新築時やオール電化へのリフォーム時に、『太陽光発電』の導入に踏み切った方も多いと思います。『太陽光発電』は、初期投資が若干高めですが、電気を売れる(売電できる)メリットがあるので、「〇〇年で元が取れる」という計算方法もよく紹介されていますよね。
「元を取る」には、売電単価の見直しは別として、導入当初から想定している発電をできるだけ長く続ける必要があります。発電量は日照時間や気温にも左右されますが、自然災害の被害や各装置類の経年劣化によって減少することを知っておく必要があります。
この問題については日頃からのメンテナンス(保守)で解決できますので、まずはその知識から整理してみましょう!
太陽電池はメンテナンスフリー
『太陽光発電』を担っている太陽電池は、色々な材料の結晶等で作られた半導体です。外的要因など何らかの原因で半導体が破壊されなければ、永久的に発電し続けます。
太陽電池は、比較的シンプルな構造で、発電による半導体の劣化や摩耗がなく、長時間耐久も兼ね備えていることから、世間ではよく「メンテナンスフリー」と謳(うた)われているのです。
仮にもし発電できなくなった場合には、半導体そのものに原因があると考えられます。そのため、簡単にメンテナンスで普及できるものではありません。つまり太陽電池は、メンテナンスを行う事すらできない「メンテナンスフリーの半導体部品」なのです。
このような利点は、人工衛星や宇宙ステーションの動力源としても実用化されています。というのも、寒暖差や雨風雹による劣化がない宇宙空間では、太陽電池は永久的に発電が出来る夢のような装置だからです。
『太陽光発電』はメンテナンスフリーではない!
家庭で『太陽光発電』を行う場合、太陽電池さえあれば発電し、売電できるものと考えている人は多いようです。しかし、事実はそうではありません。『太陽光発電』には、主に下記のような部品などが必要です。
- 太陽電池の半導体を敷き詰めてガラスやアルミ枠等で構成された太陽電池モジュール(ソーラーパネルやソーラーセルともいわれる)
- 装置間をつなぐ配線や端子・接続ボックス
- 直流から交流に変換するパワーコンディショナ
- 制御盤や管理モニタ類
- 各装置を固定する金具類
つまり『太陽光発電』は、様々な装置や部品、部材類が全て正常に稼働してはじめて実現できるものなのです。
これらの装置の中で、太陽電池以外の装置や部品は、自然災害や時間経過と共に劣化が進むなど、正常に稼働しなくなるリスクがあります。
例えば、太陽電池モジュールの表面ガラスには、変色やくもり、破損(ひび割れ)のリスクがあります。変色やくもりが発生すると、発電効率が悪化します。破損(ひび割れ)した場所があると、モジュール内に水が侵入し、ショート(短絡)の危険性があります。
モジュールを構成しているアルミ枠や、太陽電池モジュールを固定する金具等は、日々の雨風雹にさらされ劣化します。台風などの突風で、取り付け金具が曲がったり破損したりする可能性もあります。
装置間をつなぐ配線は、紫外線や気温の寒暖差、雨風の影響で絶縁体部分に腐食や剥離、破損(断線等)します。パワーコンディショナや制御盤、管理モニタ類は、通常の家電製品と同様で、およそ10年で装置自体が正常に稼働しなくなる場合があります。
また、各装置が単体で壊れる場合なら修理すれば普及できますが、各装置類は接続されているだけでなく、住宅に常設されていますので、漏電やショート(短絡)による建物火災の危険性もあるのです。
全ての装置類の劣化等が、必ずしも同じスピードで進む事はありませんから、『太陽光発電』が「メンテナンスフリー」とは到底言えないのです。つまり日頃からの保守管理やメンテナンスが必要と考えるのが妥当なのです。
メンテナンスは誰でも出来る?!
メンテナンスには、大きく分けて下記の2つあります。
- ①「あなた自身でも行えるもの」
- ②「専門業者(主任技術者)に依頼して行うもの」
それぞれを見ていいきましょう。
①「あなた自身でも行えるもの」とは、日頃からの発電量チェックや装置類の目視点検です。
決して毎日行う必要はありませんが、「2~3か月に1度定期的に」と、「台風や地震後の適時に」、あなたのできる範囲でチェックしてみると良いと思います。
発電量データが蓄積されている場合には、先月との比較や昨年同月との比較など、大きな変化が生じていないかをチェックして下さい。発電量については、近隣の発電所の発電量データと比較してみると面白いかもしれません。
目視点検は、屋根に登ると転落によるケガ等の危険性がありますので、あくまで見えるところまでが目安です。「異変」がなければ問題ないと思われます。もし可能であれば、前回の点検時との比較を行う為に、毎回写真を撮っておくことをお勧めします。
太陽電池は、太陽光が当たっている限り常に発電していますので、場合によっては感電する可能性があります。見慣れない線が出ているなど、気になる事があれば、迷わず専門業者に連絡して、現状を確認してもらいましょう。
②「専門業者(主任技術者)に依頼して行うもの」とは、定期点検の事です。
各太陽電池モジュールが適正範囲内の発電量を確保できているか、漏電や断線、配線や端子の緩み等が発生していないか、制御盤・パワーコンディショナが正常に稼働しているか、絶縁抵抗測定や接地確認など、技術レベルでの検査を実施してもらいます。
最近では、各検査に加えて、太陽光パネルの清掃(鳥の糞除去やゴミ撤去)も行ってくれる業者もあるようです。
定期点検は「推奨」されているだけで、法律で「義務」として課せられているものではありません。当然ながら定期点検には諸費用が発生します。でも、あなたも小さな「太陽光発電所の責任者」として、より長く安心安全に運用(発電)してもらう為に、定期点検の必要性は念頭においておきましょう。
このように見ると、『太陽光発電』にもメンテナンスが必要であることを理解して頂けたと思います。ぜひ今日から、メンテナンスをはじめてはいかがでしょうか。
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