集水器が割れて水がポタポタ垂れていたり、集水器からゴミがはみ出したりしている場合、雨樋が雨水をうまく排水できていない可能性が高いです。メンテナンスが必要な時期かもしれません。
集水器は、屋根に降り注いだ雨を地面に排水するために大切な住宅設備です。
建物の美観を保ち、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
今回は、「集水器とは何なのか?」ということから、集水器の種類やメンテナンスの方法などを解説します。
自宅の雨樋の不調や修理でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
集水器はどの部分?特徴や価格の目安など
集水器は、雨樋を構成する部品のひとつで、文字の通り水を集める器の役割をする部分です。
バケツのような形状で、屋根の軒に水平に取り付けられた「軒樋」と、屋根の軒と垂直に下方向に下方向へ向かって取り付けられた「竪樋」を接続しています。
屋根に降り注いだ雨は軒樋に流れ、軒樋に流れた雨水は集水器に流れます。その後、集水器から竪樋に流れ、地面の「雨水枡」に排水されます。
集水器単品の価格は、1,000~5,000円程度で、材質や形状により異なります。
業者に集水器を交換してもらうのは、足場の設置が必要なければ1~5万円程度で済むことが多いです。
集水器の位置などの関係で足場設置が必要な場合は、10万円前後の足場代が別途かかります。
※家全体を囲う足場ではなく、部分的な足場の場合です。
集水器の種類と選び方
集水器の種類は、形状によりさまざまです。それぞれの特徴や選び方を紹介します。
飾り集水器
四角い容器に、排水口がついた一般的な集水器です。表面や上部に装飾がされたものもあり、和風の住宅にも洋風な住宅にも合います。
リバーシブル型、半円型、角型どの軒樋形状にも使用できます。
E型集水器
軒樋下部に排水口がついたデザインで、凹凸が少なくスッキリとした集水器です。
F型集水器と似た形状をしていますが、排水部分が長いのが特徴です。
丸形の樋に適しています。
F型集水器
E型集水器と似た形状で、軒樋の下部に排水口がついた形状の集水器です。
軒樋からの凹凸が少なく、スッキリとした形状をしています。
E型と比べて排水部分が短いのが特徴です。
樋の形状が角樋の場合、F型の集水器が適しています。
N型集水器
E型とF型と同様に、軒樋の下部に排水口がついた形状の集水器ですが、排水部分が斜めになっています。
屋根の形状によって、軒樋同士が離れている場合や、軒樋からすっきり竪樋をおろしたい場合に適しています。
集水器で起こるトラブルの種類と対処法
集水器周辺で起こるトラブルの種類と対処法について解説します。
詰まりによる雨水のあふれ
集水器は、水が溜まる部分なので、軒樋や屋根から流れてきた落ち葉は砂などのゴミがたまりやすいです。
たまったゴミが積もってしまうと、雨水が流れず、雨水があふれてしまうことがあります。
ゴミが詰まることによる雨水のあふれを防ぐためには、定期的な雨樋清掃を行いましょう。
雨樋清掃の理想の頻度は年2回、業者に依頼した場合1~3万円(木造2階建て35坪程度)が費用相場になります。
イエコマは、雨樋全体の清掃(雨樋保守クリーニング)を承っております。
破損による水漏れ
集水器を含め、雨樋の部品は、日々紫外線や雨風にさらされ劣化していきます。
劣化した雨樋は割れることがあり、割れた部分からポタポタと水漏れするケースも多いです。
雨樋の耐用年数は、材質によりますが、15~20年程度です。
もしも破損を見つけた場合は、早めに修理を行いましょう。
よくある2階建ての戸建て住宅の場合、部分的な補修や交換で1~5万円、全体的な交換で15~40万円(別途足場代が15~20万円前後)が費用目安です。
※よくある2階建ての戸建て住宅とは、延べ床面積(建物の各階の床面積の合計)が30坪前後の2階建てを指します。
イエコマは、雨樋の修理(交換を含む)を承っております。
集水器の掃除方法
集水器の詰まりは、集水器の掃除で解消できます。
雨樋の中でとくにゴミが溜まりやすい集水器の掃除方法について解説します。
必要な道具
- 脚立…作業用の足場
- 作業用手袋…手指のケガ防止のため
- トング…大きいゴミを取り除く
- ホース…雨樋の中の掃除や、水が流れるか確認
- パイプクリーナー…トングで届かない奥に詰まったゴミを取り除くためにワイヤーがついた排水管掃除用のブラシ
- ゴミ袋…ゴミをまとめる
手順
- 1.集水器に積もったゴミや落ち葉などをトングで取り除く
- 2.手が届かない部分は、パイプクリーナーを回転させつつ通してゴミを取り除く
- 3.上からホースで水を流し水が正常に流れるか確認する
流れない場合は、せき止めているゴミを取り除き、詰まりが解消できるまで水を流す作業を繰り返す必要があります。
ただし、脚立に乗った状態での作業になるので、無理はしないようにしましょう。
狭い足場で慣れない作業に夢中になりすぎると、転落の恐れが高くなります。
注意点
自分で清掃を行うのは、1階屋根の高さまでにとどめましょう。
2階の集水器は6メートル前後の高さがあるため、掃除するには4メートル以上の高さに立つ必要があります。ただ脚立に乗っただけの状態で、この高さの作業をするのは危険です。
労働安全衛生規則では、高さ2メートル以上の墜落の危険がある場所で労働者に作業をさせる場合は、作業床や網の設置などによる安全策を講じることが義務付けられています。
高さ2メートル以上の場所での作業は、危険度が高いのです。
参考
労働安全衛生規則 第二編 第九章 墜落、飛来崩壊等による危険の防止
