網戸の周りに隙間があると、そこから蚊やゴキブリなどの害虫が入ってくる恐れがあります。これでは、網戸本来の性能を発揮できず、快適な生活を送ることができません。
今回は網戸の隙間についてくわしく解説。網戸の周りに隙間ができる原因や対処法について、わかりやすく説明します。
さらに、業者へ網戸修理を依頼した場合の相場や、網戸の虫対策についても紹介します。
「室内に虫が侵入して困っている」「網戸の隙間を放置してしまっている」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
網戸に隙間ができる原因5つと対処法
網戸周りに隙間ができる原因は、主に次の5つです。
網戸の使い方
窓を全開にするときと、半開にするときの、それぞれの網戸の正しい使い方を確認しましょう。
網戸は正しく使えていないことが、隙間の原因になっていることもあります。
※以降の説明で表す窓の右側、左側は、室内から見たときの向きを表します。
窓を全開にするとき
窓を全開にするときは、窓をしっかりと最後まで開き、反対側は網戸をきちんと閉めましょう。
窓と網戸をそれぞれしっかりセットすれば、網戸と室外側の窓フレームが同じ位置で重なるため、隙間ができません。
全開にする窓は、左右どちら側でも構いません。
ただし、左側にある窓を開けて網戸を左側にセットする場合は、窓の開閉時に隙間ができて、虫が侵入する可能性があります。
網戸の開閉時も隙間を無くしたい場合は、網戸を右側に設置して、右側の窓を左へと開けましょう。
窓を半開きにするとき
窓を半開きにするときは、網戸を右側にした状態で、カギがついた右側(室内側)の窓を左へと開閉しましょう。網戸と室外側の窓のフレームがしっかりと合わさり、隙間ができません。
左側(室外側)の窓を半開きにしたり、網戸を左側にしたりすると、網戸と窓に隙間ができて、虫が室内へ侵入する可能性があります。
モヘアの経年劣化
正しく網戸を使用しているのに隙間ができる場合は、モヘアが経年により劣化している可能性があります。
モヘアとは、室内側の網戸に付いている、ふさふさの毛の部分です。網戸と窓の隙間を埋めて、室内に虫が侵入するのを防ぎます。
下の写真の、赤い矢印で示してあるのがモヘアです。
モヘアは紫外線などの影響や窓のを開閉に伴う摩耗でするうちに劣化し、毛が擦り切れて短くなったり、つぶれたり、ちぎれて無くなったりします。
このような劣化で、網戸と窓との隙間を埋める毛が無くなることで、網戸と窓に隙間ができるてしまうのです。
モヘアの代わりに防虫ゴムが付いている網戸もあります。防虫ゴムの場合も、劣化するとゴムが収縮して、隙間を埋める役割ができなくなり、網戸周りに隙間ができてしまいます。
対処法はモヘア・防虫ゴムの交換です。
網戸と窓の隙間を埋めて、虫が室内に侵入するのを防ぎます。
戸車の高さ
網戸がきちんと閉まらないことも、網戸の周りに隙間ができる原因です。網戸の下部にある2個の戸車の高さに、ずれが生じている可能性があります。
戸車は網戸がレールの上をスムーズに動き、開閉しやすくするための車輪です。網戸を開閉するうちに戸車の位置がずれたり、すり減ったり、壊れたりすることがあります。
戸車の位置のずれが原因の場合は、戸車を調節して2個の高さをそろえることで、網戸がきちんと閉まり、隙間がなくなります。
戸車が壊れている場合は、新しいものと交換しましょう。
網(ネット)の破れ
網戸のネットに空いた穴や破れも、虫が侵入する原因のひとつです。
網戸のネットは経年劣化で強度が落ちたり、ペットの爪が引っかかったりして隙間が生じることがあります。
自宅の網戸のネットをチェックし、隙間ができていないか調べてみましょう。
ネットの穴や破れの隙間は、補修シートでふさぐか、ネットを新しいものに張り替えることで対処可能です。
網戸の歪み
網戸に歪みがあると、網戸がきちんと閉まらなくなり、隙間ができます。
網戸は以下のような理由で歪むことがあります。
- 開閉時の衝撃を受けて少しずつ歪んだ
- 網戸本体に物や人がぶつかった
- 地震の衝撃を受けた
- 建物自体が傾いていて網戸が歪んだ
網戸本体の歪みはDIYでは対処できないため、業者に依頼して、新しいものと取り替えてもらいましょう。
【ケース別】DIYで網戸の隙間をなくす方法
網戸の周りに隙間ができているケース別に、DIYでの対処方法を説明します。
