キッチンは毎日料理を作るとても大切な場所ですよね。だからこそ常に清潔にしておきたいです。しかし、忙しい毎日を送る現代人はなかなかこまめな掃除ができないのも事実です。
ここではキッチンシンクの排水部や排水口内部の掃除を行う際の注意点を詳しくご紹介していきます。
また、排水溝の仕組みやキッチンシンク自体のお掃除方法もお届けします。毎日少しずつお掃除をすれば、キッチンシンクから悪臭が発生することもありません。
きちんとキッチンのお掃除を行い、清潔な状態を保てるようにしましょう。
目次
キッチンシンクにある排水口の仕組み
キッチンシンクにある排水口の仕組みについて解説します。特に、排水口の扱いには、ささいな部分まで注意するべきことがありますので、チェックしましょう。
排水口から下水道までの各部位と役割
排水口から下水道をつなぐ部位には、臭いを止めるトラップ、排水管、排水をためておく汚水桝(おすいます)があります。それぞれの役割や特徴をみていきましょう。
トラップ
トラップとは、排水管内に封水と呼ばれる水をためることで排水管側からの悪臭や害虫を除く仕掛けのことです。キッチンシンクにおいては、排水口内部に椀状(わんじょう)の覆いを被せたわんトラップを使用します。
排水管
排水管は、トラップから流れ出た排水を屋外の汚水桝まで流す管の部分を指します。元々は各種金属製でしたが、現在はポリ塩化ビニル等のプラスチック製が主流です。
汚水桝
汚水桝とは排水を一時的にためる桝のことで、戸建住宅の屋外に設置されています。私有地側にある汚水桝は私設枡とも呼ばれ、自治体管理の公設枡とは異なり、私有地の所有者が清掃を行う必要があります。設置目的は、排水を一時的に桝に溜めて汚れを沈殿させること、および排水管の点検や清掃を可能にすることです。
引用元:行田市
排水口において注意すべきこと
排水口において注意するべきことが以下の4点あります。以下の注意点を留意していないと、排水管の詰まりや悪臭・害虫の発生の原因にもつながります。十分注意してください。
排水口内への異物の落下
シンクの排水口において最も起こりやすいトラブルとして、排水口内への異物の落下があります。トラップ部分を外して清掃するときには、落下するものが近くにないか注意が必要です。落とした異物を水流で汚水桝まで流して回収できることも稀にあります。しかし、多くの場合は排水管内に引っ掛かり排水管の詰まりの原因となってしまうのです。排水口内に異物を落とした場合は、水道業者に異物の回収を依頼しましょう。
酸性石けんの発生と排水管内部への付着
キッチンシンクの排水管の汚れのなかで注意すべきなのは、酸性石けんによる汚れです。
酸性石けんとは、食器や調理道具に付着した油を洗剤や石けんで洗った際に、洗浄成分が油と結合して生成される油膜のことです。この酸性石けんが排水管内部に汚れとして付着して硬化すると、徐々に積み重なっていき排水管内の水の流れを悪化させます。
酸性石けんによる汚れを放置すると、排水管内が酸性石けんで完全に塞がり、水が詰まる危険があります。また、酸性石けんと一緒に付着した食材カスが腐敗し、臭いの発生源や害虫の住み家ともなることもあるのです。
水垢について
キッチンシンクを使用した後、シンクを洗うよう心がけていても、たまってしまう汚れが水垢です。というのも、水垢の正体が水に含まれるミネラルであるからなのです。
使用した水が乾燥することでミネラルが固まり、洗剤などと結合して水垢となります。水垢は放置するとどんどん落ちにくくなり、シンクを白く曇らせてしまうのです。
シンクを清潔にするための洗剤が汚れの原因となることもあるため、流し残しには注意が必要です。
カビなどの雑菌について
排水口に汚れがたまると、汚れを栄養とするカビが発生します。また、汚れた排水口に存在する細菌の数は、トイレよりも多いのです。
こうしたカビや細菌は、雑菌として黒いヌメリや悪臭の原因となります。雑菌はキッチンの見た目を損なうだけでなく、衛生的にも問題です。
カビなどの雑菌は即座に除去しましょう。
シンクや排水口の掃除方法

シンクには油汚れや水垢(みずあか)、食材カスなどが付着します。
放置するとどんどん落ちにくくなるため、汚れが固まってしまう前に毎日掃除を行いましょう。キッチンシンクに付着する代表的な汚れである、水垢、石けんカス、カビなどの雑菌、それぞれに対する掃除方法を紹介していきます。
水垢の掃除方法
ここではキッチンシンクの水垢のお掃除方法をご紹介していきます。お掃除に必要なものについては、以下の通りです。クエン酸は、その名の通り酸性成分でできています。酸性成分は、水垢などのアルカリ性の汚れに対して非常に有効です。
