です。

屋根塗装でよく使われる色

屋根塗装でよく使われる色は、次の通りです。

  • ブラック
  • ブラウン
  • グレー

全体的に、暗く濃い色合いが多い傾向にあります。
屋根の色選びで重要なポイントの1つに外壁の色との相性がありますが、上記の3色は幅広い種類の色と合わせやすい色です。

その他で比較的使われやすい色としては、ダークグリーンやワインレッドなどがあります。

塗装以外の屋根リフォームの費用

塗装以外の屋根リフォーム方法としては、次の2つがあります。

  • 古くなった既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる重ね葺き工事(カバー工法)
  • 古くなった既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に交換する葺き替え工事

当初は塗装するつもりでも、業者と相談したり屋根の状態を見てもらったりした結果、重ね葺きや葺き替えの方が良いことがわかるケースもあります。

重ね葺き(カバー工法)

費用相場は、一般的な戸建て住宅(延床面積30坪の2階建て)の場合で80~180万円ほどです。
上に被せる屋根材は、基本的にガルバリウムです。ガルバリウムは金属の屋根材の一種で、軽いうえに耐久性が高いことで定評があります。

屋根材の劣化や損傷が激しいため塗装では屋根の状態を回復できない場合や、塗装に向かない種類の屋根材の場合に施工します。

重ね葺きを葺き替えに比べたとき、次のようなメリットがあります。

  • 屋根材の撤去費用が発生しないぶん、安く済む
  • 工期が短く済む

また、古い屋根に有害物質のアスベストが含まれている場合、重ね葺きであればアスベストが周囲に飛散する心配がないこともメリットです。

デメリットは、新しく被せる屋根材のぶん、屋根が重くなり、耐震性が下がる恐れがあることです。

また、次のような場合は重ね葺きできません。

  • 屋根勾配がゆるい場合(たとえば、ガルバリウムを横向きで被せる工事は、2.5寸以下の勾配の屋根では)
  • セメント瓦の屋根など、表面の凹凸が激しい屋根の場合
  • 野地板が激しく傷んでいる場合

※野地板とは、屋根の骨組みの上に張られている板のことです。野地板の上にルーフィング(防水シート)と屋根材を被せるので、普段野地板は見えません。

葺き替え

費用相場は、70~200万円です。
屋根材だけでなく、野地板も交換するケースが多いです。

カバー工法ができない場合や、屋根材の耐用年数が過ぎている場合などに行われます。

葺き替えを重ね葺きと比べたときのメリットは次のようなものです。

  • 屋根自体が新しくなるので、きちんと工事されていれば、当分屋根トラブルの心配がない
  • 新しい屋根材を軽いものにすることで、屋根が軽くなり、耐震性が高くなる

デメリットは、塗装や重ね葺きに比べると費用が高いことです。

屋根塗装の注意点やポイント

屋根塗装で失敗しないための注意点やポイントをお伝えします。

外壁・付帯部分もまとめて塗装

屋根だけが塗装されてピカピカになった住宅は、外壁・付帯部(雨樋や雨戸など、建物の外側の細かい部分)の汚れや色あせなどが目立ち、全体としてちぐはぐな印象になりがちです。

このため、屋根塗装の折には、外壁と付帯部もまとめて塗装し、家全体をきれいにすることがおすすめです。

住宅の各部分をまとめて塗装することで、足場代(足場の設置・撤去)の節約にもなります。1度設置した足場を、各部分の塗装工事に使えるからです。
工事のタイミングが別々になると、足場代が2度以上発生します。

足場代は10~20万円ほどするので、軽視できないものです。

スレート屋根は縁切りかタスペーサーが必須

スレート屋根は、通気性の確保のため、屋根材同士の間にわざとすき間が設けられています。普通に塗装をすると、屋根材同士が塗料でくっつき、このすき間がふさがってしまいます。

このようなことを防ぐため、スレート屋根の塗装は以下のいずれかの作業が欠かせません。

  • 塗料でくっついた屋根材同士を、塗装後に切り離す作業(縁切り)
  • 屋根材同士がくっつかないよう、「タスペーサー」と呼ばれる道具を、下塗り完了後にあらかじめ屋根材同士の間にはさんでおく作業

