壊れた雨樋は全交換?部分交換?費用や日数、トラブル防止の注意点も

雨樋の交換を検討するとき、

  • 費用はどのくらい?
  • 本当に交換が必要?
  • 全交換と部分交換のどっちが良い?
  • 雨樋交換で知っておいた方が良いポイントは?

上記のような疑問がわいてきますよね。

当記事では、雨樋交換の費用目安や交換が必要なタイミング、交換にあたって知っておきたいポイント(業者選びのチェック項目など)を解説します。

自宅の雨樋を、トラブルや後悔なく交換できるように、ぜひ参考にしてください。

雨樋交換の費用と日数

戸建て住宅の雨樋交換にかかる費用と日数の目安は以下です。

費用 日数
部分交換 1~5万円/1カ所 数十分~数時間/1カ所
全体交換 全体交換 30~60万円
※足場代を含みます。
3日前後

※費用・日数はあくまで目安です。
※数千円の出張費があわせて発生するのが一般的です。

部分交換は、交換する箇所によっては部分的な足場が必要になることがあります。その場合には、足場代として5~10万円程度のお金が別途かかります。

なお、次のような場合は、交換費用が目安の費用よりも大きな金額になる恐れが高いため、注意が必要です。

  • ステンレスや銅など、高価な材質の雨樋に交換する場合(普及率の高いリーズナブルな材質は塩化ビニルです)
  • 延べ床面積(各階の床面積の合計)が60坪以上など、大きな住宅で全体交換をする場合

雨樋を交換するべきなのはどんなとき?

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雨樋の交換時期は、雨樋にひび割れや破損、変形などが起きたときです。

ひび割れ・破損・変形の原因としては、紫外線や風雨の影響を長年受けたことによる経年劣化や、台風などの災害があります。

あくまで部分的な不具合に過ぎない場合は、部分交換の選択肢もあります。

雨樋が全体的に劣化している場合は、全体交換した方がよいでしょう。
全体的に劣化している雨樋は、部分交換をしても、あまり時間が経たないうちに別の箇所に不具合が生じてくる恐れが高いです。

部分交換にするべきか全体交換にするべきかは、業者に実際に雨樋の状態を確認してもらった結果を踏まえ、以下の3点に着目し、業者の見解も聞きつつ判断しましょう。

部分交換が可能かどうか

雨樋の品番によっては、部分交換ができないことがあります。

雨樋は、軒樋(屋根の縁に沿うように横向きに伸びる部分)や竪樋(たてどい。縦方向に伸びる部分)、エルボ(曲がり角に用いるL字型の接続部品)など、複数の部品の組み合わせです。

品番によっては、同じ品番の部品同士でしか接続できず、その品番の部品がもう製造されていない場合があります。

このような場合、部分交換に必要な部品が入手できないため部分交換できず、雨樋を丸ごと交換するしかないことがあります。

破損・変形している箇所の数や範囲

数カ所の小さな破損・変形であれば、破損・変形している箇所のみを交換する方法でもよいでしょう。

破損・変形している箇所が多かったり(10カ所以上など)、数カ所であっても破損・変形の範囲が広かったりする場合は、雨樋が全体的に劣化している恐れもあります。

業者に雨樋の状態をよく確認してもらい、部分交換にするのか全体交換にするのか、相談して決めると良いでしょう。

年数

昨今の一戸建て住宅の雨樋は、大半が塩化ビニル製です。
塩化ビニル製の雨樋の耐用年数は15~20年といわれています。

家を建ててから、または前回の雨樋設置から20年以上経っており、破損や変形が見られる場合は、雨樋が全体的に劣化している恐れがあるでしょう。

10年ほどしか経っておらず、1~2カ所の小さなひび割れや破損であれば、雨樋が全体的に劣化している恐れは低いです。

雨樋を交換しなくてよいのはどんなとき?

