ウォシュレットは、一般家庭への普及率が約80%(※1)となっています。長く使えば使うほど故障や劣化などが起こりやすくなり、いずれは交換が必要となる時期がきます。
ここでは、ウォシュレットの劣化が気になり始めた方に向けて、交換にかかる費用や、交換時に気をつけたいポイントについて紹介していきます。
快適なトイレを手に入れるために参考にしてみてください。
(『ウォシュレット』はTOTOの商品名です)
目次
ウォシュレット交換費用の相場
ウォシュレットの取り付けや交換において、まず気になるのは交換費用でしょう。ウォシュレットの交換費用は本体の購入費用に加えて、作業を業者に依頼するかどうかで変わってきます。
それぞれのパターンについて、交換費用をみていきましょう。
自分で行う場合の交換費用
ウォシュレット本体の費用は、安いものでは10,000円程度のものから、高いものでは10万円以上のものまであります。
ウォシュレットの交換を自分で行うときにかかる費用は、ウォシュレット本体の費用のみです。
ウォシュレット本体は、家電店やホームセンターなどで販売されています。自宅トイレに合ったウォシュレットを選んで自分で交換すれば、とくに工事費用はかかりません。
業者に取り付けを依頼する場合
作業費用は工事費や出張費などを入れると約15,000〜20,000円程度です。トイレ内にコンセントやアースがない場合は、専用回路工事が必要となるため別途料金がかかります。
ウォシュレットの取り付けや交換は、リフォーム会社や家電店などが請け負っています。
依頼した業者が取り扱っているウォシュレット本体を購入すれば、取り付け費用や本体価格が割安になることもあります。
古いウォシュレットの処分を依頼する場合
業者に古いウォシュレットを処分してもらう場合には、別途費用がかかることがあります。
費用は、業者によって異なり、0(取り付けサービスに含まれている)〜5,000円程度と幅があります。
自治体のルールにしたがってゴミとして処分したほうが安くなることもあります。事前に確認をとっておくことが大切です。
扱っているウォシュレットの機種や割引率・工事費などは、業者によってさまざまです。取り付けを依頼するときは、本体価格も含めて、複数の業者から見積もりをとることが望ましいでしょう。
ウォシュレットを交換すべき時期
使っているウォシュレットを新しいものに交換したほうがよいかどうかは、保証期間を超えているかどうかがポイントとなります。
使用頻度や日頃のお手入れなども影響するため一概にはいえませんが、ウォシュレットの寿命は、7〜10年といわれています。
新品に交換するよりもメーカーに修理してもらうほうが負担額は安くなる
全額支払う必要があり、想像以上に高額になったり、直ったと思ったら別の不具合が起きたりすることもある
すでに製造が終了している機種では、部品が手に入らず修理ができないこともありえます。
ある程度の年数を経て劣化したウォシュレットは、修理をするよりも新しいものに交換した方が費用は安く済むでしょう。
ウォシュレットの故障の原因や対処法の詳細は、以下の記事をご参照くださいませ。
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2024.3.1須藤瑶子
ウォシュレット購入前にチェックしておきたいポイント
ウォシュレットは、必ずしもすべての家庭にすぐに設置できるとは限りません。ウォシュレットを設置したいトイレの構造を、事前にチェックしておくことが必要です。
電源の位置
ウォシュレットは電化製品のため、電源を供給するためのコンセントが必要です。トイレ内にコンセントがあるかどうかを事前に確認しておきましょう。
トイレ内にコンセントがない場合は、トイレ内にコンセントを増設する必要があります。トイレの外からコードを引き込むと、ドアに挟んで断線をしてしまったり結露や水滴がかかったりすることで、感電事故や漏電による火災が起こる可能性があります。
結露は、物質の外側と内側に温度差があることで、空気中の水蒸気が液体になってしまうことです。寒い日に部屋を暖めていると窓がくもることが代表的でしょう。
トイレでも、水道管やトイレタンク、便器などに結露が起こることがあります。洗浄に地下水を利用している場合や、暖房を利用して室温を高くしている場合など、水温と気温に温度差が生じることが原因となります。
また、長いコードではつまずく危険もあります。危険性のある延長コードの使用は止めましょう。
便器のサイズ
便器といってもさまざまな形状やサイズがあります。購入したいウォシュレットが取り付けられるかどうか判断するために、便器の幅や長さといったサイズを測定しておきましょう。
