ゼロエネルギーハウス(ZEH)とは
住宅での省エネルギーが謳われて久しい昨今。電気代削減のためにも、家庭での省エネはもはや常識となっていますね。
太陽光発電などでエネルギーをつくる創エネも、だいぶ浸透してきたと実感します。
そんな住宅のエネルギー問題に関する最新のトピックが、「ゼロエネルギーハウス」。頭文字をとって「ZEH(ゼッチ)」とも表記されます。
これはその名の通り、消費エネルギーゼロを実現させる住宅のことです。省エネで少なく抑えた消費エネルギーを、すべて創エネで賄うことを目指しています。
省エネと創エネをかなえる住宅として近年スマートハウスが登場しましたが、ZEHはその最終形ともいえる究極にエコな住宅です。
定義を解説すると…
経済産業省によるZEHの定義は次のようになります。
『住宅における一次エネルギー消費量を建築物・設備の省エネ性能の向上、エネルギーの面的利用、オンサイトでの再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ又は概ねゼロとなる住宅』
…なんだかとても、わかりにくいですね。
言い換えると、
『断熱や換気、採光の工夫で省エネ性能を高めたり、エネルギーを地域で共有(面的利用)して効率化したり、各建物における太陽光発電などでエネルギーをつくったり、といった手法を用いて年間の消費エネルギーをプラスマイナスゼロにする住宅』ということです。
つまり、使用するエネルギーを自らの発電などですべて賄える家のことです。
外部のエネルギーの使用は正味ゼロということで、「ゼロエネルギー」と謳っています。
なぜ今話題なの?
建物のゼロエネルギー化は住宅のみならず、オフィスビルなども開発が進んでいます。
(ちなみにオフィスや商業施設は「ゼロエネルギービル」「ZEB(ゼブ)」と呼びます。)
ゼロエネルギーを実現させる様々な技術自体もアツいトピックですが、政府がその開発を推進していることも注目される一因です。
2012年より、政府はZEHの推進事業への予算投入を決定しました。また、ZEHを新築すると補助金を受けられる制度も導入されています。
補助金というと、なんだか耳寄りな情報の匂いがしてきますね?
実際、これから将来の住宅取得を考える方は知っておいて損はないでしょう。
補助金制度について
政府によるZEHに関する補助金制度は次の2つです。
(1) ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業
住宅の建築主、または所有者に対する補助。
補助対象費用の1/2以内、且つ一戸あたり350万円以内の補助を受けられます。申請には省エネ法に基づいた使用エネルギーの計算が必要となります。
また、定期的なエネルギー使用量の測定・報告が求められます。
(2) 住宅のゼロ・エネルギー化推進事業
年間の新築住宅供給戸数が50戸未満の中小工務店に対する補助。
補助対象費用の1/2以内、且つ一戸あたり165万円以内の補助を受けられます。
省エネ法に基づく性能評価、あるいは学識者の審査委員会による性能認定が必要です。
国家がすすめる建物のゼロエネルギー化
ZEHは先進的で特殊な住宅のように聞こえるかもしれません。
しかし確実に私達の暮らしに近づいてきています。目標の実現に向け、平成25年には省エネルギー法が改正されました。
そして国土交通省・経済産業省・環境省の目標は次のようになっています。
2020年までにすべての新築住宅を対象に改正省エネ法新基準への適合の義務付け、2030年までには新築住宅の平均でZEHを実現、
さらには、2050年には全ての住宅をゼロエネルギー化する。
今後計画が着々と進展すれば、将来ZEHに住むことも十分ありえます。
ゼロエネルギー推進の背景
こうした進展の背景には、先進諸国の動きが大きく影響しています。低炭素社会の実現に向け、各国は既に積極的な取り組みを始めています。
フランスは2020年、イギリスは2016年には全新築住宅をZEHとするとのこと。こうしてみると、日本はやや遅れをとっていると言わざるを得ません。
技術大国であるはずの日本で導入が遅れているのは、国民の環境問題に対する意識の差によるものでしょうか。
それでも、東日本大震災を機に、国内でのエネルギー問題への関心は急速に高まりました。
多くの人が関心と理解を持てば、ゼロエネルギー化への動きはスムーズになるでしょう。
いまこのコラムを読んでZEHについて知っていただいたことも、社会の進展につながる小さな一歩になるのではないかと思います。
太陽熱温水器撤去ならイエコマ
家の施工プロによる太陽熱温水器撤去が…
現地調査・お見積り無料!
古い太陽熱温水器の放置は、家屋への大きな負担や水漏れ・漏電のリスクもあるのです!
メーカー問わず自然循環式/強制循環式のいずれにも柔軟に対応できます。