ただし、慣れない人が作業すると、誤って網戸をぶつけて破損させたり、ケガをしたりする恐れがあります。作業に少しでも不安がある場合は無理をせず、業者に修繕や交換を依頼しましょう。
【DIYの前に】網戸の外し方、取り付け方
まずは網戸の外し方・取り付け方を確認しましょう。
網戸は「外れ止め」という部品で窓枠に固定されており、網戸を外すためには外れ止めを解除しなければなりません。
メーカーにもよりますが、外れ止めは基本的に網戸の上部にあり、始めに外れ止めのねじをプラスドライバーでゆるめます。ある程度ねじがゆるんだら、外れ止めを下方向に「カチッ」とてごたえがあるまでスライドして解除しましょう。
外れ止めは網戸の左右にあるので、両側で同じ作業をします。
外れ止めを解除したら、網戸本体を上に持ち上げて、下側から外しましょうすと網戸が外れます。
網戸を元に戻す場合は、網戸の上側を窓枠に差し込んでから、下側をはめましょう。次つぎに外れ止めを上に押し上げ、プラスドライバーで左右のネジを締めて、網戸を固定します。
※網戸のメーカーによっては、外れ止めの位置や解除方法が異なる場合もあります。
モヘアの経年劣化が原因の場合
網戸のモヘアや防虫ゴムが劣化している場合は、新しいものと交換しましょう。
モヘアは「シールタイプ」と「溝に入れるタイプ」があり、ホームセンターなどで購入できます。
毛の長さは、5mm、7mm、9mmなどの種類があります。窓と網戸の隙間を測り、窓と網戸の隙間を埋めるために、1mmほど長めの毛を選ぶとよいでしょう。
シールタイプのモヘアは、古いモヘアの上から貼るだけで使用できます。
溝に入れるタイプの交換手順は以下です。
- 1.古いモヘアをとりはずす
網戸に付いている古いモヘアを溝からスライドさせて、引き抜きます。モヘアの端はかしめて(接合部を固くとめる)いることがあります。スライドして取り外せない場合は、マイナスドライバーや千枚通しを差し込み、かしめている部分を緩めましょう。
※かしめている部分が緩まない場合は、無理に外そうとしないでください。強い力で作業すると、網戸が歪んだり、ケガをしたりする恐れがあります。古いモヘアが外れない場合は、そのまま上からシールタイプを貼り使って交換しましょう。
- 2.溝にたまっているゴミを掃除する
古いモヘアが取れたら、溝に溜まっているゴミやホコリを古歯ブラシなどで掃除します。
- 3.新しいモヘアを取り付ける
溝に新しいモヘアを入れ込み、はみ出た部分はハサミでカットします。
戸車の高さが原因の場合
戸車の高さが原因の場合は、ドライバーを使って、2個の戸車の高さを調整します。
次つぎを参考に、網戸の下に付いている戸車の調整ネジを回しましょう。
- ネジを時計回りに回すと、戸車が上がる
- ネジを反時計回りに回すと、戸車が下がる
戸車が壊れている場合は、古い戸車を外し、新しい戸車に交換します。
戸車によってサイズや材質が異なるため、古い戸車と同じものを購入しましょう。
戸車の交換手順は以下です。
- 1.ドライバーを使ってネジを外し、古い戸車を外す
戸車には「ネジ止め式」と「はめ込み式」があります。ネジ止め式の場合は、ドライバーを使ってネジをゆるめ、戸車を外しましょう。はめ込み式の場合は、戸車にツメが付いているため、ドライバーで押すようにして戸車を取り外します。
- 2.新しい戸車を取り付け、ネジを止める
新しい戸車をはめ込みます。ネジ止め式の場合は、ネジを締めます。
- 3.戸車の高さを調整する
戸車の高さを調整して、隙間ができないように網戸を設置しましょう。
網(ネット)の破れが原因の場合
ネットが破れて隙間ができている場合は、ネットを新しいものに張り替えるのがベストです。
ネットの張り替えに必要な道具は以下のとおりです。
- 網戸ローラー
- カッター(網戸専用のものではなくて、一般的なカッターでよい)
- 張り替え用の網
- 網押さえゴム
- クリップ(洗濯ばさみでも代用可能)
- マイナスドライバー
- 掃除道具(古歯ブラシなど)
張り替えの手順は以下になります。
- 1.網押さえゴムを外す
取り外した網戸の枠に押し込まれている、古い網押さえゴムを取り外します。ゴムの端にマイナスドライバーや千枚通しを差し込んで持ち上げると、ゴムを浮かせることができます。
浮いたゴムの先端を手で引っ張って、ゴムを取り外すことができます。