「強めの雨が降るたびに、雨樋から雨水がぼたぼた落ちる」という状態のときでも、雨樋を交換しなくてよい場合があります。

詰まりが原因で不具合が生じている場合と、支持金具が原因で不具合が生じている場合です。

詰まりが原因の場合

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落ち葉などのゴミが詰まって、雨樋から雨水があふれて地面に落下するようになることがあります。
この場合の対処法は、雨樋を掃除し詰まりを解消することです。

業者に雨樋全体の清掃を依頼した場合の相場は1~3万円ほどです。

イエコマは、雨樋清掃(雨どい保守クリーニング)も承っております。

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支持金具が原因の場合

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※イエコマが交換した支持金具の写真です。

支持金具とは、雨樋を支えている金具部品のことです。
支持金具の歪みやサビ、破損などで雨樋が傾き、雨水がこぼれるようになることがあります。

支持金具が原因の不具合であれば、支持金具の歪みを直したり、問題のある支持金具を新しい支持金具と交換したりすることで対処可能です。

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壊れたり詰まったりした雨樋を長く放置するとどうなる?

壊れたり詰まったりした雨樋は、雨水の漏れやあふれが発生し、まとまった量の雨水が地面に落下したり外壁を伝ったりするようになります。

このとき、まず問題になりやすいのが、騒音と家周りの汚れです。

雨樋は、1階の屋根部分の場合で3メートル前後、2階の屋根部分の場合で6メートル前後の高さの位置にあります。
この高さからまとまった量の水が地面やコンクリート面に流れ落ちると、通常の雨粒の落下よりもはるかに大きな水音が発生することがあります。

不具合が起きている箇所や家周りの環境によっては、このような大きな水音で不快な思いをしたり、近隣に迷惑をかけたりする恐れがあるのです。

また、雨樋から流れ落ちる雨水は水はねが大きいです。この水はねによって、外壁や塀、近くに置いている自転車や植木などが汚れます。

さらに、雨水が漏れたりあふれたりしている雨樋を何カ月も放置していると、次のような二次被害が起こってくることもあります。

屋根や外壁の劣化が速まる

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屋根や外壁は、紫外線や雨などの影響を受け、少しずつ劣化していくものです。
雨樋は、屋根の上部に降った雨水が屋根の下部や外壁に多く流れ、屋根や外壁が雨水のダメージを多く受けることを防ぐ役割をしています。

雨樋が壊れて役割を十分に果たせない状態が長く続くと、屋根や外壁の劣化スピードが速まる恐れがあります。

雨漏りやシロアリの発生の恐れが高まる

屋根の上部は、大量の雨水が流れることを想定し、簡単には雨漏りしないように作られています。
しかし、屋根の下部や外壁は、雨水が多く流れることは想定されていません。

このため、雨樋が壊れたり詰まったりして、屋根の上部に降った雨水が屋根の下部や外壁に多く流れる状態が続くと、屋根の下部や外壁に雨漏りが起こる恐れが高まるのです。

また、雨漏りが起きれば、シロアリ発生のリスクが高まります。シロアリは湿った木材が好物なので、雨漏りで建物内部の木部が湿れば、シロアリが発生しやすくなります。

シロアリに木部の多くを食べられてしまうと、建物の寿命が縮んだり耐震性が大幅に低下したりすることがあり、危険です。

雨だれ、雨染みが発生する

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雨だれとは、雨水が繰り返し流れて生じる筋のような汚れです。雨染みは、コンクリート面などに雨水が繰り返し流れて生じる染みのような汚れです。

雨樋から雨水が漏れたりあふれたりしている状態が長く続くと、それが原因で外壁に雨だれができたり、家周りのコンクリート面に雨染みができたりする恐れがあります。

雨樋交換の工事の流れ

雨樋交換の検討にあたって、「工事の流れのイメージがつかず、何となく不安」と感じている人もいるかと思います。

雨樋の種類や状態、業者によって細かいところは変わってきますが、雨樋交換の基本的な工事の流れを簡単に説明します。

部分交換の流れ

雨樋の部分交換は、基本的に以下のような流れです。

1.不具合が起きている部分を、のこぎりや電動工具などでカットし、取り除く
2.代わりになる新しい部品を、専用の接着剤と継手(つぎて。雨樋の部品同士を接続する部品)を使って取り付ける

代わりになる新しい部品は、取り除く部分と同じ大きさになるようにカットして使います。

全体交換の流れ

雨樋の全体交換は、基本的に以下の流れです。

1.足場を設置する
2.支持金具も含め、古くなった雨樋をすべて撤去する
3.新しい支持金具を設置する
4.支持金具の上に置くように、雨樋を取り付ける
5.足場を撤去する

軒樋(屋根の縁に沿うように横向きに伸びる部分)の設置は、雨水が集水器(軒樋の雨水を集める部分)の方へ流れるように、適度に傾斜をつけることが重要です。

軒樋に傾斜をつけるために、支持金具を設置する作業のとき、「水糸」と呼ばれる糸を使います。

低めの位置に設置した集水器付近の支持金具と、高めの位置に設置した集水器から離れた軒樋の支持金具の間に水糸を張り、両者の間の支持金具を水糸に沿って設置します。

このようにすることで、軒樋を支える支持金具の位置が集水器に近づくにつれて低くなるので、軒樋に適切な傾斜がつくのです。

雨樋交換はDIYできる?

