マイホームを新築したり引っ越したりしたとき、窓に自分でカーテンレールを取り付けたいと考える人は多いと思います。また、古くなってビスが外れたり曲がったカーテンレールを、新品に交換したい人もいるのではないでしょうか。
そんな人のために、カーテンレールの種類から事前準備、取り付け方とその際の注意点、費用までを分かりやすく紹介します。
この記事を読めば、カーテンレールの取り付けで迷わずに済みます。
目次
カーテンレールの種類
カーテンレールには、主に「機能性カーテンレール」と「装飾性カーテンレール」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、取り付ける場所も異なるため、購入時にどちらを選ぶかよく検討する必要があります。
機能性カーテンレール
※引用元:IKEA
機能性カーテンレールは、カーテンの開閉のしやすさに重点を置いたレールです。素材には耐久性を重視したステンレスやアルミ、銅、樹脂などが使われています。
賃貸マンションやアパートなどに最初から付いているレールのほとんどが、機能性カーテンレールです。
レールが1本の「シングルタイプ」と、レースカーテン用のレールが付いた「ダブルタイプ」があります。
機能性カーテンレールのメリットは、その名のとおりスムーズに開閉できる機能性と手頃な価格です。
デメリットは、シンプルであまり見栄えせず、デザイン性が低いことです。
しかし、最近は木目調など、部屋のインテリアに合わせて色調を選べるものも販売されています。
伸縮するタイプもあり、採寸が面倒な人におすすめです。
装飾性カーテンレール
※引用元:IKEA
装飾性カーテンレールはデザインが豊富で、素材には木や真ちゅう、アルミ、鉄などが使われています。
機能性カーテンレールとの違いは、カーテンの取り付け部分がリング状になっていて、レールそのものを見せることです。
部屋のインテリアに合わせて選ぶことが大切で、機能性カーテンレールに比べて重量もあるため、取り付けの際に注意が必要です。
通常、装飾性カーテンレールはシングルタイプで、レースカーテンを使う場合は内側に機能性カーテンレールを取り付けます。
最近では、レースカーテン用のレールとセットにし、デザインを統一したダブルタイプや、機能性も重視してスムーズに開閉できるタイプも販売されています。
カーテンレールの取り付け方の種類
カーテンレールの取り付け方には、「正面付け」と「天井付け」があります。
※引用元:9071blog
正面付けは、窓枠の上の壁面に取り付ける方法です。機能性カーテンレールや装飾性カーテンレールを取り付けることができます。
※引用元:9071blog
天井付けは、天井または出窓のように窓枠の内側に取り付ける方法です。機能性カーテンレールを取り付けることができます。
カーテンレールを選ぶときは、種類ごとのメリットとデメリットだけでなく、取り付ける場所の素材や位置なども考慮する必要があります。
事前準備:採寸や素材チェックなど
カーテンレールを付けるに当たっては、採寸などの事前準備が大切です。
道具の準備
カーテンレールを取り付ける窓枠の採寸と、ビスを差し込む下地を探すために、下記の道具を用意します。
- 脚立(作業しやすい高さ)
- メジャー(3~5m)
- 下地探しアイテム(正面付けの場合)
下地探し
正面付けの場合、壁の内部に下地がないとカーテンレールを取り付けることはできません。
下地の有無は、壁をたたいたときの音で判断できます。軽い音がする場合は下地がなく、鈍い音の場合は下地がある箇所です。
慣れていないと下地の有無の判断は難しいので、ホームセンターなどでセンサー式やワンプッシュ式の下地探しアイテムを購入することをおすすめします。
また、房かけ金具を取り付ける位置にも、下地があるか確認しておきましょう。
※引用元:TOSO
下地がない場合は、ボードアンカーという部品を購入して取り付ける必要があります。
天井付けで取り付ける場合は、下地の確認は不要です。
窓枠外寸法の採寸
カーテンレールのサイズを選ぶために、取り付ける窓の外枠の長さを測ります。
天井付けで窓枠の内側の上部に取り付ける場合は、窓の内枠の長さを測ります。
カーテンレールの取り付け位置の確認
カーテンを設置した際に、カーテンが周辺の壁やエアコン、家具などと干渉しないように、カーテンレールを取り付ける窓の周りを確認します。
また、クローゼットなどの開閉時の状況も確認しておきましょう。
