いくらきれいにベランダを掃除しても、翌日にはフンで汚れているベランダ。ひどいときには、1日に何度も掃除する羽目になることも。本当に嫌になりますよね。
ベランダのフンなどの鳥害は、
- フンに含まれる病原菌の危険性
- フンで汚れていくマイホームのベランダ
- 羽音や鳴き声などの騒音被害
- ご近所からの視線
これらのようなデメリットがあります。
当記事では、
- 「なぜ鳥は市街地に来るのか」から見る鳥害対策
- 自宅でできる具体的な鳥害対策
- ベランダのフンの正しい掃除の仕方
などをお話しします。
実際に当記事の内容を実践された方で、ベランダに鳥が来なくなったという方もいらっしゃいました。
この記事が、あなたの鳥害対策の参考になれば幸いです。
目次
住宅のフン被害はハトがほとんど
住宅のベランダや庭にされた、嫌なフン。
そのほとんどの原因となっているのが、ハトです。
ハトのフン被害が多い理由を解説します。
町なかのフン被害の大半はハトが犯人
町なかのフン被害の大半はハトです。とくに「ドバト」と呼ばれる種類のハトによる被害が多いです。
ドバトは、全体的に灰色で、首元に緑と紫の光沢があるハトです。
【ドバト】
ドバトのほかに、「キジバト」と呼ばれる種類のハトもいますが、ドバトに比べると町なかでの生息数が少なく、被害も少ないです。キジバトは、茶褐色や紫がかった灰色をしており、翼にうろこのような模様が入っています。
【キジバト】
フン被害を回避するための基本
ハトのフン被害を回避するための基本は、「ここは危険な場所だ」とハトに認識させることです。
ハトには、安全そうな場所を記憶し、その場所を日中の休憩場所や仲間との待ち合わせ場所としてよく利用する習性があります。
このような場所は、ハトが頻繁にやってきたり長時間居座ったりするため、フンで汚れます。
ハトのフンや羽毛に含まれる病原菌は、体内に入ると、クリプトコッカス症や鳥インフルエンザなどの感染症にかかる危険があります。
感染被害以外にも、ダニなどの寄生虫による被害も懸念されます。
特にお子様やペットのいる家庭だと、感染症や寄生虫は心配なところ。
家族の健康のためにも、早めの対処をおすすめします。
鳥のフンを放置するのはNG!
鳥のフンを見つけたら、放置せずに掃除する必要があります。
鳥のフンを放置してはいけない理由は、次の4つです。
衛生上の問題があるから
ハトの体やフンには、病原菌や寄生虫やウイルスが存在しています。
これらの病原菌や寄生虫やウイルスは、健康被害を及ぼす恐れがあるため、注意が必要です。
ハトを感染源とする症状・病気としては、クリプトコッカス症、鳥インフルエンザ、オウム病、トキソプラズマなどがあります。
たとえば、2021年6月に滋賀県の事業所で発生したオウム病の集団感染は、事業所の玄関に蓄積されたフンが原因とされているのです。
また、ハトのフンや細かい羽毛を吸い込むことで、くしゃみや咳、目のかゆみや皮膚炎などのアレルギー症状に悩まされることもあります。
小さな子どもや高齢者、基礎疾患のある人や、妊婦さんは症状が強く出たり重症化したりする恐れがありますので、特に注意が必要です。
腐食を引き起こす恐れがあるから
ハトのフンは酸性物質が含まれています。このため、金属やコンクリート、塗装面などにフンが長期間付着していると、劣化や腐食が起こります。
コンクリートや塗装面はアルカリ性に強いですが、酸性には弱いため、フンが蓄積することで、建物自体の強度が損なわれることもあります。
ハトのフンは1匹で1日30gもの量になりますので、数日放置しただけで大変な量になります。建物の安全を守るためにも、蓄積しないように十分注意しましょう。
巣を作られる恐れがあるから
ハトのフンを放置していると、その近くに巣を作られる恐れがあります。
ハトは、自分のフンが残っているのを見て、「ここはあまり人が来ない安全な場所だ」と認識し、居場所として利用する習性があります。
さらには、はじめは日中に休憩したり仲間と待ち合わせたりするだけだったのが、夜間のねぐらや巣作りの場所として利用されるようにまでなる恐れもあるのです。
巣を作られると、巣の周囲にフンをされるようになり大変です。巣を撤去したくても、卵やヒナがいる間は、鳥獣保護法の関係で撤去ができません。
鳥獣保護法は、第八条で、鳥を捕獲したり傷つけたりすること、鳥の卵を採取したり損傷させたりすることを禁じています。
※参考:e-GOV 法令検索 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
フン以外の鳥害も発生する恐れがあるから
フンを放置し、ハトが居座るようになると、フン害だけでなく騒音(ハトの羽音や鳴き声、足音など)にも悩まされるようになりかねません。