クエン酸は、ホームセンター、100円ショップなどで低価格で購入することが可能です。クエン酸のデメリットとしては、酸性の汚れには効果がありませんので注意してください。
酸性の汚れとは、油汚れや、皮脂汚れ等が代表的な種類になります。キッチンシンクのお掃除に限らず、汚れの特性が酸性か、アルカリ性かを見極めることができれば、汚れもスムーズに落とせます。
掃除方法
- 必要なもの
- クエン酸
- キッチンペーパー
- 乾いた布
- まず、クエン酸を40℃~50℃のぬるま湯に溶かします。ぬるま湯200㏄に対してクエン酸は小さじ2程度を目安にしてください。
- キッチンシンク全体にクエン酸水をかけていきます。
- クエン酸水をかけた上からキッチンペーパーを貼り付けましょう。キッチンペーパーを貼り付けることで、アルカリ性の汚れに対してクエン酸を浸透させる効果があります。
- 30分~1時間ほど放置し、キッチンペーパーをはがします。
- はがしたキッチンペーパーでシンク全体を軽くこすり、乾拭きしたら完了です。
石けんカスの掃除方法
石鹸カスの汚れがつく原因は、水道水の中に含まれるカルシウム成分と、金属成分が反応し汚れとなります。石鹸カスは一見、水拭きで落ちるようなイメージですが、石鹸カス自体は、水道水が原因で形成されるため、ただ水拭きだけでは汚れが落ちません。
その上、厄介なことに石鹸カスの汚れはアルカリ性と酸性の2種類のタイプがあります。なぜ同じ石鹸カスなのに、2種類の汚れがあるのか、それは人間の皮脂や油が関係しています。
ここまでご紹介したように、皮脂汚れは酸性です。つまり、石鹸カスに人間の皮脂や油が付いている場合は、酸性の汚れとなります。
石鹸カスが、単純に水道水によって形成されている場合には、アルカリ性の汚れとなります。このようなしぶとい汚れの場合は、重曹とクエン酸の両方を使い、発泡効果で汚れを浮かすのも1つの方法です。
アルカリ性、酸性両方の汚れに効くキッチンシンクのお掃除に必要なものは以下の通りです。
掃除方法
- 必要なもの
- 重曹
- クエン酸
- メラミンスポンジ
- まず、シンクを軽く水洗いします。
- 水洗いしたシンクに、まんべんなく重曹をふりかけましょう。全体が白く覆い被さるように、やや多めにふりかけるのがコツです。
- 重曹が汚れにしみ込むまで、約15分〜20分ほどそのままにしておきましょう。
- 次に、クエン酸水をかけます。コップ一杯の水を用意してください。そこへ、クエン酸をスプーン一杯ほど混ぜて、クエン酸水をつくります。
そしてそのクエン酸水を、先ほど染み込ませておいた重曹部分にかけます。すると一気に泡立ちます。この泡の効果によって、石鹸カスの汚れが浮き上がります。 - 泡が収まったら、全体を水道水やシャワーですすいでください。そして同時に気になる部分に、メラミンスポンジで汚れを擦りとっていきます。/li>
この方法で、キッチンシンク周りの石鹸カスは、ほとんど落とせます。
キッチンシンクのカビなど雑菌掃除方法
次にキッチンシンクの、カビなどの雑菌お掃除方法をご紹介します。
基本的には、前章でご紹介した酸性成分とアルカリ成分を混ぜて、発泡効果によってカビを落としていきます。今回はクエン酸ではなく、お酢使ったお掃除方法をご紹介します。
お酢を使用することのメリットは、ご家庭にクエン酸がない場合にアルカリ性の汚れを落としたいとき、お酢の酸性成分が有効になってきます。
掃除方法
- 必要なもの
- 重曹
- お酢
- まず、重曹を排水口に撒きます。量は1~1.5カップを目安にしてください。
- 重曹の上からお酢を撒きましょう。量は重曹の半分程度で、まんべんなく回し入れるようにしてください。
- 25分ほど放置したら40℃ほどのお湯で洗い流し、乾拭きして完了となります。
上記の掃除に加え、普段からキッチンシンクを使用した後、ついでにスポンジでこすって水洗いするなどの習慣をつけましょう。
そうすると、汚れがたまらず手間がかかる掃除も不要になります。水洗いした後はカビの発生を防ぐためにも、乾拭きしておいてください。
水洗いで落ちない汚れには洗剤や道具を使って掃除しましょう。簡単な掃除方法を紹介します。
掃除方法
- 必要なもの
- メラミンスポンジ
- お酢
- シンク全体にお酢をふりかけます。
- 30分ほど放置し、メラミンスポンジで拭き上げたら完了です。
お酢の代わりにクリームクレンザーを使用するのも効果的です。いずれにしても、カビの発生を防ぐために、最後の乾拭きを忘れないようにしてください。
キッチンシンクの排水口内部の掃除方法をご紹介!