カーテンレールのサイズを決める
機能性カーテンレールと装飾性カーテンレールの望ましいサイズは、以下の通りです。
- 機能性カーテンレール:(窓枠外寸法+5~10cm)×2
- 装飾性カーテンレール:(窓枠外寸法+10~20cm)×2
装飾性カーテンレールは、窓枠からはみ出る部分を多めに取ると、バランスよく見えます。
天井付けで、窓枠内側の上部に機能性カーテンレールを取り付ける場合は、「(窓枠内寸法-0.5cm)×2」がおすすめです。
カーテンレールを選ぶ
サイズが決まったら、部屋のインテリアの雰囲気、取り付けるカーテンのデザインや色、素材、重さ、予算などを考慮して、最適なカーテンレールを選びましょう。
カーテンレールのデザインの選び方などについては、後述の“カーテンレールの見栄えを上げるポイント”をご参照ください。
カーテンレールの耐荷重については、商品によって異なりますが、大体3~5kg程度に設定しているものが多いです。必ず商品説明を確認しましょう。
カーテンレール取り付けの手順
カーテンレールを購入したら、いよいよ取り付け作業の開始です。
道具の準備
事前準備で挙げた道具に加えて、下記の道具を用意します。
- ドライバー
- ドリルまたはきり
- 鉛筆
- 曲尺(まがりがね)
- カーテンレール本体
- ビス
ブラケットの位置決め
正面付けの場合
ブラケット(カーテンレールを固定する部品)を取り付ける位置を決めます。
- 機能性カーテンレール:窓枠から5~10cm上の位置
- 装飾性カーテンレール:0~15cm上の位置
がよいでしょう。
決めた位置に下地があるかもう一度確認し、曲尺を使ってブラケットを取り付ける場所に、鉛筆でなるべく等間隔に印を付けます。
ブラケットは60cmごとに1つ取り付けると、カーテンレールのぐらつきを防ぐことができます。
ブラケットの位置決めを間違えると、斜めになったり、左右のバランスが悪くなったり、窓枠とカーテンの長さのバランスがおかしくなります。
天井付けの場合
天井付けの場合も、ブラケットを取り付ける場所を決めます。
下地の有無を確認する必要はありません。まっすぐ等間隔になるように、鉛筆で印を付けます。
ブラケットの取り付け
1、鉛筆で印を付けた箇所に、ビスを打ち込みやすいようにドリルかきりで下穴を開けます。
2、カーテンレール本体から外したブラケットを、ドライバーを使って壁または天井にビスで取り付けます。
ブラケットがしっかり固定されていないと、カーテンレールがぐらついて外れてしまいます。ビスがきちんと締まっているか念入りに確認してください。
カーテンレール本体の取り付け
1、固定されたブラケットにカーテンレールをはめ込みます。はめ込んだときにカチッと音がするか確認しましょう。
2、はめ込んだ後、少し力を入れてレールを動かしてみて、ぐらつきがないか確認します。
ぐらつく場合はビスが緩んでいる証拠なので、緩んでいるビスを探してしっかり締め直しましょう。
房かけ金具の取り付け
房かけ金具を取り付ける場合は、カーテンの長さの上から3分の2の高さの位置が一番美しいといわれています。また、カーテンを畳んだ際に、縦のラインがまっすぐになる横位置に取り付けてください。
DIYで取り付ける場合の注意点
カーテンレールを自分で取り付ける場合は、以下に挙げる3点に注意しましょう。
下地の確認
下地の確認は、カーテンレールの取り付けにおいて最も重要です。正面付けで下地がない箇所に取り付けるとブラケットが固定されず、カーテンレールやカーテンの重みでレールが外れてしまいます。それだけでなく、壁が損傷してしまう場合もあります。
必ず下地探しアイテムを使って、正確に下地の有無と位置を確認しましょう。
正確な採寸
自分好みのインテリアを配し、カーテンの色や柄に気を配っても、カーテンレールの取り付け位置がおかしいと台無しです。左右の長さのバランスが悪かったり、取り付け位置が高すぎたり、斜めに取り付けられていたりすると、気になって落ち着かない気分が続くかもしれません。
カーテンレールを自分で取り付ける場合はカーテンの長さにも配慮し、メジャーや曲尺を使って正確な採寸をしたうえでバランスの良い位置を決めましょう。
下穴を開ける
ブラケットを取り付ける際には、まずドリルやきりを使って下穴を開けることで、ビスをスムーズに打ち込めます。