早朝や夜間でもハトが活動し、近所迷惑になったり、安眠を妨げられたりする恐れがあります。
フンが目立つ場合は巣がないか要チェック
ハトのフンが多い場合や、何度掃除してもフンで汚れる場合、家のどこかに巣を作られている恐れがあります。
ハトが巣を作るのは、雨風がしのげる場所や天敵が近寄りにくい高所です。
天井裏や、室外機の裏、雨どい、ベランダなどが好まれます。
また、鳥の繁殖期は春だけのイメージがあるかもしれませんが、ハトの繁殖期は4~10月と長いです。
環境次第で、年5~6回産卵することもありますので、春以外の季節も巣を作られる可能性があることを考慮して、巣を探してみましょう。
ハトは、自分の巣の中でもフンをしますし、フンがある場所に居座りますので、巣がある限りフン問題から逃れることはできません。このため、巣を見つけたら速やかに撤去するべきです。
ただし、卵やヒナのいる巣の撤去は、鳥獣保護法で禁止されているため、基本的にできません。巣を撤去するには、ヒナが無事巣立つまで待つ必要があります。
卵やヒナがいてもどうしても撤去したい場合は、市区町村への許可申請が必要になります。
自宅でできる鳥害被害への具体的な対策とは
ここからは実際に、自宅でできる鳥害対策を紹介します。
鳥の天敵となる動物の模型を使う
冒頭にもお話したように、ハトがあなたの家に巣を作っているのは、ここに天敵はいないと安心しているからです。
そこに蛇やカラスなどの天敵の模型を設置することで、ここは危険だと認識させることができる可能性があります。
対策グッズも手頃な値段で買えますし、対策効果も高いので、おすすめできる方法の1つです。
ただしハトによっては、模型がニセモノであることに気づいて居ついてしまうこともあります。絶対に効果のある対策法とはいえません。
磁石の鳥害グッズを使う
ハトなどの鳥が持つ、地球の磁場を頼りに飛ぶ習性を利用した対策法です。
磁石によってハトの方向感覚を狂わせ、飛べなくしようというわけです。
しかしハトは磁場だけでなく、視覚や太陽の位置なども利用して飛行しています。長距離を正しい方角に飛ぶことは磁力で邪魔できるかもしれませんが、ベランダに近づくのを阻止できるかは疑問です。
光の反射を使う
ベランダの天井や軒先から、CDディスクなど光を反射するものを吊るす方法があります。鳥が太陽などの強い光の反射を嫌うことを利用した方法です。
しかし時間が経ち危険がないことをハトが学習すると、効力が無くなってしまいます。
そのため一時しのぎに過ぎず、根本的な解決は見込めません。
鳥の嫌いな臭いなどの薬品(忌避剤)を使う
※引用:株式会社SHIMADA
鳥が嫌う臭いのスプレーをまいたり、臭いを発するグッズを置いたりしてハトを避ける方法です。
天敵の模型やCDなどのようには目立たず、ベランダの外観を損ねにくいメリットがあります。
ですが1度忌避剤を置いただけでは、効果のある期間が限られる点に注意が必要です。時間の経過で臭いが薄れたり、雨で忌避剤が流れてしまったりする恐れがあるからです。定期的にスプレーをまいたり、グッズを新しいものに交換したりする配慮が必要になります。
またハトは1度住み着いた場所には強い執着心を持つため、すでに巣が作られていたり、ハトの寝泊まりの場所になっていたりしたら効果を発揮しない可能性が高いです。
針山や有刺鉄線をつける
駅前にあるような、そもそも鳥が止まれないようにする方法です。
手すりなどのハトが止まりそうなポイントに、有刺鉄線やゴム製の針山などを設置すれば、鳥には住みづらい環境となります。
設置に少し手間がかかったり、洗濯物を干すなどの家事に支障が出たりすることはあるかもしれません。
番外編:音や電気での対策もあるが…
※引用:株式会社フジナガ
上記でご紹介した以外にも、音や電気での対策もあります。
ハトなどの動物の接近を感知し大音量で驚かせて追い払うグッズや、けがをさせない程度の電気ショックをハトが止まりそうな場所に流すグッズなどです。
しかしご自宅でできるかというと、現実的には難しいといわざるを得ません。
ハトが逃げるような大音量は近所迷惑になりかねませんし、屋根やベランダに電気ショックを流すのは安全面で不安があります。
田舎の畑などでは有効かもしれませんが、個人宅でこのような対策をとるのは困難でしょう。
車はボディシートをかけておくと安心
車が鳥のフンで汚れることを防ぐには、車にボディシートをかけておくと良いでしょう。
フンは酸性なので、車にフンが付着すると、ボディの塗装面がダメージを受けます。フンが付いたまま長時間たつと、塗装に凹凸ができたりひび割れができたりする恐れがあります。
万が一、車体にフンの汚れを見つけたら、なるべく早く落とすようにしましょう。
フン掃除の流れ