壁からの距離も測定しておくとよりよいですね。
止水栓とトイレタンクの距離
止水栓から、既存のトイレタンクへの給水入り口が近すぎると、ウォシュレット給水ホースの設置が難しくなります。直線距離で最低でも15cmの余裕があるとよいでしょう。
トイレの広さ
ウォシュレットの交換作業を行うためには、トイレ内にある程度のスペースが必要です。便器から壁への距離が近すぎる場合には、
「リモコン部分が入らなかった」
「手すりと重なって使いづらい」
などのこともあります。
事前にトイレの床面積や、壁までの距離、トイレ内の設備の位置などを測定しておきましょう。
平面図を作っておこう
ウォシュレットを店舗に見に行ったり、購入の相談をする前に、自宅トイレの平面図をつくっておくと便利です。
- トイレの床の寸法
- 便座のサイズ
- 壁から便座の距離
などを測って記入しましょう。
また、
- タンクの位置
- コンセントの位置
- ドアがどの方向に開くか
についても記録しておきましょう。
デジカメやスマートフォンで写真を撮っておけば、便座やタンク、給水管の形状も、視覚的に把握できるので便利です。
ウォシュレット交換方法
ウォシュレットは、サイズや取り付け位置の確認が必要ですが、自宅のトイレに合った機種を選べば自分で交換することもできます。
ウォシュレットの交換方法を順に見ていきましょう。
道具の準備と交換方法
ウォシュレットの交換に必要な道具を準備します。
- 用意するもの
-
- バケツ
- 雑巾
- マイナスドライバー
- プラスドライバー
- レンチ
- ビニール袋
- 水道の元栓を閉める
- 便器蓋を外す
- 固定プレートを設置する
- ウォシュレットを乗せる
- 給水ホースを外す
- 分岐金具を取り付ける(交換する)
- 付属ホースと給水管を接続する
- 試運転してみる
マイナスドライバーを使って、トイレタンクの横にある止水栓を閉めて水を止めます。
水栓レバーを操作して、水が止まっているかどうかを確認しましょう。
固定金具をゆるめて便座を外します。
取り外した便座はすぐに捨てられないこともあります。汚れがあるときはキレイに掃除しておきましょう。
機種によってはウォシュレットを乗せる前に、固定プレートをまず設置することが必要です。
便座があった場所にウォシュレットを乗せて、固定金具で止めます。
止水栓につながっている給水ホースを取り外します。
水が漏れてくる可能性があるので、バケツを下に置き、雑巾も手に取れる場所に置いておきましょう。
ウォシュレットに水を送れるように分岐させるための金具を付けます。
すでにウォシュレットを使用している場合も、新しいウォシュレットの付属ホースが分岐金具と合わない場合には交換が必要です。
分岐水栓にウォシュレットの付属ホースとトイレタンクへの給水管を接続します。
しっかりと接続されているかどうか、確認します。パッキンの付け忘れに注意しましょう。
アース線を接続し、コンセントを入れます。電源を入れて水漏れが起こらないかどうかや、本体の動きを確認します。
ウォシュレットから水が飛び出すので、ビニール袋などで防御しておきましょう。
※画像引用:TOTO
DIYにはリスクもある
ウォシュレットの交換は、ひとつひとつの作業は単純ですが、仕組みや手順をしっかり理解せずに取り掛かかると、トラブルになることがあります。
水漏れ
水道の元栓を閉め忘れて水があふれ、作業中に床が水浸しになるトラブルです。分岐水栓や給水ホースの接続がゆるかったり、パッキンを付け忘れたりして水漏れしてしまうこともあります。
マンションやアパートなどの集合住宅では、階下の方に迷惑をかける恐れがあります。
感電
水回りでの電化製品の設置作業で注意したいトラブルが感電です。
作業を始める場合には、ウォシュレットのコンセントは抜いておくこと、手が濡れたままでコンセントを触らないことなどに気を配りましょう。
無理な姿勢
ウォシュレットの交換作業は、狭いトイレ内での作業なので無理な姿勢になることがあります。立ち上がろうとして手をついて、新しいウォシュレットにヒビが入ったり、背中や腰を傷めることがないように注意をしましょう。
ウォシュレットの交換は自分で行うことも可能ですが、不安があるときには無理に進めず、業者への依頼を検討しましょう。
不要になったウォシュレットの処分方法
不要になったウォシュレットは、いつまでも自宅に置いておきたくないものですね。処分方法としては、次のような方法があります。
家電ゴミや不燃ゴミとして捨てる
取り外したウォシュレットは、多くの自治体で、家電ゴミや不燃ゴミとして捨てることができます。自治体のルールに沿って捨てましょう。
業者に引き取ってもらう