キッチンシンクの排水口の掃除は、排水口の部品を分解して行います。詳しい掃除方法をみていきましょう。ここからはキッチンシンクの排水口内部のお掃除方法をご紹介します。
掃除方法
- 必要なもの
- ゴム手袋
- 台所用の中性洗剤
- メラミンスポンジ
- 歯ブラシ
- まずは、ゴム手袋を装着し、トラップ部分を分解します。
- 分解したら、メラミンスポンジに中性洗剤を付け、汚れを落としていきましょう。トラップ部分がお掃除できたら、トラップの封水がためられている部分の汚れも落とします。
- さらに手が届く範囲で、剥き出しになった排水管の開口部や管内部も掃除してください。このとき、無理に排水管の奥の方を掃除しようとすると、排水管が破損したり掃除用具が奥に詰まって取れなくなったりします。手の届く範囲に掃除をとどめておき、完了となります。
- 30分ほど放置し、メラミンスポンジで拭き上げたら完了です。
排水管の手の届かない範囲の掃除は、専門業者に任せましょう。
定期的に排水管内部の詰まり防止剤を使用することも効果的です。詰まり防止剤は薬局で購入できます。
キッチンシンク排水口で手を汚さずにお掃除する方法
先ほどはキッチンシンクの排水口内部を、分解してお掃除する方法をご紹介しました。しかし中には、排水口に手を触れずにお掃除したいと言う方も多いはずです。
ここでは、キッチンシンクの排水口で手を汚さずにお掃除する方法について、市販されている塩素系の洗浄剤を使ったやり方をご紹介します。
掃除方法
- 必要なもの
- 塩素系排水口洗浄剤(粉タイプ)
- コップ一杯のぬるま湯、約200ml
- ストレーナー(ゴミ受けかご)の底に、塩素系排水口洗浄剤を、まんべんなくふりかけます。
- 次に、ふりかけた洗浄剤全体にかかるように、用意したぬるま湯をまんべんなく、回しかけてください。
- すると洗浄成分の泡が、排水口全体を覆います。この状態で30分以上放置してください。なお24時間以上放置すると危険ですのでおやめ下さい。
- 時間が経過したら、排水口を水でよく洗い流してください。これで手を汚さずに排水溝のお掃除が完了します。
この方法は気軽に排水口内部の汚れを落とせるので、どなたにもおすすめできます。
※この方法で排水溝のお掃除をする際の注意点としては、塩素系の洗浄剤なため、お掃除中は必ず窓を開け、換気をしてください。
さらにアルカリ性タイプの洗剤や酸性タイプの洗剤等と混ぜると有毒な塩素ガスが出て非常に危険です。必ず単品で使用してください。
キッチンシンクの排水口内部の排水パイプをお掃除する方法
前章では、キッチンシンクの排水口内部の汚れで手を汚さずにお掃除する方法をご紹介しました。
ただ、月に1度を目安に排水口内部のさらに奥の排水パイプも洗浄しておきましょう。
月に1度、排水パイプをお掃除することで、その後のお手入れもとても楽になります。ここでは、排水パイプとトラップ部分のお掃除方法をお届けします。
掃除方法
- 必要なもの
- 排水パイプ用のパイプクリーナー(先端のノズルが曲がっていて使いやすいもの)
- まず排水口の蓋を外します。そして、ストレーナー(ゴミ受けカゴ)を外します。すると、台所でよく見かけるお椀の形に似た「わんトラップ」が出てくるはずです。
- この「わんトラップ」は、左に回転させて引き抜くと外れます。もちろんトラップの形状によっては、やり方が異なる場合がありますのでご使用のキッチンシンク取扱書を読んでください。
トラップを外した際は、下水管の悪臭が漂う場合がありますので注意してください。 - 次にトラップを外すと現れる排水パイプに、パイプクリーナーを注ぎます。
- パイプクリーナーを注いだら、使用用途に沿ってしばらく放置しましょう。あまり長く放置しすぎると、汚れが再度詰まる原因にもなるので、放置時間は遵守しましょう。
- 最後に水で流しすすげば排水パイプのお掃除が完了です。
毎日パイプクリーナーを使う必要はなく、月に1度で良いですから、排水パイプのお掃除も行っていきましょう。
また、排水トラップが「ボトルラップ」の場合でも、ボトルラップを引き抜きトラップ内部にパイプクリーナーを注げば、簡単にお掃除可能です。ぜひ参考にしてください。
シンクの排水口の汚れを減らすコツと定期メンテナンス
汚れが発生しやすいキッチンシンクですが、工夫次第で汚れにくくすることができ、毎回の掃除の手間を減らすことに期待できます。汚れを減らすコツをいくつか紹介します。
