排水管の悪臭やヌメリ、詰まりが気になった場合、まずは手軽にできる方法として、排水管の洗浄を試す人は多いです。
排水管の洗浄は一般的にパイプクリーナーが使用されますが、「排水管洗浄液」という専用のクリーナーも存在します。
この記事では、パイプクリーナーと「排水管洗浄液」の違いや、パイプクリーナーの選び方、クリーナーで解消できない場合の方法について解説します。
- 排水管の詰まりや汚れが気になっている
- 長い間洗浄をしていない
上記のようにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「排水管洗浄液」とは?
「排水管洗浄液」と聞くと、「液体タイプのパイプクリーナーのことかな?」と思う人もいるかもしれませんが、「排水管洗浄液」は株式会社スリーケーが販売している商品の製品名です。
株式会社スリーケーの「排水管洗浄液」は、有機土壌から抽出された複合微生物と酵素により、排水口の汚れを改善する排水管洗浄専用の洗剤です。
使い方は、「詰まりや汚れが気になる排水口に適量を流し込み、その後4時間程度放置して水を流す」というものになります。
もともとは排水管掃除のプロが使う業務用として販売されている商品でしたが、現在は家庭用にもアレンジされ、一般消費者もスリーケー公式通販や、アマゾンなど大手通販サイトで購入できます。
「排水管洗浄液」のメリットとデメリット
「排水管洗浄液」のメリット、デメリットは以下です。
「排水管洗浄液」のメリット
「排水管洗浄液」を使用するメリットは、安全性を担保しつつ、高い洗浄力で排水管をきれいにできる点です。
有機土壌から採取された微生物と酵素が主な洗浄成分のため、環境と人体に優しく、安全に使用できます。
また、微生物と酵素の有効成分は、排水管内のヌメリの奥まで浸透することが可能です。根元から汚れを剥がして悪臭やヌメリを改善します。
「排水管洗浄液」のデメリット
「排水管洗浄液」のデメリットは、使用に時間がかかる点と、効果が出るのに時間がかかる点です。
1回の使用時に4時間ほどの放置時間が必要なので、就寝時や出かけるときなど、水回りを使用しないまとまった時間をとる必要があります。
また、1回の使用だけで効果が出るものではなく、ヌメリや詰まりを除去し排水管をきれいな状態を保つためには、数回使用することが必須です。
即効性を求める場合は、化学成分の含まれたクリーナーの方が適しています。
パイプクリーナーを選ぶときのポイント
住まいの排水管洗浄をするためのパイプクリーナーは、「排水管洗浄液」以外にもさまざまな商品が販売されています。
パイプクリーナーを選ぶときに知っておきたいポイントを解説します。
パイプクリーナーの成分の種類と選び方
「排水管洗浄液」などのバイオ系パイプクリーナー(生物の特性や働きを活かしたパイプクリーナー)以外のパイプクリーナーの主成分は、主に次の2種類です。
水酸化ナトリウム | アルカリ性で、とくに油汚れを分解するのに向いています。たんぱく質も分解でき、高濃度であれば髪の毛も溶かします。 |
次亜塩素酸ナトリウム | 酸性で、とくに髪の毛などたんぱく質系の汚れを分解するのに向いています。 |
油汚れが発生しやすい台所の排水口には水酸化ナトリウムのパイプクリーナーがおすすめです。
水酸化ナトリウムのパイプクリーナーとしては、ジョンソン『パイプユニッシュ』などがあります。
洗面所や浴室の排水口には、次亜塩素酸ナトリウムのパイプクリーナーがおすすめです。
次亜塩素酸ナトリウムのパイプクリーナーとしては、ユニリーバ・ジャパン『ドメスト パイププロ』などがあります。
パイプクリーナーの形状の種類と選び方
パイプクリーナーの主な形状は4種類あります。
- ジェル(液体)タイプ
- 泡タイプ
- 粉末・顆粒タイプ