- 2.古いネットを取る
ゴムにつづいて、古いネットを取り外します。
- 3.溝にたまったゴミを掃除する
網戸の溝には、ホコリなどのゴミがたまっています。古歯ブラシやブラシなどを使って、掃除しましょう。
- 4.新しいネットをのせて、クリップで固定する
網戸の枠の上に、新しいネットを広げます。ネットの四隅は、クリップなどで挟んで固定します。
- 5.網押さえゴムを溝に押し込む
はじめにゴムの先端から5cmほどの部分を、ローラーのとがった部分を使って溝の角に押しこみます。ゴムの位置が固定されて、作業がしやすくなります。
次にゴムの端をL字形になるように押しこみましょう。端を押しこんだら、ローラーを使って溝にゴムを押し込んでいきます。1周ゴムを埋め込んだら、ゴムの余った部分はハサミでカットします。
網戸の枠と網目が並行になるようにするのが、キレイに仕上げるポイントです。ネットはずれないように、上から押さえることを心がけましょう。ネットのたるみが気になるからと、強く引っ張りすぎると、テンションが強くかかりすぎて、ゴムの埋め込みが浅くなり、失敗する可能性があります。
- 6.余分なネットをカットする
ネットの余分な部分を、まずはハサミで大まかにカットしましょう。
続いてカッターでゴムの外側をカットします。できる限り、はみ出た部分ぎりぎりを、ていねいにカットします。ケガをする恐れがあるため、カッターの進行方向に手を置かないように注意してください。
これで網戸の張り替えは完了です。
網の選び方
網戸の隙間が改善できない場合は、網そのものを交換することをおすすめします。
網を選ぶときは、素材、メーカー、網の目の細かさ、網の色などを見て、用途に合ったものを選びましょう。網戸を長持ちさせることができるだけでなく、防犯や安全にも役立ちます。
素材で選ぶ
網の材質によって用途が違います。用途や予算に合わせて選んでください。
ポリプロピレン
最も安いポリプロピレンは1枚当たり1,000~2,000円で、カッターなどで簡単に張り替えられます。ただし強度が弱いので、子どもが遊ぶような所では使用を避けたほうがいいでしょう。
※引用:RESTA
ポリエステル
ポリエステル素材はポリプロピレンより糸が強く破れにくいので、子どもやペットがいる部屋に使うといいでしょう。1枚当たり2,000~4,000円です。
※引用:RESTA
グラスファイバー
グラスファイバーの素材は熱に強く、キッチン周辺や日当たりの良い窓の網戸に適しています。1枚当たり1,000~3,000円です。
※引用:RESTA
ステンレス
ステンレスは強度が優れ、防犯目的やペットが引っかいたりするような場所に使われます。コストは1枚当たり3,000~10,000円と、他より高めです。
※引用:RESTA
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効果も違う?網戸の種類ごとの素材を紹介
2017.4.17イエコマ編集部
メーカーの網戸の特徴
主なサッシメーカーは
・YKK AP
が挙げられます。
YKK APの網の糸は細く、外がクリアーに見えるのが特徴です。三協立山も糸を細くして通気性を高めています。
LIXILの網戸は動かしても外れにくい構造が特徴です。
網目の細かさで選ぶ
網戸の網目は細かいほど虫が入りにくくなりますが、通気性は良くありません。逆に網目が粗いほど通気性は上がりますが、小さな虫の侵入を防げません。
網目の細かさは「メッシュ」という単位で表され、一般的なのは18メッシュです。24メッシュは1mm以下の細かさになり、蚊やハエが入り込むことはまずありません。
24メッシュの網戸の値段は、18メッシュとあまり変わらないので、とにかく虫の侵入を防ぎたい人にはおすすめです。
用途によって網の色も違う
網の色も用途によって異なります。
黒い網は、中から外の景色がきれいに見えます。
外側が銀色の網だと外から中の様子が見えにくくなります。
目隠しなどを目的とした、外側と内側の色が違う網も発売しています。
網戸の隙間対策は業者に依頼するのもアリ!作業費は1,000円~
網戸の隙間対策は、業者に依頼するのもひとつの方法です。道具をそろえる必要がなく、スピーディーにきれいに仕上がります。ケガをする心配もありません。