業者に設置・交換を依頼した場合には、交換作業後に古いウォシュレットを引き取ってくれることがあります。不燃ごみの指定日まで時間があるなど、すぐに捨ててしまいたい場合にはとくに便利です。
別途処分代を必要とすることがありますから、見積もりの段階で確認をしておきましょう。
ウォシュレットをDIYで交換できないケース
ウォシュレットは、条件が合えばDIYで取り付けることができる電化製品です。
しかし、トイレの構造によっては、DIYではできないケースや、安全に取り付けられないケースがあります。
DIYで取り付けられないケースは、主に以下の場合です。
- トイレ内にコンセントがない
- 新しいウォシュレットの消費電力に合った電源がない(配線工事が必要)
配線工事は電気工事士の資格を持っている者しか施工できないので、電気工事士の資格保有者がいる業者に依頼しなければなりません。
延長コードを使用してトイレの外から電源を供給することは、漏電やショートのリスクがあるため止めましょう。
費用はかかりますが、専門の業者に任せることで短時間に確実に作業をしてもらうことができるでしょう。
最新ウォシュレットの機能
便利で快適な使い心地になるようにウォシュレットも進化してきました。現在販売されているウォシュレットには、次のような機能があります。
リモコン
リモコンには、便座のすぐ脇にリモコンがある袖リモコンタイプと、ウォシュレット本体から離れ、壁にリモコンを設置する壁リモコンタイプがあります。
袖リモコンタイプ
※引用:TOTO
ベーシックな機能を搭載しており、2〜3万円程度の価格のものが中心となっています。操作時に多かれ少なかれ身体をひねることが必要です。
また、便座の近くにあり凸凹もあるため、汚れには注意が必要です。
壁リモコンタイプ
※引用:TOTO
さまざまな機能を搭載する機種があります。価格は3〜10万円と幅が大きく、高機能なものほど高くなります。身体をひねらなくても視認、操作がしやすく、パネル状で掃除もしやすいでしょう。
ただし、壁に穴を開ける必要があるため、賃貸物件の場合は大家や管理会社などへの確認が必要です。
自動便座開閉
※引用:TOTO
人の動きや着座を感知して、自動で便座を開閉する機能です。身体が不自由な方や、トイレを触ることに抵抗があるという方におすすめです。
温水洗浄
ウォシュレットの洗浄では、水だけではなくお湯も使えます。お湯を温める方法は、貯湯式と瞬間式の2つのタイプがあります。
ウォシュレットのタンクの中のお湯をヒーターで温めて保温しておくタイプです。
タンクの貯水量には制限があるため、連続して使い続けると、一時的にお湯が足りなくなってしまうことがあります。
水を瞬間的に温めて放出するタイプです。連続して使うことが可能です。
貯湯式に比べると、瞬間式ウォシュレットの方が高価になる傾向があります
暖房便座
※引用:TOTO
便座を温めて、便座に座ったときのひんやりと冷たい感触を解消します。とくに冬は使用したい機能です。
温風乾燥
※引用:TOTO
便座の下から温風が出ることで、洗浄後のお尻を乾かしてくれる機能です。トイレットペーパーの使用量を抑えることができます。風量や温度も調節ができます。
節水・節電機能
※引用:TOTO
家電製品の多くは、節水や節電の工夫をされていますが、ウォシュレットも例外ではありません。使うときだけ便座があたたかくなったり、使用する水量を減らしたりするなど、節水や節電機能が搭載されているものがあります。
「キレイ」を保てる
トイレ掃除が負担にならないように、清潔な状態を保つための工夫が搭載されています。
自動洗浄
使用後に自動でノズルを洗浄することで、ノズルに付着した菌の繁殖を抑えて汚れに変化するのを抑えます。
汚れがつきにくい
汚れがつきにくい素材でつくられたウォシュレットが販売されています。
掃除がしやすい
掃除のしやすさに着目して、デザインを工夫しているものがあります。
まとめ
不具合が生じたウォシュレットは、保証期間が過ぎている場合には修理をするよりも新しいものに交換したほうが、費用が抑えられることがあります。条件が合えば自分で交換をすることも可能ですが、慣れない作業は思いもよらないトラブルにつながるかもしれません。
短時間で確実に、快適なトイレに生まれ変わらせるために、思い切って専門の業者に任せることも選択肢のひとつです。ウォシュレット本体の販売と取り付けをセットで販売している業者もあります。
「どこに頼んだらよいかわからない」という方も、まずは見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。
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