鳥が屋根の下やエアコンの室外機置き場に巣を作ってしまい、困っている方は多いようです。しかし、勝手に撤去するのはNG。法律違反となり、罰金を払う可能性もあります。
この記事では、鳥の巣の正しい対処方法をご紹介しましょう。
目次
巣作りの時期と期間
鳥が巣作りするのは、エサの豊富な3~5月です。スズメに関しては繁殖期が複数回あるため、3~8月と幅広くなります。
巣作りの期間は10日ほどで、巣作りから巣立ちまでは50日ほどです。
スズメのほかに、軒先や屋根裏、庭などに巣を作る主な鳥としては、次のような種があります。
種類 【繁殖の回数(年間)】 |
巣を作る時期(繁殖時期) | 巣作り~巣立ちまでの日数 |
ハト 【2~3回(環境によって5~6回)】 |
夏以外通年 特に春~初夏 |
約70日 |
ムクドリ 【1~2回】 |
3~7月 | 約40日 |
ツバメ 【2~3回】 |
3~7月 | 約40日 |
ヒヨドリ 【1~2回】 |
5~9月 | 約70日 |
ハクセキレイ 【1~2回】 |
5~7月 | 約40日 |
鳥の巣を放置することによる問題

鳥の巣にはどんな害があるのかご存知でしょうか? 知っていてほしい鳥の巣の害について紹介します。
・鳴き声による被害

朝や昼間など、耳障りな鳴き声がストレスになることもあります。ヒナは日中関係なく、たとえ夜でも起きている間はほぼ鳴きます。
また、卵やヒナを守るために近くの人に向かって鳴いて威嚇、攻撃することもあるため危険です。
・鳥の巣の再発

鳥は巣を作った場所を覚えています。鳥の巣だけ撤去しても再発防止の対策ができていないと「気付けばまた巣を作られしまった!」ということになりかねません。
・ダニ・ノミなどの被害

鳥そのものがたくさんのダニやノミ、寄生虫を持っていることがあります。ダニが家屋に浸入してしまうと大変です。ダニがペットに寄生したり、人間が刺されたりする場合もあります。
・糞による被害

