カビは咳の原因になる!しつこいカビの予防と対処法

普段の暮らしのなかで、カビは珍しい存在ではありませんが、自分の家の中では見たくないものですね。
カビはカーテンや壁、水回りなどでよく発生します。カビによる被害は、見た目の悪さや汚さだけではありません。空気中を漂う目に見えないカビを吸い込むことで健康を損ない、重症化すると命が危険な場合もあるのです。

カビを家の中で発生させないためには予防が大切です。
家の中には、カビの生えやすい場所がたくさんあります。まずはカビを生えないようにする対策が必要です。カビの発生原因や発生しやすい場所、人体に及ぼす影響など、カビに関する知識を深めて対策を講じましょう。

清潔な家でずっと健康に暮らすためにも、まずはカビを根本から予防する環境を整えることをお勧めします。

カビのもたらす害

カビの種類は非常に多く、現時点で約8万種も発見されています。もちろん、全てのカビが有害なわけではありません。カビには人間にとって有用な場合もあります。有用なものは、ペニシリンなどの抗生物質、チーズやみそ、しょうゆなどの身近な発酵食品などの製造にも使われているものです。

しかし多くの場合、カビは見た目が良くないだけでなく、健康にもさまざまな害をもたらします。

臭い

「カビ臭い」というくらい、カビは独特の嫌な臭いを発します。臭いの原因となるカビを除去しない限り、臭いを根本的に解消することはできません。

毎日きちんと家の中を掃除しているのにカビ臭いのであれば、見えない所でカビが繁殖している可能性があります。

せき、アレルギー

呼吸によりカビが肺に入って、アレルギーを引き起こすこともあります。アレルギーを引き起こすカビの1つが「トリコスポロン・アサヒ」です。

高温多湿でカビが好む条件がそろっている東アジアでは、トリコスポロン・アサヒが原因で「夏型過敏性肺炎」を発症する人が増えます。

カビによる夏型過敏性肺炎になると乾いたせきが出るほか、肺の炎症がひどくなり息苦しさも感じます。

また、アスペルギウスというカビからは、「アスペルギルス症」を発症させることもあります。アスペルギウス症とは、気管支および肺の病気で、喘息の発作を起こす原因になります。

健康への被害

カビによる健康被害は、せきやアレルギーにとどまりません。他の健康を害する数多くの症状や病気の原因にもなり得ます。
たとえば、「アスペルギルス・フミガーツス」が引き起こすアスペルギルス症は、肺真菌症の1つです。
肺真菌症の原因となる真菌の種類は多く、それらが引き起こす病気には以下のようなものがあります。

クリプトコッカス症

人だけでなく犬や猫にも感染する、クリプトコッカス属に属する真菌による感染症です。汚染された土の吸入により感染します。

全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、食欲不振のほか、発熱、頭痛、吐き気、意識障害などの症状が出ます。重症化すると脳炎や髄膜炎まで引き起こすこともあるのです。

接合菌症(ムコール症)

肺や副鼻腔、あるいは皮膚から感染する場合もあります。副鼻腔炎や肺ムコール症では、せき、たん、発熱など急性気管支炎と似た症状が出ます。

血管内に侵入することが多く、目や口、脳に達するケースもあるのです。血管壁にまで侵入すると肺梗塞に、脳に達すると脳腫瘍に似た症状が出る場合もあります。

カンジダ症

カンジダは酵母カビの一種で、元々人の体にある常在菌ですが、抵抗力が弱くなったときに皮膚や粘膜に炎症を起こすことがあります。

ヒストプラズマ症

ヒストプラズマ・カプスラツムという真菌によって起こる感染症です。肺から感染して脳や脊髄、肝臓などの内臓に広がることもあります。

大量の真菌の胞子を吸い込むと、重症化する恐れもあるのです。結核のような症状が出るほか、縦隔炎、肝脾腫(かんひしゅ)、リンパ節炎、副腎肥大、視力障害などを発症します。

以上の真菌による感染症は、免疫力や抵抗力が弱まっていると重症化し、最悪の場合死に至る恐れもあります。

真菌による病気はこれだけではありません。身近な例では、足がかゆくなったりジュクジュクしたりする水虫の原因も、白癬(はくせん)菌というカビの一種です。副鼻腔にうみがたまる副鼻腔炎も、真菌が原因の副鼻腔真菌症である場合があります。
たかがカビと侮ってはいけません。

子供や幼児への影響

カビは、子どもの健康に大きな影響を及ぼすことがあります。
たとえば、小児ぜんそくの多くはアレルギーが原因といわれています。そのアレルギーの原因の1つがカビです。つまり、室内のカビが小児ぜんそくを引き起こす可能性もあるのです。

先述のカビが原因で起こるアスペルギルス症は、家の中にいるカビによって引き起こされます。特に、幼児や高齢者のように抵抗力や免疫力が弱い人は発症するリスクが高まるので、注意が必要です。