- 固形タイプ
排水管のヌメリや詰まり対策には、ジェルタイプと泡タイプが有効です。
ジェルタイプと泡タイプの洗剤は、垂直部分にも薬剤がとどまり、効果を発揮するメリットがあります。
粉末・顆粒タイプは効果の範囲が広い傾向にあるため、できるだけ奥まで排水管を洗浄したい場合におすすめです。
詰まりの解消を目的とせず、日ごろのお手入れとしてパイプの洗浄を行いたい場合、固形タイプがおすすめです。
計量の手間もなく、排水口に入れるだけで汚れやヌメリの予防ができるため、手軽に取り入れることができます。
パイプクリーナーの濃度の種類と選び方
パイプクリーナーは、多くの場合、水酸化ナトリウムの濃度が明記されています。
詰まりの予防や日頃の手入れ目的であれば、水酸化ナトリウムが1%程度の製品で十分です。
パイプ内にすでに詰まりが発生している場合は、水酸化ナトリウムが1%を超える高濃度に配合されたクリーナーを使用しましょう。
高濃度のものは、取り扱いに注意が必要なため、使い方をよく確認し、使用後はしっかりと水を流します。
高濃度のパイプクリーナーとしては、小林製薬『サニボン泡パワー』などがあります。
「排水管洗浄液」以外のパイプクリーナー
パイプクリーナーの選び方を確認したところで、「排水管洗浄液」以外のパイプクリーナー製品の幾つかを紹介しましょう。
ジョンソン『パイプユニッシュ』
タイプ | ジェル |
特徴 | 水酸化ナトリウム濃度1.8% |
おすすめ箇所 | キッチン |
ジェルタイプの薬剤が排水管にとどまり、詰まりや悪臭を解消します。水酸化ナトリウムが高濃度に配合されているため、髪の毛などのたんぱく質汚れから、キッチンの油汚れまで、あらゆる場所に使えます。
すでに詰まっている場合や、水の流れが悪い場合などにも有効です。
ミツエイ『ハーバルスリーパイプクリーナー1000』
出典:ハーバルスリーパイプクリーナー1000 | ミツエイ株式会社
タイプ | ジェル |
特徴 | 水酸化ナトリウム濃度1% |
おすすめ箇所 | 浴室、洗面所 |
ジェルタイプのため、パイプの垂直部分に薬剤がとどまり汚れを洗浄します。
髪の毛まで溶かすので、浴室・洗面所の排水管のヌメリ解消や、悪臭対策に効果的です。
参考:
ハーバルスリーパイプクリーナー1000 | ミツエイ株式会社
小林製薬『サニボン泡パワー』
タイプ | 泡 |
特徴 | 水酸化ナトリウム濃度3.5% |
おすすめ箇所 | 詰まった排水管 |
泡タイプの製品のため、パイプの垂直部分の付着時間が長く、水酸化ナトリウム濃度3.5%という強力な洗浄成分でパイプの全方位を洗浄する商品です。
髪の毛や油汚れを溶かし、悪臭やヌメリ、詰まりを取り除きます。
参考:
サニボン泡パワー – 製品情報 – 小林製薬株式会社
鈴木油脂工業『強力排水管バン(S-2442)』
タイプ | 液体 |
特徴 | 水酸化ナトリウム+次亜塩素酸ソーダにより洗浄 |
おすすめ箇所 | 洗面、浴室 |
排水管に流し入れ、一昼夜放置の上水を流すことで、排水管内の汚れ、カビ、ヌメリ、悪臭を除去します。
髪の毛の融解もできるため、詰まりの解消にも効果的です。
業務用ではありますが、楽天市場やモノタロウなどの通販で購入が可能で、4.2kgと大容量パッケージのため、扱いの際は液体をこぼさないように注意しましょう。
和協産業『ピーピースルーF』
タイプ | 顆粒 |
特徴 | 水酸化ナトリウムなどが主成分。アルカリ性。 |
おすすめ箇所 | キッチン |
水に反応し、強力な発砲と熱で排水管内の汚れを取り除きます。
とくに油脂タンパク汚れに効果的です。
小林製薬『かんたん洗浄丸』
出典:小林製薬 かんたん洗浄丸
タイプ | 固形 |
特徴 | 成分の塩素化イソシアヌル酸塩が水と反応して次亜塩素酸を生成し、効果を発揮 |
