水道は、普段の生活に欠かせない重要なインフラです。
入浴・洗濯・掃除・トイレ・炊事や洗いものなど、現代で水道のない生活はまず考えられません。
災害時や点検などで急に断水になると、たった数時間でもあまりの不便さに驚いてしまいますよね。
また、人体は成人の場合、約60~65%が水分で構成されています。水がなければ、生活どころか生きていくことすらできないのです。
私たちにとって必要不可欠な「水」は、水道から出して使う場合は必ずお金がかかります。使い方によっては、高額な水道代がかかってしまうのです。
普段から当たり前に使っているものこそ、「どんな風に節約すればいいのか分からない…」と感じる人も多いのではないでしょうか。
一般的に節約しにくいと思われている水道料金ですが、実はちょっとした工夫で簡単に節約することが可能なのです!
この記事では、今日から実行できる水道料金の有効な節約方法について紹介していきます。
水道料金の全国平均と地域による違い
世帯人数別の水道料金
水道料金は、世帯人数によって異なります。
当たり前ですが、一人暮らしの場合はひとり分の水道料金しかかからず、5人家族の場合は5人分の水道料金がかかります。
ここでは、基本料金を含んだ世帯人数別の水道料金の全国平均を紹介します。
参考:総務省統計局
〇世帯人数別 1カ月当たりの上下水道料金〇
1人・・・1,500円~2,000円程度
2人・・・3,500円~4,000円程度
3人・・・4,500円~5,000円程度
4人・・・6,000円~6,500円程度
5人・・・7,500円~8,000円程度
6人・・・9,500円~10,000円程度
上記の金額をみて、具体的なイメージが湧いたでしょうか?
世帯人数別で比較してみると分かるように、水道料金は水を使う量が多くなれば多くなるほど高くなるように設定されています。
この仕組みについては後ほど、水道料金の計算方法についての部分で詳しく触れます。
地域による水道料金の差
水道を使う人数によって各家庭の水道料金は変わりますが、住んでいる地域ごとにも水道料金の違いがあるのです。
実は、水道料金は全国一律料金ではありません。市町村ごとに微妙に値段が違います。
以下に紹介するのは、各主要都市の1カ月分の基本料金(最も一般的な、口径サイズ20mmあたり)の比較です。
- 札幌:1,320円
- 仙台:1,250円
- 東京:1,170円
- 名古屋:2,311円
- 大阪:1,960円
- 広島:810円
- 福岡:1,330円
【参考】
札幌市水道局
仙台市水道局
東京都水道局
名古屋市上下水道局
大阪市水道局
広島市水道局
福岡市水道局
人口や水質の違いから、水の値段にはどうしても地域差が出てきてしまいます。
人口の多い地域では、水を使う人数も多くなり、値段が上がる傾向があります。また、水源から遠い地域は、水を運ぶ際に費用がかかるのです。
ダムの建設費用や、水のろ過浄水にかかる費用、水質調査やメーターの点検に関わる人件費の違いなども関わっています。
水道料金は、世帯人数だけでなく地域の違いでも値段が変わるのです。
水道料金の節約術
この章では、水道がよく使われる場所と、すぐにできる水道代の節約方法を紹介します。
よく水が使われる場所は?
家庭の中で最も水を使うところはどこでしょうか。
平成27年度の東京都水道局の調べによると、ランキングは以下のようになります。
1位・・・お風呂
2位・・・トイレ
3位・・・炊事
4位・・・洗濯
参考:東京都水道局
水道料金の節約術
それでは、実際にどのような場面でどのように水道料金を節約することができるのか、見ていきましょう。
お風呂
家の中で水道をたくさん使う場所として、まず最初に思い浮かぶのはお風呂でしょう。
汗や汚れ、シャンプーなどは節水を気にせずきれいに流したいですよね。 また、寒さの厳しい日や疲れのたまった週末には、たっぷりのお湯に肩までゆっくり浸かりたいものです。
ここでは、お風呂の水道代節約術を、主に3つ紹介します。
【お湯の入れ替え頻度の調節】
毎日のように新しいお湯を張って入浴していると、水道料金は増える一方です。
お風呂のお湯を入れ替える前に、お湯をよく観察して汚れ具合を確かめてみましょう。お湯を一日入れ替えずに次の日も使用すれば、一日分の水道代がそのまま節約できます。追い炊き機能で何日間かお湯を温めなおして入浴すると、大幅な節水が可能です。
もちろん無理に汚いお湯を何日も使う必要はありません。水がまだきれいなうちに捨ててしまわないことが大切です。
体を先に洗ってから入浴する習慣をつけると、お湯がキレイなまま長く保たれるのでおすすめです。
【残り湯で洗濯する】
お風呂の浴槽にためる水もかなりの量になりますが、洗濯で使う水の量もなかなか多いです。
お風呂の残り湯を洗濯に使うことによって、無駄を減らすことができます。
残り湯を使うのは最初の「洗い」の段階に留め、「すすぎ」の際にきれいな水を使えば、臭いや汚れの心配はほぼありません。