フン掃除に必要な道具と掃除の流れをお伝えします。
フン掃除に必要な道具
フン掃除に必要となる、基本的なグッズを紹介します。
- マスク
- ゴム手袋
- 雑巾や、着なくなったシャツや布
- キッチンペーパーや、古紙
- 大き目のゴミ袋
- お湯(40℃くらい)の入ったバケツやペットボトル
- 消毒用のエタノール
- 次亜塩素酸ナトリウムの入った消毒液
- ほうきやちりとり
これだけのものがあれば、掃除は滞りなく行えます。
STEP1:乾燥しているフンや汚れを、濡らしてふやかす
ほこりや粉塵が舞わないようにする効果と、ふき取りやすくするための2つの効果があります。
まずは、霧吹きなどを使って湿らしていきましょう。
STEP2:汚れが柔らかくなったら、布や古紙でふき取る
フンや汚れがふやけたら、手袋とマスクをつけた状態でふき取り作業を行いましょう。
フンや汚れの範囲を広げないよう、そっと作業を行うように注意してください。
大きめのごみ袋も用意しておきましょう。
STEP3:最後は消毒を忘れずに
フン掃除が終了したら、最後は消毒スプレーできちんと殺菌しましょう。
乾燥した際に、細かなほこりや粉塵が舞ってしまいます。
そのため、掃除後はていねいに消毒まで行うことが重要です。
自分でフンの掃除をする際の4つの注意点
自分でフンを掃除する際の注意点は、以下の4つです。
掃除道具は一度使ったら捨てる
鳥のフン掃除では、掃除用具の使いまわしはNGです。
フンは多くの細菌やウイルス、寄生虫が含まれています。
そのため一度掃除しただけの掃除用具にも、多くの菌が付着することになります。
当然、その掃除用具を使うたびに菌と接触することになるため、感染の危険性があるのです。
掃除をする際は、もったいないからと取っておかずに、一度使ったら処分するようにしましょう。
手袋とマスクは必ずつけて!
手袋とマスクは重要な感染対策です。
「短時間で済む作業だから大丈夫」と油断して着用をおこたるのは危険です。その短時間の間に菌が体内に入ってしまうかもしれません。
マスクをしっかり付け、掃除中に舞い上がったほこりや乾燥したフンの粉塵などを吸い込まないようにしましょう。
手袋の着用も重要です。掃除で汚れた手で移動すると、菌を広範囲に広げてしまう恐れがあります。掃除中や掃除後に掃除場所を離れるときは、手袋をいったん外すようにしましょう。
風が強い日の掃除はやめよう
ほこりや粉塵などを広範囲に広げないための注意です。
広範囲に広がれば、それだけ生活の中で感染症にかかるリスクが高くなってしまいます。
そのため風の強い日の掃除は、できるだけ控えてください。
もしフンが皮膚に触れたらしっかり洗おう
手すりなどに付着したフンに気づかず、皮膚に触れてしまった場合、すぐに水と石鹸で洗い流しましょう。
フンが付着した部分から、皮膚炎になる可能性があります。
フンには目に見えない病原菌も含まれているので、洗い流した上で、手指用の消毒液で消毒しておくと安心です。
フン掃除は業者に頼んだ方が効率もコスパもいい
フン掃除は「自分で掃除できる限度を超えている」「掃除をしたくない」という方もいらっしゃるでしょう。
慣れない作業で総合的に掛かる時間やストレスなどを考えると、コスパの面では業者に依頼した方が良いこともあります。
すでにベランダにハトの巣が作られている場合は特に厄介です。卵やヒナのある巣を個人が独断で撤去することは、鳥獣保護法によって禁止されています。これを破った場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されます。
※参考:「鳥獣保護法」 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
フン被害などの掃除を請け負う業者の相場は、およそ2万~6万円です。
掃除の手間やハトの巣ができていた場合を考えると、業者に依頼した方が賢明なケースもあるでしょう。
まとめ
毎日を過ごす自宅にフン被害などの影響があったら、当然ストレスがかかります。ふとベランダに目を向けるたびにフンの汚れが目に入るのは、気分のよいものではありませんよね。
健康面にも悪影響があるとなると、早期解決する必要があります。
家庭でできる対策や掃除もありますが、あまりにもひどいようであれば、プロの業者の力を借りましょう。
すでに巣が作られている場合は、巣の撤去も必要です。巣がある限り、何度追い払ってもハトがしつこくやってくる可能性が高いです。
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※上記は税込価格
許可なく撤去すると鳥獣保護法に違反!
高所にあったり自分で対応しづらいときは、イエコマにお任せ!