排水管内に食材カスを入れない
「1-2、排水口において注意すべきこと」でも説明しましたが、酸性石けんの汚れが食材カスを巻き込むと、臭いの発生源や害虫の住み家をつくる原因になります。
ネットを設置するなどして、食材カスを排水口に流さないことを心がけましょう。また生ごみなどの汚れを放置しておくと、排水口に侵入して臭いの発生源となります。
三角コーナーの生ごみは、こまめに捨てるように心がけましょう。
水の流れが悪くなる前に定期的なメンテナンスを
集合住宅では必ず行われる「高圧洗浄」方式
排水管の定期的なメンテナンスとしては、水道業者による高圧洗浄が最も有効です。シンクの排水口から汚水枡間の排水管を高圧洗浄することで、たまった汚れや詰まりを解消することができます。
特に、集合住宅において排水管内の高圧洗浄は、定期的に行われていることが多いです。理由は、集合住宅では戸建住宅に比べて水道管の傾斜が緩いため、詰まる危険が高いことや、排水管の一箇所の詰まりで住宅内の多数世帯に影響が及ぶことが挙げられます。
近年の戸建住宅で高圧洗浄が有効な理由
その現状を踏まえると、水道業者による高圧洗浄は汚れや詰まりを解消するために必要であるといえます。汚れや詰まりを解消することで、排水管の劣化を防ぐこともできます。高圧洗浄は1年に1回を目安に行いましょう。
イエコマでは、プロによる排水管保守クリーニングを行っています。排水管の詰まり解消や、外配管のみの詰まり解消、外・内配管の詰まり解消などさまざまなサービスをそろえています。
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キッチンを設置する前に注意しておくこと
キッチンを設置する前に注意しておくことは、主にシステムキッチン購入前と戸建て住宅の排水管の引き回し方法の2点です。
それぞれの注意事項の詳細を説明していきます。
システムキッチンを購入する際の注意点!
新しくシステムキッチンを購入する際は、デザインだけでなく機能性も重視しましょう。下記のチェックポイントを参考にしてください。
掃除やメンテナンスを容易にできるかどうか
近年のシステムキッチンにおいては、家や室内に合わせたデザイン性の高いものが人気です。
しかし、デザインを優先して選んだら掃除面が大変だったなど、製品使用後の不満もネット上でよくみられます。
システムキッチンを購入する際には、掃除やメンテナンスがしやすいかという視点でも製品を確認しておきましょう。
交換部品が安易に入手可能かどうか
システムキッチンの中には、家に合わせてオーダーメイドでキッチンを構成できるタイプの物があります。
オーダーメイドの場合は交換部品が特注である可能性があります。キッチンに不具合が発生した際の修理では、高額な費用や部品の取り寄せ期間が必要となるケースもあります。
オーダーメイドのシステムキッチンを購入する際は、交換部品が安易に入手可能かどうか事前に確認しておきましょう。
戸建住宅を建てる際の排水管の引き回し方法に注意!
従来、戸建住宅には、キッチンのシンクなどから排水を下水道に流すために、一定以上の傾斜をつけて排水が滞りなく流れるような設計が求められていました。
しかし近年では、土地の形状や戸建住宅の設計内容の都合から、排水口から下水道までの排水管の傾斜不足や排水管の迂回(うかい)など、排水の流れを阻害する環境がよくみられます。
新築の戸建て住宅を建てる際には、排水管の流れに良い設計かを確認しておきましょう。
まとめ
キッチンシンクは毎日使用するものなので、汚れの発生は避けられません。しかし、こまめに掃除をすることで、汚れの蓄積は避けることができます。特に、水垢やカビなどの雑菌は、蓄積すればするほど落ちにくくなるため注意しましょう。
排水口の手の届かない範囲や落ちない汚れは、無理に掃除しようとせず、専門業者に依頼することが望ましいです。頑固な汚れや詰まりが気になる方は、イエコマの高圧洗浄を考えてみてはいかがでしょうか。排水管保守クリーニングは、イエコマにお任せください。24時間365日ご相談お見積もりは無料でご対応いたします。
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※トイレ不可
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