どうしても気になる場合には、お湯の臭いやヌメリを防ぐ洗浄剤を使うとよいでしょう。ドラッグストアやホームセンターで安く購入できるものがほとんどです。
【節水シャワーヘッドを使う】
節水用のシャワーヘッドも、お風呂での節水に効果が期待できるアイテムのひとつです。
節水用シャワーヘッドは、他のシャワーヘッドに比べて穴が少ないため、一度に出る水の量が少ないです。使用時の水の量は少ないですが、その分水圧が高くなるため不便にはなりません。
取り換えも簡単にできるものがほとんどです。
また、水道水に含まれる塩素や不純物を除去するフィルターのついたタイプもあります。
節水シャワーヘッドは、ネットやホームセンターなどで安価に購入できます。
自身の家庭に最適な機能を持った節水シャワーヘッドを探してみてください。
洗濯機
【すすぎ、脱水の回数を減らす】
こまめな洗濯は気持ちがよいものですが、洗濯機ではある程度まとまった量で洗濯する方が経済的です。
数日分の洗濯ものをまとめて洗濯すると、水道代だけでなく電気代の節約にもつながります。
ただし、容量いっぱいに洗濯物を入れて洗濯機を回すのは故障の原因になってしまうので、洗濯機には容量の8割程度を目安に洗濯物を入れましょう。
すすぎや脱水の回数を減らすのも水道代と電気代の節約につながり、一石二鳥です。
「注水すすぎ」ではなく「ためすすぎ」ですすぐことで、さらに無駄を減らすこともできます。
「ためすすぎ」では規定の水量ですすぎますが、「注水すすぎ」では水を流したまますすぐため、水道料金が高くなります。
【洗剤は適量に】
節水には気を付けたいけれど、洗濯物はしっかり洗いたいですよね。
よりきれいに洗いあがるように…と、ついつい洗剤を多めに入れてしまっていませんか?
しかし、洗剤は入れれば入れるほど洗浄力が高まるものではありません。適した量で入れるのがベストです。
何より、洗剤を多めに入れるとすすぎに時間がかかってしまいます。普段2回のすすぎで足りていた場合も、3回、4回と新しい水ですすぐとかなりの量の水を使うことになるのです。
トイレ
【温水洗浄便座の洗浄水量を調整】
最近は、スーパーや駅のトイレにいたるまで、温水洗浄便座が広く普及しており、ほとんどのものに洗浄用の水量を調節するボタンが付いていますよね。
この水圧調節ボタンを一段階低い設定にするだけでも、水が節約できます。
一度に節約できる水の量はわずかですが、月間や年間を通して見ると、決して少なくない額の水道料金を節約することができるのです。
【大小のレバーを使い分ける】
トイレの節水で最も効果的なのが、大小レバーの使い分けです。
トイレの種類によって流れる水の量が異なりますが、当然「大」で流される水の量は、「小」で流される水の量よりも多いです。「小」ですむところを「大」で流すのはもったいないですよね。
「大は小を兼ねる」とはいいますが、節水のためには「小」を賢く使っていく必要があります。
【節水型トイレに交換する】
思い切って節水型のトイレに交換するのもひとつの手段です。
便器は破損しない限りずっと使えますが、貯水タンク内の部品は常に水に浸かっています。
したがって、それらの部品は年月の経過とともに劣化するのです。
不具合が出るたびに部品をひとつひとつ交換していくよりも、トイレごと新しいものに交換した方が安く済む場合があります。
また、従来のトイレに比べて現在の節水型トイレは、大幅に水の量を節約できるつくりになっています。
これを機に新しい節水型のトイレの導入を考えてみてはいかがでしょうか。長期的な節水につながるかもしれません。
キッチン
【ため洗いをする】
キッチンも日常的に水を大量に使う場所のひとつです。
「ため洗い」によって水の無駄を少なくできるのです。
ため洗いの方法は以下の通りです。
1、洗い桶を用意し、そこに使用済みの食器を入れて水を張ります
油汚れが気になる場合は、この中にあらかじめ洗剤を入れておくと効果的です。
2、食器を水に漬けてしばらく待ちます。
こうしてつけ置きの時間を設けることで、汚れが落としやすくなります。
汚れが落としやすいことは、流す際に使う水も少なくすむのです。
3、スポンジなどでこすって汚れを落とします。
洗い桶にあらかじめ水をためて漬けておくことで、水を流しっぱなしにして洗うこともなくなります。
こうして水の無駄が軽減され、水道料金の節約につなげることができるのです。
【皿の汚れをキッチンペーパーなどで先に拭き取っておく】
ため洗いの前にやっておくとさらに効果的なのが、食後のお皿の汚れをティッシュやキッチンペーパーなどできれいに拭き取っておく方法です。
特に脂分が多く付いたお皿は、あらかじめ脂分を拭きとっておくことで他の食器への油うつりも防ぐことができます。
【食器洗い乾燥機を使う】
人の手で洗っていると、どんなに気をつけていても無駄は出てきます。
ちょっとしたアクシデントで水を流しっぱなしにしてしまった経験がある人も多いのではないでしょうか?
