住まいの窓まわりに取り付けられるカーテンやブラインドは、快適な毎日を過ごすために欠かせないアイテムです。
外からの視線を遮り、プライバシーの確保をすることはもちろんですが、窓周りの断熱や、日差しの調整による室内の環境調整、部屋の装飾の役割も担っています。
この記事では、カーテンとブラインドの具体的な違いから、カーテンとブラインドはどのような部屋に合っているかということを解説します。
毎日の暮らしをより快適にするために確認してくださいね。
カーテン、ブラインドの違い
まずは、カーテンとブラインドの違いについて、それぞれの特徴とメリット、デメリットから確認してみましょう。
カーテンの特徴
現在、住まいの窓回り商品として最も普及しているカーテンは、多くの方にとって馴染みがあり、扱いやすく、取り入れやすいアイテムです。
量産品からオーダーメイドカーテンまで価格帯が幅広く、予算に応じて商品を選ぶことができます。
一般的にカーテンは、窓上にカーテンレールを設置し、厚手のドレープカーテンと、薄手のレースカーテンを組み合わせて設置します。
この取り付け方法をダブルカーテンと言います。
ドレープカーテンは主に日差しを遮り、夜間のプライバシーの確保の役割があり、レースカーテンは、日中の日差しや通風を室内に取り入れながら、外部からの視線を遮る役割があります。
ふたつを組み合わせることで、一日中快適な室内空間を作ることができます。
近年は、ミラーカーテンと呼ばれるレースカーテンが普及し、レースカーテンのみを取り付け、夜間のプライバシーは外部に取り付けたシャッターや雨戸によって確保する方法も増えています。
暮らしのスタイルに応じて手軽に設置方法を変化させることができるのも、カーテンの魅力と言えます。
カーテンのメリット
カーテンのメリットは、以下のようになっています。
お手入れの手間がかからない
ほこりがたまりにくく、目立ちにくいため、日常的なお手入れの手間がほとんどかかりません。
自宅で手軽に洗濯ができるカーテンも多く、簡単に清潔感を保つことができます。洗濯できるカーテンをウォッシャブルカーテンと言います。
価格が最も安い
量産品から、オーダーメイドまで価格帯が幅広いことがカーテンの特徴ですが、量産品のカーテンは、住まいの窓周り商品の中でも最も少ないコストで購入することができます。
バリエーションが豊富
色柄や材質、組み合わせのバリエーションが豊富で、好みのものが見つけやすいのもカーテンのメリットです。
断熱性や遮音性に期待できる
特に厚みのあるドレープカーテンの場合、窓周りの断熱効果や遮音性能を向上することができます。
空調を効きやすくし、省エネ効果にも期待できます。
カーテンのデメリット
カーテンのデメリットは、以下のようになっています。
お手入れの手間がかからないため不潔になりやすい
付着したほこりが目立ちにくく、日常的なお手入れがほとんど必要ないカーテンは、何年も取り付けたまま掃除をすることなく放置されがちでもあります。
その場合、ハウスダストが付着し、室内環境の汚染の原因やアレルギーの原因にもなります。
清潔を保つために、定期的なクリーニングを心がける必要があります。
室内が安っぽい印象になることも
コストを抑えて量産品のカーテンを購入する場合、空間とのコーディネートや寸法に充分気をつけて購入しましょう。
空間と色合いや質感が合わない場合はもちろんですが、特に寸法が足りていない場合は、室内全体の印象が安っぽいものになってしまうことがあります。
カーテンだまりができる
カーテンの構造上、カーテンを左右に引くとカーテンだまりという出っ張りができてしまいます。
特に厚手のカーテンの場合や、部屋が狭い場合はこのカーテンだまりが空間を圧迫し、邪魔に感じることがあります。
材質を薄手のものにすることや、淡い色合いのものを選ぶことで圧迫感は軽減することができるので、工夫して選びたいですね。
ブラインドの特徴
ブランドは、木製、アルミ製、樹脂製、布製のものが一般的で、複数のスラットと言う羽状の部品を組み合わせてできています。
スラットの材質や幅によって雰囲気が異なりますが、どの材質でもカーテンに比べてシャープですっきりした印象になります。
スラットを水平に並べたものをブラインドと言い、垂直に並べたものを縦型ブラインドと言います。
水平のブラインドは一般的に南側の窓等の角度の高い日差しを有効に遮ります。
縦型ブラインドは朝日や夕日などの角度の低い日差しを有効に遮る効果がありますが、水平ブラインドよりも軽く、操作性が良いため、出入りの多い窓にも用いられます。
空間をすっきりさせたい場合に、窓の用途に合わせて取り入れたいですね。
ブラインドのメリット
ブラインドのメリットは、以下のようになっています。
簡単な操作で様々な調整ができる
基本的な開け閉め操作はもちろんですが、微妙な採光や視線の遮り方を簡単な操作で調整することができます。
メンテナンスが簡単
万が一スラットが折れてしまった場合でも、一枚単位で取り外し、交換することができるため、長く美観を保ち、愛用することができます。