また、脚立からの落下を防ぐために、必ず2人以上で行い、ひとりは脚立を支えた上で作業をすることが大切です。
集水器の取り外し方・取り付け方
集水器の交換を業者に依頼するにせよ、DIYを検討するにせよ、大まかな作業内容がわかっていると安心ですよね。
ごく簡単にではありますが、集水器の取り外し方・取り付け方をご説明します。
取り外し方
集水器は、メーカーにより異なりますが、手前側にフックのような引っかかりと、奥側をしっかりと挟み込む部材により軒樋に固定されています。
- 1.後ろ部分の軒樋に挟み込まれている部材を外す
- 2.繋がっている竪樋を持ちながら慎重に前側にずらす
- 3.前のフック部分をずらす
- 4.無理せず慎重に取り外す
ただし、コーキングや金物などでしっかり固定されている場合や、ほかの集水器としっかり接続されている場合もあります。
DIYで作業する場合、簡単に取り外せそうな場合のみに留めましょう。
取り付け方
集水器の取り付ける方法を解説します。
- 1.集水器の取り付け位置を軒樋と合うように調節しカットする
- 2.集水器の前面のフック状になっている部分を軒樋に引っ掛ける
- 3.奥側を軒樋に固定する
- 4.接着剤と取り付け金具で固定する
- 5.竪樋と接続する
- 6.水がきちんと流れるか軒樋に水を流して確認する
集水器サイズや、接続するための部材のサイズが合っていないと隙間が開き、水漏れの原因になります。
DIYで取り替える場合、必ず適した部材を準備しましょう。
集水器メンテナンスの注意ポイント
雨樋の大切な部品の1つである集水器。メンテナンスにきちんと気を配りたいですよね。
集水器メンテナンスの注意ポイントを解説します。
理想の掃除頻度は年2回
できれば、年2回程度の清掃を行いましょう。
費用や時間などの面で難しければ、「1年に1度」や「2年に1度」など、自分でもできそうな目安を作ると良いでしょう。
外壁工事のタイミングで、雨樋の塗装や交換を検討
外壁塗装など、外壁の工事のタイミングで、雨樋の他の部品と合わせ点検・塗装・修理・交換などのメンテナンスを検討しましょう。
外壁の大規模な工事は、家全体を囲う足場を設置します。この足場を使い雨樋の工事も合わせて施工することで、雨樋工事のために足場を設置する必要がなくなり、足場代の節約になるのです。
業者選びは焦らずに
集水器を含め、雨樋の掃除や修理を依頼する業者は焦らずに選びましょう。
住宅の修理全般に言えることですが、「すぐに直さないと大変なことになる」「今でないと契約できない」と言って消費者を焦らせ、契約をとろうとする業者がいます。
国民生活センターによれば、このような業者とトラブルになった事例が多数報告されています。
雨樋の不具合は、「すぐに直さなければ大変なことになる」などのことは、ほとんどありません。
もし業者が不安をあおってきても焦らず、その業者との契約は見送り、落ち着いて他に業者を探しましょう。
参考
国民生活センター 不安をあおり契約させるリフォーム工事の点検商法
DIYは作業用手袋を着用し、晴れた日に2人以上で
集水器には、砂や落ち葉以外にも、鳥の巣や小さな動物の死骸、ヘドロなど、不衛生なものが溜まってしまっている場合があります。
自分で掃除する場合、不衛生なゴミに直接触れることのないよう、軍手などの作業用手袋を着用しておくと安心です。
集水器をDIYでメンテナンスする場合、高さのある場所での作業になります。
脚立からの落下を防ぐために、必ず2人以上で行い、ひとりは脚立を支えた上で作業をすることが大切です。
また、雨の日は滑りますので、晴れた日に作業を行いましょう。
DIYの作業は1階にとどめよう
DIYの作業は、屋根に脚立をかけることのないよう、1階までのメンテナンスに留めましょう。
万が一屋根に脚立をかけた状態で落下してしまうと、命に関わる場合や、大けがをしてしまうリスクが高くなります。
【おまけ】集水器以外の雨樋パーツ
雨樋は、集水器以外に次の部品で構成されています。
これらの部品も、不具合があれば修理や交換が必要です。
軒樋
屋根の軒部分に水平に取り付けられ、屋根に降り注いだ雨を受け止め、集水器に流す役割があります。
軒樋本体と共に、軒樋が曲がる部分に取り付けられる「軒曲がり」や、軒同士を繋ぐ「軒接手」、軒の先端に取り付けられる「止まり」で構成されます。
軒樋金具
軒樋を取り付けるために設置される金具で、軒樋の雨水がスムーズに流れるように水勾配(水が流れるようにするための傾斜)をつけるために大切な部材です。
竪樋
集水器に接続され、地面の雨水桝に雨水を流すために外壁に沿って垂直に取り付けられる樋です。縦樋と呼ばれることもあります。
折れ曲がる部分に設置される「エルボ」、竪樋同士をつなぐ「ジョイント(ソケット)」により構成されます。
竪樋金具
竪樋を外壁に固定するための金物です。
固定方法には、外壁にビスやクギを使って固定する方法と、打ち込む方法があります。
竪樋金物の取り付け不良があると、金物を伝って雨水が建物内に浸水する恐れがあるため、注意が必要です。
まとめ
集水器は、さまざまな形状があり、雨樋の中でも雨水を集める大切な部材です。
ただし、詰まりや破損などのトラブルが起きやすい部分でもありますので、正常な排水機能をはたすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
DIYのメンテナンスは脚立を使った作業になりますので、安全のため2人以上で晴れた日に行いましょう。また、作業は1階までの高さにとどめましょう。
2階以上の集水器の清掃や交換は、危険が伴いますので、業者に依頼することがおすすめです。
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