それぞれの作業の費用相場は、以下のとおりです。業者によって費用は大きく変わり、別途出張費がかかる場合もあります。目安として参考にしてください。
また、モヘア交換のみの作業は依頼を受けつけていない業者が多いです。ネットの張り替え作業などのオプションとして、利用可能なケースが多いため、注意しましょう。
モヘア交換 | 1mあたり200円前後 |
戸車の交換 | 1,500~3,000円 |
ネットの張り替え | 1,000~6,000円/枚 |
網戸本体の交換 | 30,000~50,000円 |
※掃き出し窓とは窓の下部分が床まである、引き戸式の窓
網戸の虫対策
網戸の隙間をふさぐことに加え、さらに少しの工夫で、虫の侵入をより効果的に防ぐことができます。しつこい虫にお困りの方は、以下の方法を試してみましょう。
別の種類のネットに張り替える
網戸のネットを、より防虫効果の高いネットに張り替える方法です。
網戸に不具合がなく、正しく使用しても、網目よりも小さな虫は室内に侵入してしまいます。ユスリカなどのごく小さな虫が入ってきて困っている方は、メッシュ数の大きいネットに交換するとよいでしょう。
ただし、網目が細かいほど、風通しや見通しが悪くなります。価格も高くなるため、細かいほどよいわけではありません。
ほかにも、虫よけ効果のある薬剤が練り込まれたネットを使う方法もあります。虫がとまり続けることができない仕組みで、人やペットには無害です。
網目よりも小さな虫が入ってくる場合や、自然の多い場所に住んでいる場合は、既存ネットとは別の種類のものネットに張り替えることを検討してみましょう。
LED電球に交換する
部屋の明かりを蛍光灯からLED電球に交換するのも、虫対策に効果的です。
夜間に電気がついている部屋の窓に、カメムシなどが集まることがありますよね。蛍光灯には微量の紫外線が含まれており、紫外線に反応する虫が寄り付いてしまうのです。出入口である網戸や窓の周りに虫が多く集まれば、開閉時に虫が侵入するリスクが高まります。
市販されているLEDの多くは紫外線を含まないため、電気の光に虫が反応することがありません。
虫よけグッズを使う
網戸の虫よけグッズを使った虫の対策方法もあります。さまざまなタイプがあるため、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
網戸の虫よけグッズは、大きく分けて3タイプあります。
- 網戸に塗って使うタイプ
- 網戸にスプレーで吹き付けて使うタイプ
- 網戸に粘着テープなどで貼り付けて使うタイプ
サッシもきれいに保とう!
網戸のサッシは普段から風雨や砂ぼこりにさらされていて、汚 れやすい所です。
網戸を外す際、網戸レールの汚れが目立つ場合は、網戸と一緒にきれいに掃除しましょう。
サッシは種類や汚れによって、掃除方法が異なります。汚れを放置すると故障の原因になりかねないので、きちんと清掃しましょう。
掃除方法
ほこりや砂などの汚れ
ぬれ雑巾を使わず掃除機で吸い取る
固まっている泥や油汚れ
先のとがった竹串などでこそぎ落としてから掃除機で吸い取る
金属やアルミ製のサッシで汚れがひどい場合
水を少しずつ流しながら、ブラシで汚れをこすり落とす。(ブラシの先に洗剤を付けても効果的です。最後は水で流し、乾いた雑巾で拭き取ります。)
木製のサッシ
水を流せないため、ぬれ雑巾を使い、汚れている箇所を軽くたたいて汚れを落とします。(木製サッシはカビが発生しないように、最低限の水分で拭き取ることが大切です。)
まとめ
網戸の周りに隙間があると、そこから室内に虫が侵入してしまいます。ご自宅の網戸をチェックしてみて、正しく網戸が使えているか、不具合が無いかを確認しましょう。
自分で対処できるケースもあるので、網戸の周りに隙間がある場合は、この記事を参考に対処してください。
網戸の張り替えや交換をする場合は、専門の業者に依頼するのがおすすめです。きれいにスピーディーに、安全に張り替えることができます。
イエコマは、網戸の張り替えサービスを承っています。材料費込みで、1枚あたり税込1,100円です。
「網戸が破れたままになっている」という方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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