おすすめ箇所 | 浴室、洗面 |
排水口に投入し、30分~1時間ほど待ってから水を流して排水管を洗浄します。固形なので取り扱いが容易なことが魅力です。
三角コーナーやまな板などのつけ置き洗いにも使えます。
参考:
小林製薬 かんたん洗浄丸
パイプクリーナーを使用するときの注意点
パイプクリーナーを使用する際には、以下の3点に注意しましょう。
取り扱い説明書をよく読む
必ず、パイプクリーナーを使用する前に取り扱い説明書をよく読み、書いてある内容に従いましょう。
説明書に書いてある注意点などを守らないと、パイプクリーナーが十分に効果を発揮しなかったり、有毒ガスが発生したりする恐れがあります。
ビニール手袋を着用して使用する
パイプクリーナーの取り扱い説明書には、皮膚にパイプクリーナーを付着させないよう注意が必要な旨が記載されていることが多いです。
「わざわざビニール手袋までしなくても、気を付けていれば大丈夫」と思うかもしれませんが、万が一のこともあるので、ビニール手袋を着用して使用しましょう。
粉末タイプの使用時はマスク着用が望ましい
粉末タイプのパイプクリーナーは、使用の際に多かれ少なかれ粉が舞い散ります。
吸い込むと健康に害がある恐れがあるので、粉末タイプのパイプクリーナーの使用時にはマスクの着用がおすすめです。
パイプクリーナーの効果を感じられなかったら?
パイプクリーナーや配管洗浄液を使用しても、悪臭やヌメリ、詰まりが改善されない場合があります。
その場合に試したい方法を解説します。
使用した製品の説明書を再確認する
パイプクリーナーや配管洗浄液は、説明書の使用方法を守ることで本来の効果を発揮します。
放置時間や、流し入れる方法、流し入れる量などをチェックしましょう。
長時間の放置や、流す水の量が足りない場合、溶かした汚れがまた固まってしまうことがあります。
パイプクリーナー1回で効果が見られない場合は、2回、3回と洗浄を繰り返しましょう。
別の方法を試す
パイプクリーナーや配管洗浄液を使用しても、排水管の汚れ改善が実感できない場合は、固形の汚れが詰まっている場合があります。
配管内を真空に近い状態にし、空気圧を利用して固形物を移動・排除させることができるラバーカップや真空式のパイプクリーナーなどを使って、固形物を除去しましょう。
見える汚れは手で取り除き、見えない汚れはパイプクリーナーを流す前に取り出しておきましょう。
高圧洗浄を検討する
パイプクリーナーや、ラバーカップなどでも詰まりが解消しない場合は、業者の高圧洗浄を検討しましょう。
業者が行う配管の高圧洗浄は、排水溝に接続されている外の排水マスからと、家の中の排水口両方から排水管を洗浄します。
屋内外両方からのアプローチでは、届きにくい部分まで徹底した清掃ができるため、排水管のトラブルを改善することができます。
まとめ
排水管のパイプ洗浄を行う場合は、汚れや詰まりの具合に応じて、適切な洗浄方法を選びましょう。
自分で洗浄する場合は、パイプクリーナーなどの市販の薬剤を使用します。パイプクリーナーで解消されなかった場合は、ラバーカップなどの方法を試し、それでも解消されない場合は、無理をせずに業者に依頼しましょう。
イエコマでは、戸建て住宅の排水管の保守クリーニングのサービスを行っています。
屋内・屋外からのアプローチで10,780円(税込)。外配管のみで初回限定価格5,500円(税込)にてプロの手で住まいの排水管をしっかり洗浄します。
排水管についてお悩みのことがありましたら、イエコマまでお気軽にご相談ください!
排水管保守クリーニングならイエコマ
家のプロによる排水管保守クリーニングが…
外配管のみ:5,500円/一式
外・内配管:10,780円/一式
※トイレ不可
何年も洗浄していない排水管も、安全・確実にキレイに!