上記のいずれかを行わないと、湿気の逃げ道がなくなり、屋根が傷む原因になります。

見積もりの段階で、縁切りやタスペーサーについて業者に確認しておきましょう。

縁切りやタスペーサーのことをあまりわかっていなさそうであれば、その業者との契約は見送った方が良いかもしれません。
塗装工事の知識や経験が少ない恐れがあります。

セメント瓦とモニエル瓦の違いに注意

セメント瓦とモニエル瓦は見た目がとても似ていますが、塗装にあたって気をつけなくてはいけないポイントが異なります。
このため、セメント瓦とモニエル瓦をしっかり見分け、かつ適切に塗装できる業者に塗装を依頼することが大切です。

自宅の屋根がセメント瓦かモニエル瓦かのどちらかの場合は、セメント瓦とモニエル瓦の両方の塗装実績がある業者を探すことがおすすめです。

業者選びは慎重に

屋根塗装の満足度は、業者の良し悪しに大きく左右されます。

経験豊富でていねいな業者であれば、施工トラブルや金銭トラブルが起こる恐れは低いですし、万が一トラブルが起きたときには誠実に対応してくれる可能性が高いです。

優良業者かどうかのチェックポイントの例としては、次のようなものがあります。

  • 屋根塗装の実績があるか
  • 屋根の現地調査を、ていねいに時間をかけて実施してくれるか
  • 現地調査の結果や工事内容をしっかり説明してくれるか
  • 内訳が明確な見積書を出してくれるか
  • 見積もり額が不自然に高すぎたり安すぎたりしないか
  • 工事に関する書面をきっちり残してくれるか

また、次のようなことが見られる業者には注意が必要です。
いわゆる悪徳業者である恐れがあります。

  • 訪問営業で、「無料で良いので、屋根を点検させてほしい」と言ってくる
  • 「すぐに工事をしないと大変なことになりますよ!」など、不安をあおってくる
  • 「いまここで契約して頂ければ大幅値引きできますよ!」「キャンペーン価格で契約できるのは今日までですよ!」などの言葉で、契約を急かしてくる
  • 「火災保険を使えば実質無料で工事できます!」と断言して、契約を勧めてくる

上記のいずれかに当てはまる業者は避けた方が良いでしょう。
このような業者は、「急かされて契約した後、不安になって契約のキャンセルの連絡をしたら怒鳴られた」などのトラブルが報告されており、国民生活センターが注意喚起をしています。

※参考:国民生活センター 不安をあおり契約させるリフォーム工事の点検商法
国民生活センター 保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!-申請サポートを受ける前に、損害保険会社に連絡を 保険金の請求は、加入者ご自身で!!-

まとめ

屋根塗装の費用は、足場代を考えなければ、一般的な戸建て住宅(延床面積30坪前後の2階建て)の場合で20~40万円です。

足場代も含め、屋根・外壁・付帯部分のすべてを塗装する場合は80~120万円ほどかかることが多いです。

大きな出費になるので、工事をためらう人もいるかもしれません。
しかし、スレート屋根、セメント瓦やモニエル瓦、トタンの屋根であれば、住宅の外観や屋根の状態を良好に保つために塗装工事が必要になります。

ただし、屋根の状態や種類によっては、重ね葺き・葺き替えの工事を実施することになるかもしれません。

いずれにしろ、自宅の屋根メンテナンスが上手くいくためには、業者選びが大切です。

イエコマは、戸建て住宅の屋根塗装を承っております。
お客様のご希望に応じて、外壁・付帯部分をまとめて塗装することも、もちろん可能です。

  • もう築10年以上経つし、塗装を検討したい
  • 屋根の色あせや汚れが気になっている
  • 今しっかりメンテナンスして、屋根を長持ちさせたい

上記のようにお考えの方は、イエコマまでお気軽にお問い合わせください。
お見積もりは無料です!

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