下穴を開けずにビスを打ち込むと、壁紙や窓枠を損傷してしまうことがあるのです。特に天井付けの場合は、必ず下穴を開けてください。開けていないと窓枠が割れることがあります。
カーテンレールの見栄えを上げるポイント
※引用元:CURTAIN VALUE
せっかく新しくカーテンレールを取り付けるなら、部屋を引き立て、快適に過ごせるものを選びましょう。
自分の趣味趣向に合わせて、以下の基準を参考にして、カーテンレールを選ぶことをおすすめします。
インテリアにこだわる人には
木やアルミ、鉄、真ちゅうなど素材が豊富で、アンティークなスタイルからモダン、カントリー調まで、幅広いデザインがそろった装飾性カーテンレールがおすすめです。
木目を基調にした部屋には
室内の木の色調に合わせたものを選ぶと統一感が出ます。黒を基調にしたモダンな部屋には、鉄や真ちゅう製の黒色のものがおすすめです。
模様替えをいろいろ楽しみたい人には
エンドキャップに取り換えられるタイプの装飾性カーテンレールがおすすめです。
キャップのデザインはアンティークやモダンなどさまざまなものがあり、キャップを取り換えるだけで部屋の雰囲気が変わります。
価格が手頃な機能性カーテンレールも、アルミ製の無機質なものだけでなく、黒や白色に塗装したものや木目のシートを貼ったものなどがあります。インテリアに合わせて色調をそろえることができるのです。
赤ちゃんがいる家庭には
静音性に優れた機能性カーテンレールがおすすめです。カーテンを開閉する音がとても静かで、赤ちゃんが寝ていても安心です。
見栄えを上げるには「高さ」が大事
装飾性カーテンレール、機能性カーテンレールのどちらも、取り付けるカーテンと窓枠の高さとのバランスが大切です。
正面付けの場合、外から見ても美しいのはカーテン上部の芯地(通常9cm)が窓枠にかからない高さがよいです。
高い位置に取り付けることで、天井を高く見せ、部屋の開放感も増します。また、カーテンから漏れる光を軽減し、遮光性も高まるのです。
※引用元:ワコーグループ
腰高窓(上記画像)の場合は、カーテン下部の折り返し部分が窓枠の下になるようにしましょう。光に当たり、折り返し部分が透けて見えるのを防ぐためです。
カーテンレール取り付けにかかる費用
カーテンレールの取り付けを自分で行うかどうかを決める主な要因は、費用です。
カーテンレールを自分で取り付ける場合と業者に依頼した場合の費用を比較してみましょう。
DIYで取り付けた場合
自分でカーテンレールを取り付ける場合、必要な道具の購入費用として3,000~5,000円程度かかると見ておくといいでしょう。カーテンレール本体の購入費用に加え、取り付け作業に使う用具の費用がかかります。
カーテンレールの取り付けを成功させるには、下地のある箇所を知ることが重要です。
しかし、素人が壁をたたくだけで取り付け位置を判断するのはリスクがあるため、下地探しアイテム(1,000~2,000円程度)が欠かせません。
取り付け位置を決めるために、窓枠からの高さを正確に測れる曲尺(600~1,000円程度)も必要です。一般家庭に常備されていることが多いメジャーやドライバー、きりなども、持っていなければ購入しなければなりません。
また、下地がなかった場合は、下地のない箇所に使用できるボードアンカー(500~1,000円程度)を使うと便利です。
業者に依頼した場合
取り付ける本数、取り付け方法、取り付け場所などにより値段が違いますが、1カ所当たり10,000~15,000円が相場です。ただし、カーテンレールの取り付けは工賃を定めていない業者が多く、20,000円ぐらい請求される場合があります。
古いカーテンレールを撤去する場合は、追加料金が発生するケースもあります。
自分で取り付けるのが不安な人は、業者に依頼しましょう。
ニトリやホームセンター、家具店などでカーテンレールを購入した場合は、店舗の提携業者が取り付けてくれます。時期や商品によっては取り付け費用が安くなる場合もあるので、購入と取り付けを合わせて検討することをおすすめします。
カーテンレールの取り付けについては、費用はもちろん、購入場所、自分で取り付ける場合の手間やリスクなどを総合的に考えて判断することをおすすめします。
カーテンレールの取り付けは専門業者に
カーテンレールの取り付けは、採寸に失敗すると壁に余計な穴を開けてしまったり、バランスがおかしくなったりして、簡単そうに見えてなかなか難しいものです。無理に自分でやろうとせず、専門業者にお任せするのが安心でしょう。