しかし、食器洗い乾燥機は常に適切な一定量の水しか使いません。
また食器洗いに費やす時間も取られずに済むため、時間の大幅な節約にもなります。
年間の水の使用量の比較は以下の通りです。
- 手洗いの場合:47.45㎥
- 食器洗い乾燥機の場合:10.80㎥
節水と自由な時間の確保のため、食器洗い乾燥機の購入を検討してみてはいかがですか?
冬場など、乾燥が気になる季節でも食器洗いによる手荒れの悩みから解放されるかもしれません。
【水の使用量の調整または節水蛇口に替える】
キッチンの蛇口に取り付けるシャワーヘッドは、水の出方をワンタッチでストレートやシャワーに切り替えることのできる便利なアイテムです。
数段階に分けた水量の調節や、浄水などの機能が付いたものもあります。
見た目もオシャレなものから機能的なものまで、いろいろな種類があります。ぜひ、自宅のキッチンにぴったりのものを探してみてください。
シャワーorお風呂 どっちが安くすむ?
シャワーvsお風呂
シャワーとお風呂ではどちらの方が安い水道料金ですむのか、気にしている人は多いのではないでしょうか。
一般的に、浴槽にお湯を張るのに使われる水の量は、シャワーを15~16分程度出しっぱなしにしたときの量と同じになるといわれています。
つまり、15分以上シャワーを使う場合は、浴槽にお湯をためて使った方が経済的ということになります。
1日に15~16分以上シャワーを使う場合は、シャワーではなく浴槽にお湯を張った方が水道料金の節約につながります。
雨水を活用する手もある
雨水は、無料で手に入れることのできる水です。
雨水貯水用のタンクを使えば、庭木への水やり、打ち水、車やアウトドア用品の洗浄に雨水を活用することができます。
また、災害時には生活用水としてトイレの洗浄などに使うこともできるのです。
水道料金の計算方法
ここまでさまざまな水道料金の節約方法を紹介してきましたが、そもそも水道代はどのように計算されているか知っていますか?
水道代は、市町村などの自治体が管理しているものです。
そのため、住んでいる市町村ごとに水道代や料金体系が異なっている点が特徴です。
しかし、市町村ごとに違っているとはいえ、料金の計算方法などのおおまかな部分は同じである場合がほとんどです。
水道料金には「基本料金」と、「従量料金」があります。
「基本料金」は、水道の使用の有無に関わらず請求される料金のことです。基本料金を超えた分が、「従量料金」として請求されます。
「従量料金」とは、水道を使った量に応じて決められる料金のことです。
節水の観点から、使った量が多くなればなるほど、1リットルあたりの水の単価が高くなるように設定されています。
【基本料金】、【従量料金】、そして【消費税】の3つを足したものが水道料金として請求されます。
【基本料金】+【従量料金】+【消費税】=【水道料金】
東京都水道局などでは、水道料金を段階制にしています。
段階制では、水を多く使うほど従量料金が割高になる仕組みなので、節水は料金の節約効果がより高くなるのです。
下水道料金は、使った量に比例して料金が請求されます。
水道料金を減らすと、比例して下水道料金も減らせるのです。
詳しい料金体系を知りたい人はぜひ、お住まいの自治体のホームページを確認してくださいね。
水道料金の支払い
水道代を毎月払いに行くのは面倒ですよね。
忙しいときには、ついつい払い忘れてしまうこともあるかもしれません。
口座振替の手続きをして、毎月預貯金口座から水道料金が自動的に引き落としされるようにしておくと、忙しいときでも支払いの手間がかからなくなります。
東京都水道局では、口座振替で水道代の支払いをすると毎月50円(年間600円)の割引をしてもらえます。
参考:東京都水道局
自治体ごとにサービスには違いがあるので、各自治体のホームページなどでしっかり確認することをおすすめします。
まとめ
水道料金の基本的な情報や、今からできる節水のポイントを紹介してきました。
ご家庭に合った節水・節約方法は見つかりましたでしょうか。
もしこれらの方法を試してみても効果が実感できない場合は、水栓や蛇口自体の問題が水道代をかさませる原因になっている可能性があります。
イエコマでは、”蛇口のパッキン・コマ交換”や”蛇口の交換”のサービスを提供しています。これを機に、水栓や蛇口の交換を検討してみてはいかがでしょうか。
少しでも気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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