カビの発生原因

日頃からしっかり家の掃除をしているにもかかわらず、いろいろな所にカビが発生することがあります。なぜ、掃除だけでカビを予防できないのでしょうか。

まずは、カビが発生する原因を知っておきましょう。
カビは、以下の条件を満たす環境で発生しやすくなります。

  • 人が快適に過ごせる温度(特に気温20~40℃)
  • 湿度70%以上
  • 酸素
  • 栄養分
  • カビの成長に必要な時間

つまり、人が暮らしやすい環境はカビも発生しやすい環境なので、予防が難しい側面もあるのです。

これらの条件のうち、温度や酸素は変えることができない要素です。カビの栄養分とは、家の中のほこりや汚れなどが該当します。それ以外にも、家そのものや家具に使われている塗料、接着剤までカビの栄養分になるため、完全に取り除くことは不可能です。

カビへの対処方法

カビによって、アスペルギルス症や肺真菌症などの病気にかかった場合は、病院で治療を受けるのが先決です。
中でも肺への感染は重症化すると命に危険が及ぶこともあるため、できる限り早期の受診が大切です。カビが原因の病気の治療には、真菌が増えるのを抑える抗真菌薬を点滴するか薬が処方れます。

深刻な症状が出る病気を予防するには、家のカビの除去が大切です。そのためにできることには、以下のようなものがあります。

布団を干す

ジメジメしている時期は、布団にもカビが生えることがあります。毎日使う寝具にカビが生えると、当然健康への悪影響があります。万年床にしていると、布団が吸収した水分が床や畳との間にたまり、カビが生えてしまうこともあるのです。

布団にカビを生やさないためには、布団を干したり、布団乾燥機を使ったりして乾燥させることが有効です。

ぬいぐるみを洗う

ぬいぐるみも、長い間手入れをしないとカビが生えることがあります。あまり洗うことがないかもしれませんが、清潔に長く使うために必要です。

基本的なぬいぐるみの洗い方は、以下の通りです。

  1. 洗剤を溶かしたぬるま湯に漬けて押し洗いをした後、30分ほど漬け置きする
  2. 再度水で押し洗いしてからタオルでくるみ、洗濯機で約30秒脱水する
  3. 洗ったぬいぐるみは、ドライヤーや布団乾燥機などを使い、中まで乾かす
  4. 乾燥させないと、かえってカビの温床になりかねません。

空気清浄器を使う

カビが発生しやすい条件の1つに栄養分があり、室内に漂うほこりや汚れはカビの栄養分になります。
空気清浄機を使ってほこりなどを除去すれば、カビが発生しやすい要因を減らせます。湿度が高い時期は除湿機を併用すると、カビ発生の条件である湿度を下げられるので、さらなるカビ抑制効果が期待できます。

エアコンのカビには内部乾燥機能を使う

日頃からエアコン使用後は内部乾燥機能などを利用して、内部の湿気を取り除きましょう。また、フィルターのほこりは掃除機などで定期的に取り除くとよいでしょう。普段の小まめな手入れが、カビ予防の第一歩です。

内部乾燥機能のない古いエアコンには、特にまめな清掃が求められます。

エアコンの内部は湿度が90%に達することもあり、運転すると内部の温度も上がります。エアコンは運転時に、空気と一緒に汚れやほこりも吸い込んでいます。つまり、エアコンはカビが繁殖しやすい条件がそろった場所であり、カビの温床になるのです。当然、そこから吹く風はカビ臭くなります。

エアコンの中で発生したカビは、風に乗って部屋中にまき散らされます。まき散らされたカビを人間が吸い込み、先述の病気にかかる可能性もあるのです。
エアコンを使う機会が多い夏のせきや発熱などは、夏風邪ではなくカビが原因の肺炎の場合もあるといわれています。

まとめ

カビによる咳は、夏型過敏性肺炎を引き起こしているサインかもしれません。夏型過敏性肺炎以外にも、カビは命に関わるさまざまな健康被害を引き起こします。安心して快適に生活するために、家の中のカビは事前に予防しておきましょう。

家の中のカビ予防は、カビが好む条件を作らないだけでも効果が期待できます。カビの主な原因の一つに結露があります。結露対策を自分で行っても改善されない際は、プロの力を借りてはいかがでしょうか。

イエコマでは、結露対策として2重サッシの設置を提供しております。自分で対策を講じてもなかなか解消しない結露は、根本的な解消方法を検討してはいかがでしょうか。

また、日頃は目にしないバスタブの内部や手の届きにくい場所の掃除には、高圧洗浄機を使ったバスルーム洗浄がおすすめです。汚れやぬめりを落とし、カビの発生を防ぎます。
しつこいカビでお困りの方は、ぜひイエコマに気軽にご相談ください。

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