鳥の巣があると、巣の近くに大量の糞をします。この糞がとても厄介で、汚れ・悪臭の原因になるだけではなく、乾燥した糞を吸ってしまうとアレルギー性喘息や皮膚炎の原因になります。
特に、巣の近くに換気口や室外機がある場合は、早めの撤去をおすすめします。
鳥が巣を作りやすい場所
鳥が好んで巣を作るのは、次のような場所です。
- 外から見えにくい場所
- 雨風がしのげる場所
- 外敵に襲われにくい場所
- 高い場所
具体的には、次のような場所が当てはまります。
- 家の軒下
- 室外機の裏のすき間
- ベランダ
- 雨どい
- 長い間使われていない雨戸の戸袋の中
- 天井裏
また、特に小さな鳥の場合は、使われていない室外機の中や、エアコンや換気扇のダクトの中に巣を作ることもあります。
いずれも、ダクトのカバーがはずれていたり、外壁や屋根にすき間ができていたり、長く使っていないものを放置したりして、鳥が入り込めるようになっていることが原因になります。
鳥の巣の処分は法律違反になることもある
鳥の巣は、やみくもに撤去することはできません。
まだ巣作り途中の巣や、ヒナの巣立ち後の巣は、自己判断で撤去可能です。しかし、卵やヒナがいる巣の撤去は、鳥獣保護法違反になります。
なぜなら、鳥獣保護法第8条が、鳥を傷つけることや捕獲すること、鳥の卵を採取したり損傷させたりすることを禁じているからです。
鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)
卵・ヒナがいる巣を撤去して鳥獣保護法に違反した場合、1年以上の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
そのため、巣の撤去は、巣立ちまで待ってから撤去するのが基本的な対応となります。
どうしても巣立ちまで待てない場合、法令違反にならないために、市区町村や県から許可をとった上で対応しましょう。
鳥の巣の正しい撤去方法
下記のいずれかの状況であれば、自己判断で巣の撤去が可能です。
- 巣がまだ完成していないとき(まだ卵がない状態)
- 鳥のヒナが巣立った後
鳥の巣撤去の手順と注意点をお伝えします。
手順
鳥の巣撤去の手順は以下です。
- 1.ゴーグル、マスク、手袋を着用する
- 2.消毒液を巣とその周辺に散布する。消毒用アルコールのスプレーなどがあると便利
- 3.巣をビニール袋に入れたり新聞紙で包んだりして捨てる
- 4.巣のあった場所の糞や汚れを水やブラシで掃除する
- 5.巣のあった場所に再度消毒液を散布して除菌する
撤去の際の注意点
鳥の巣を撤去する際の注意点は、次の4つです。
法令違反にならないよう注意
巣の中が見えず卵・ヒナの有無を確認できない場合は、安易に撤去を決断せず、数日観察して親鳥の動向を確認したり、繁殖期が終わるまで待ったりして、法令違反にならないようにしましょう。
ホコリや糞が舞わないよう注意
巣が乾燥している状態で作業すると、ホコリや糞などが周辺に舞うことになります。
必ず消毒液で湿らせてから撤去作業を行いましょう。
感染症に注意
また、巣の中には、ダニやウイルス、雑菌など、感染症の原因物質が大量に存在しています。
作業の際は必ずゴーグルとマスクと手袋は着用しましょう。
鳥の巣は撤去して終わりではない
一度巣が作られたことは、そこが鳥にとって居心地のいい安全な場所であることを意味しています。
今ある鳥の巣を撤去したとしても、巣を作られた原因を取り除かなければ、再び巣を作られる恐れが十分にあるのです。
また巣を作られることがないように、侵入口をふさいだり、再発防止グッズを取り付けたりして対応しましょう。
再発防止グッズについては後述します。
何か不安があれば業者に相談
鳥の巣の撤去作業は、ダニや感染症の心配と完全に切り離すことはできません。
虫が苦手な人や感染症が心配な人は、プロの駆除業者に頼むのが安全でおすすめです。
鳥の巣の撤去にかかる概算費用
自力で鳥の巣を撤去する場合の費用と、業者に依頼して撤去してもらう場合の費用は以下です。
自力で撤去する場合
自力で撤去する場合に、必要なものは下記になります。
- 用意するもの
-
- ゴミ袋
- マスク
- ゴーグル
- 手袋
- 消毒液(アルコールスプレーなど)
- 新聞紙
- 布(必ず捨てる)
全てを用意した場合の合計金額の目安は、1,000円~です。
ほとんど100円ショップやホームセンターで手に入ります。
巣が高所にある場合は、作業用の脚立や水洗い用のホースが別途必要になるでしょう。
業者に依頼して撤去する場合
鳥の巣の場所や範囲にもよりますが、一般家庭やマンションの場合、鳥の巣の撤去・掃除にかかる費用はおおむね25,000円~と考えるのが妥当です。
諸経費や消毒が料金に含まれる業者もあれば、別途で見積もるところもあります。再発防止の対策(防鳥ネットなど)については種類があるので、業者の対策方法次第で料金も変わってきます。
残念ながら、業者の中には依頼者の足元をみてぼったくりをする悪徳業者もいます。適正価格かどうか判断するために、下記の内容を確認しましょう。
- 鳥の巣の撤去作業に掃除が含まれているか
- 諸経費の内容
消毒を依頼するなら、下記の点に注意です。
- どういった消毒か
- 消毒のニオイはきつくないか
再発防止の対策を依頼するなら、対策の方法(防鳥グッズなどの確認)も聞いておきたいところです。
巣作りされないための対策
鳥に巣作りされないようにする対策を主に4つ紹介します。
・天敵をモチーフにしたフィギュアを設置する

鳥が巣をつくりそうな軒樋付近などに、天敵である蛇やカラス、鷹のフィギュアを設置することは、鳥の巣防止対策になります。フィギュアは、おもちゃ屋さんなどで安く入手することができます。
・光るものを吊るす

カラスを除き、鳥は光るものを嫌います。そのため、CDやアルミホイルなどを屋根やベランダに吊るしておくと、鳥がやってくるのを防ぐことができます。見た目が気になる場合は、アルミホイルを短冊状に切って吊るすのもおすすめです。
・隙間をつくらない

鳥は、屋根やベランダなどの隙間を見つけて巣をつくります。巣をつくられそうな隙間がある場合は、コーキングなどでふさいでおきましょう。コーキングは、ホームセンターで入手することができます。
・鳥撃退グッズを使う

※画像引用:じゃないほう農園
最近では、防鳥テグスなどの鳥撃退グッズが販売されています。鳥の巣を徹底したい場合は、こうした専用グッズを使用しましょう。
まとめ
鳥の巣の撤去というと、ただとって処分するだけ、と考えている方もいるかもしれません。ですが、自力で行うには時間も用具もかかります。
特に、糞の掃除と消毒には結構な労力がいるので、こちらだけでも業者に依頼すると安心できると思います。
ルールを守り、正しい方法で鳥の巣の撤去を行いましょう。
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