雨風や紫外線、ホコリから、大切な車を守る役割のあるカーポート。屋外に設置しているため、汚れや破損になかなか気づきにくいものです。しかし、メンテナンスを怠ると、車を守るためのカーポートが倒壊して、車を傷つけてしまうケースもあります。
今回はカーポートの耐用年数と寿命について解説します。カーポートは、メンテナンスを正しく行うことで寿命を長くすることが可能です。
この記事を参考に、ご自宅のカーポートの寿命を知り、より長く使用するための方法を知りましょう。
カーポートの耐用年数と寿命は?
カーポートの耐用年数は15年です。
耐用年数とは、建物や車両、器具などの種類別に、国税庁が定めた減価償却を利用できる期間です。看板や営業車、パソコンなど、経年劣化が生じるものや、使用し続けることで価値が損失するものが当てはまります。
耐用年数は税制上の年数で、耐用年数を過ぎたからといって、すぐに寿命がきて使えなくなるわけではありません。カーポートは構築物の「露天式立体駐車設備」に該当し、事業用で使用する場合に必要経費として算入できます。
カーポートの耐用年数は15年ですが、寿命は一般的に20年程度といわれています。
ただし寿命は、材質や設置している環境によっても大きく変わるため、目安として参考にしてください。
【材質別】カーポートの寿命
カーポートの寿命が決まる要因のひとつが材質です。以下のように、部位ごとに使われる材質によって、寿命が異なります。
部位 | 素材 | 寿命 |
屋根 | ポリカーボネート | 15年以上 |
スチール折板 | 30年以上 | |
塩化ビニール | 10年程度 | |
柱・梁 | アルミ | 30年以上 |
スチール | 20~30年程度 ※5年おきに塗装が必要 |
カーポートに使用される材質ごとの寿命について、特徴もあわせてくわしく確認しましょう。
屋根の素材
カーポートの波板屋根に使用される代表的な素材は3種類あります。
ポリカーボネート
ポリカーボネートは「ポリカ」や「PC」とも略称される、プラスチック素材のひとつです。カーポートの屋根の他にも、CDやDVD、カメラレンズなどの素材として使用されています。
ポリカーボネートは以下のメリットから、現在カーポートの屋根に使われる素材の主流となっています。
- 透過性がありながらも、紫外線をカットして劣化が起こりづらい
- -100℃~120℃の温度に耐えられる、耐熱性・耐寒性に優れる
- 衝撃に強い、割れにくく変形しづらい
耐久性に優れるポリカーボネートの寿命は耐用年数よりも長く、15年以上あるでしょう。
スチール折板
スチール折板(せっぱん)は、ガルバリウム鋼板を波状に加工した素材です。ガルバリウム鋼板とは、鉄をガルバリウムという合金でメッキしたもので、サビにくく耐久性・耐熱性・耐震性に優れます。
スチール折板はポリカーボネートよりもさらに耐久性があり、耐荷重性・遮熱性に優れるのが特徴です。台風が多い地域や豪雪地帯では、カーポートの屋根の素材にスチール折板を採用するケースが多いです。
透過性が無く、直線的なデザインと金属の質感から、無機質でスタイリッシュな印象のカーポートに仕上がるでしょう。
スチール折板をカーポートの屋根に使用した場合の寿命は、30年またはそれ以上の年数が期待できます。
塩化ビニール
正式名称はポリ塩化ビニールで、「塩ビ」「PVC」とも略称されるプラスチック素材のひとつです。
カラーバリエーションが豊富で、柔らかくて加工しやすく、他の素材と比べて安価です。10年ほど前はカーポートの屋根材として主流でした。
紫外線に当たり続けることで劣化が生じ、変色や硬化してひび割れ・変形が起こりやすいのがデメリットです。衝撃に弱く破損しやすいため、寿命は10年程度で、交換が必要になるでしょう。
柱・梁
カーポートの屋根を支える梁や柱の素材も、カーポートの寿命を左右します。柱や梁に使われる代表的な素材は2種類あります。
アルミ
アルミはカーポートの柱や梁部分に使われる素材として、最も選ばれている素材です。軽量で加工性に優れ、短い工期で組み立てられます。サビにくく、耐久性があるのも特徴です。
アルミを柱や梁に使用した場合の寿命は、30年またはそれ以上の年数が期待できます。
スチール
スチールは加工しやすく、強度があるのが特徴です。豪雪地域では、耐荷重が大きく、耐寒性に優れるスチールのカーポートが採用されています。
デメリットは、塗装によるコーティング(塗料の膜)がはがれやすく、サビやすい点です。とくに海の近くに設置する場合は、潮風の影響でサビつきやすいので注意しましょう。
サビると劣化が早まったり、耐久性が低下したりします。強度を高め、美観性を保つためにも、5年おきに防錆塗装(ぼうせいとそう)が必要です。
スチールを柱・梁に使用した場合の寿命は、5年おきに塗装工事をした場合、20~30年程度です。メンテナンスを怠るとサビで劣化が進んでしまい、耐用年数の15年よりも寿命が短くなるため、注意しましょう。
カーポートが劣化・破損する原因
耐久性のあるカーポートですが、劣化や破損が生じることもあります。どのようなことが原因で、修理や建て替えが必要になるのか確認しましょう。
経年劣化
屋外に設置されるカーポートは、毎日紫外線や雨風の影響を受け続けます。時が経つにつれて少しずつ劣化し、色褪せやひび割れなどの不具合が起こります。設置してから10年以上経過した場合は、劣化によって少しの衝撃でも破損する可能性があるため、注意しましょう。