すっきりしている
常に形状が整っているため、空間の印象がすっきりとシャープに整った印象になります。
また、開放した倍でもカーテンのような大きなたまりができず、水平タイプの場合は窓上に、縦型タイプの場合は窓横に整った形状でまとまるため、圧迫感がありません。
スラットの幅が狭いほど、すっきりとした印象になります。
ブラインドのデメリット
ブラインドのデメリットは、以下のようになっています。
お手入れしにくい
とくに水平タイプのブラインドの場合、ホコリが付きやすく、お手入れしにくいです。
特に、濃い色のブラインドはホコリが目立つため、小まめな清掃が必須になります。
面積が広くなると開閉が困難になる
複数のスラットを組み合わせて構成されているブラインドは、面積が広くなるとどうしても重たくなり、開閉の操作が困難になります。
縦型ブラインドの場合、この点のデメリットを解消することができるため、出入りが頻繁な窓とそうでない窓とで使い分けられるといいですね。
断熱性や遮音性には期待できない
ブラインドは、カーテンに比べて断熱性や、遮音性に期待できません。
価格が高い
量産品のブラインドもありますが、カーテンに比べて価格帯は高くなっています。
完全な遮光はできない
遮光カーテンのように完全な遮光は不可能で、完全に閉ざしても隙間から常に光が差し込むため、遮光を目的とした部屋には適しません。
カーテンが似合う部屋、活用できる部屋
それぞれの特徴を確認したところで、カーテンが似合う部屋、活用できる部屋を具体的に確認しましょう。
一日中外部からの視線や光を遮りたい部屋
遮光カーテンを使うことで、一日中外部からの光を遮ることができます。
また、ミラーカーテンとドレープカーテンを上手く活用することで、一日中外部からの視線を遮り、プライバシーを確保することができます。
寝室や、通りに面した窓、お隣からの視線が気になる窓で活用できます。
広さがある部屋
狭い部屋では邪魔に感じられるカーテンだまりですが、広さのある部屋の場合、カーテンだまりによって豪華な雰囲気を演出できます。
小さい子どもがいる部屋
柔らかい素材で、紐などの部品のないカーテンは、小さい子どもがいる環境でも、事故や怪我を防ぎ、安全に使えます。
賃貸の部屋
ブラインドは、取り付けの際に壁に穴を開ける必要がありますが、多くの賃貸物件にはカーテンレールが取り付けられているため、賃貸の部屋でも気軽に取り入れることができます。
ブラインドが似合う部屋、活用できる部屋
次に、ブラインドが似合う部屋、活用できる部屋を具体的に確認しましょう。
日差しが強い部屋
日中強い日差しが差し込む部屋では、夏場は強い日差しを遮ることで部屋の温度上昇を防ぎ、冬は日差しを取り入れることで、部屋の温度を快適に保つ効果が期待できます。
季節に応じて都合よく日差しを操作できるのは、ブラインドならではの活用術です。
シンプルですっきりさせたい部屋
室内の雰囲気をシンプルですっきりとした印象にまとめたい場合にはカーテンよりもブラインドが適しています。
人が集まる部屋、ペットがいる部屋、清潔を保ちたい部屋
人が集まる部屋やペットがいる部屋では、ほこりが立ちやすいものです。
そのため、ほこりが付着しやすいカーテンは小まめに洗濯等のクリーニングをしないと室内の環境が不潔になりやすくなります。
ブラインドは掃除に手間がかかりますが、日常的にふき取りを行うことで清潔が保ちやすいため、人が集まる部屋や、ペットがいる部屋や、清潔を保ちたい部屋に適しています。
ただし、ペットがひもに絡むことがないように注意が必要です。
外部からの目線があまり気にならない部屋
ブラインドは、カーテンのように完全に視線を遮ることができません。
そのため、通りに面した窓など常に外部からの視線が気になる部屋よりも、庭に面した窓や上階などのある程度ブラインドがなくてもプライバシーを確保できる窓や部屋への設置が適しています。
和風な部屋
特に木製のブラインドは、和風な部屋などのアジアンテイストのインテリアによく合います。カーテンでは作り出せない、非日常的な独特の雰囲気を演出することができます。
浴室やキッチン
アルミ製や樹脂製のブラインドは、ふき取り掃除ができるため、浴室やキッチンなどの水はねや油分を含む汚れの付着が気になる部屋に適しています。
ただし、カビや油染み、水垢などが付着するため、日常的なお手入れは欠かせません。
カーテンやブラインドは、それぞれの構造によって適した部屋・適さない部屋、活用できる部屋が明確に分かれますが、どちらも材質や色柄によって様々な雰囲気を演出することができるため、インテリアに関しては幅広い演出をすることができます。
例えば、高級感を演出したい場合、カーテンは厚手のドレープカーテンとフリルの目立つレースカーテンを組み合わせることが一般的です。
ブラインドの場合、スラットの幅を厚くし、濃い色を選択することで高級感を演出することができます。
それぞれの特徴を理解しながら、機能性や使う人の好み、予算と合わせて快適な窓周りを作れるといいですね。