環境による劣化
カーポートを設置する環境によっては、耐用年数よりも早く劣化が進行するケースがあります。
たとえば海の近くに設置する場合は、潮風の影響をうけて金属がサビやすいため、劣化しやすくなります。湿気の多い地域もカビが生えやすく、金属が腐食しやすいため、注意が必要です。
自然災害による破損
強度が高いカーポートも、強い衝撃を受けた場合は破損します。とくに気をつけたいのが、台風や大雪、地震などの自然災害が起きた場合です。
自然現象によるカーポートの破損は、以下のようなケースがあります。
- 強風によって、カーポートの屋根が剥がれる
- 風で飛んできた瓦や木が当たって、屋根のパネルが破損する
- カーポートの屋根に積もった雪の重みで、屋根のパネルが割れる
- 屋根から落ちた雪や氷柱がカーポートに当たって破損する
- 積雪の重みで柱が曲がる
- 地震でカーポートが倒壊する
自然災害により破損した場合は、火災保険が適用できる可能性があります。
また購入時のメーカー保証に台風などの災害補償が付いているケースもあります。保証期間や内容は商品によって異なるため、契約内容や保証書をチェックしてみましょう。
落下物や事故による破損
以下のような思わぬ事故によって、カーポートが破損するケースもあります。
- 上の階から誤って物を落としてしまい、カーポートの屋根が破損する
- 駐車に失敗してカーポートにぶつかり、柱が曲がる
- 道路から車が突っ込んできて、カーポートが倒壊する
カーポートの寿命を長くする方法
点検やメンテナンスなどを行うことで、カーポートは寿命を長く保つことができます。自宅の車を守るカーポートを、できる限り長持ちさせるためのポイントを知っておきましょう。
定期的に点検する
1年に1~2回ほど、カーポートに不具合が生じていないか点検しましょう。早めにトラブルを見つけて対処・修理することで、カーポートの寿命を長く保つことができます。
とくに台風や地震など、自然災害が起きた後は異常がないかチェックしましょう。一見、不具合がないようでも、ネジが緩んでいたり、屋根が剥がれかけていたりすることがあるためです。
大雪が降った場合は、雪の重みが負担となり、カーポートが変形したり破損したりする恐れがあります。水分を多く含む雪は凍結しやすく、積雪量が増すほど重量が増して雪下ろしが困難になります。転倒などに気をつけながら、早めの雪下ろしを心がけましょう。
補強する
ご自宅のカーポートを補強するためのオプションを付けることで、耐久性を高める方法もあります。補強方法は以下の3種類で、強風や雪の対策に有効です。
サポート柱 | 柱が片側しかないカーポートに、サポートとなる柱を設置して補強する方法 取り外しできる「着脱式」と取り付けたままの「固定式」がある |
屋根材ホルダー | カーポートの屋根材に取り付けるアルミ製の補強 屋根をサポートして、下から吹き上げる風への耐久性を高める |
母屋補強材 | カーポートの母屋材(屋根の奥に向かって通っている骨組み)を補強する芯材 空洞の母屋材を補強して折れにくくする |
定期的に洗浄する
カーポートに付いた汚れは、年に1~2回を目安に洗浄しましょう。サビは腐食が進む前に、早めに対処することが重要です。
カーポートの洗浄方法は、付着したホコリやごみなどを洗い流し、サビないように拭き掃除をします。雨樋(雨水を排水するための装置)に詰まっている枯れ葉やゴミも取り除きましょう。
注意したいのが、掃除をする際の転落によるケガです。屋根の上を掃除するには脚立が必要で、不慣れな高所での作業になります。屋根が破損して落下する恐れがあるため、カーポートの屋根に上っての作業は絶対にしないでください。
高所での作業に不安がある場合や、確実にきれいに掃除したい場合は、業者を頼るのがおすすめです。プロであれば、安全にスピーディーに汚れを落とすことができます。
住まいのトラブルを解決するエキスパートの『イエコマ』では、「カーポート洗浄」のサービスを承っております。お見積もりや現地調査は無料で行い、初回限定価格1台用8,800円(税込)、2台用15,400円(税込)です。高圧洗浄機を使って、こびり付いた汚れをていねいに落とします。
ご自宅のカーポート洗浄にお悩み中の方は、どうぞお気軽にイエコマへお問い合わせください。
まとめ
今回はカーポートの耐用年数と寿命について説明しました。国税庁が定める耐用年数は15年ですが、材質や設置場所によって寿命は異なります。カーポートの寿命を長く保つためにも、年に1~2回を目安に点検や洗浄を行いましょう。
カーポートの洗浄をする際は、脚立を使って不慣れな高所での作業になります。安全にスピーディーにきれいにしたい場合は、プロに依頼するのが安心です。
住まいのトラブルを解決するイエコマではカーポート洗浄の他に、「カーポート屋根交換」も承っております。経験と実績豊富な職人が、誠実にていねいに施工いたします。
より耐久性の高い素材にリフォーム工事したい方や、カーポートのメンテナンスに関するご質問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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