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雨樋交換のDIYが可能なのは、次の条件が満たされているときです。

  • 部分交換であること
  • 1階の屋根の軒樋以下の高さの交換であること
  • 脚立を正しく安全に使えること

部分交換であること

全体交換は、業者が建物の全体工事などに使う本格的な足場が必要になります。DIYはできません。

DIYが可能なのは、部分的な交換だけです。

1階の屋根の軒樋以下の高さの交換であること

1階の屋根の軒樋よりも高い位置の不具合部分を、専門業者ではない個人が修理しようとするのは危険です。

1階の屋根の軒樋より高い箇所を修理するには、2メートル以上の高さの場所に立つ必要があることが多いです。

労働安全衛生規則では、事業者が労働者に高さ2メートル以上で墜落の危険がある場所で作業をさせる場合は、原則として足場の組み立てなどにより作業床を設けることが義務付けられています。
高さ2メートル以上の場所での作業は、危険度が高いのです。

2階部分の雨樋の交換は、業者に任せましょう。

参考
労働安全衛生規則 第二編 第九章 墜落、飛来崩壊等による危険の防止

脚立を正しく安全に使えること

個人が自力で雨樋を部分交換する場合には、脚立を使うケースが多いです。

脚立は正しく使わないと、使用中に倒れたり、作業者が脚立から転落したりする危険が高まります。

よくある間違った使い方の例としては、次のようなものがあります。

  • 天板(脚立を置いたとき、1番上になる板部分)に乗ったりまたがったりする
  • 脚立から身を乗り出したり、上を向いた状態で作業したりする

脚立の説明書やメーカーの公式サイトを確認し、正しく安全に脚立を使いましょう。

雨樋を交換するときのポイント

雨樋交換のときには、次のようなポイントを頭に入れておくことをおすすめします。

雨樋の種類

雨樋を全交換する場合は、どんな種類の雨樋を新しく設置するか検討する必要があります。
雨樋の形状と材質は、主に次のような種類があります。

形状の種類

半円型 昔からある、断面が半円型の雨樋です。安価なこと、部分交換がしやすいことが特徴です。
角型 最近主流の断面が台形になる角ばった雨樋です。流水量が多く大雨でも機能を発揮しやすいことが特徴です。
リバーシブル型 断面の片側が半円型、もう片側が角型になっている雨樋です。半円型の部分が外側になるように設置することで、半円型のように見せながら、半円型よりも多くも流水量を確保できます。
※住宅によっては、角型より半円型の方がデザインの面でマッチすることがあります。

半円型の雨樋
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角型の雨樋
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材質の種類

塩化ビニル 最も広く普及しています。安価ですが、他の材質に比べると早く劣化します。立地によりますが、とくにメンテナンスをしなかった場合で耐用年数は15~20年程度といわれています。
ガルバリウム 表面を合金で加工した鋼板です。塩化ビニルより高価で、耐久年数が長いです。立地によりますが、とくにメンテナンスをしなかった場合で耐用年数は20~30年程度といわれています。

※他にアルミ製やステンレス製、銅製などがありますが、アルミ製とステンレス製は流通量が非常に少なく、戸建て住宅に使われることはあまりありません。
※銅製の雨樋は意匠性に優れた高価な雨樋で、主に寺社仏閣に使われ、戸建て住宅にはあまり使われません。

それぞれのメリット・デメリットを鑑みて、新しく設置する雨樋を検討するとよいでしょう。

種類にとくにこだわらない場合は、塩化ビニル製の角型が無難です。

台風などで壊れた雨樋の交換なら火災保険が使えるかも

台風などの災害で壊れた雨樋の交換は、火災保険が使える可能性があります。
どんな場合に保険が適用されるのかは、契約している保険プランによって異なります。申請の前に、契約している保険プランの内容を確認しましょう。

なお、「火災保険で雨樋を無料で直せます!」「火災保険の申請を代行します!」などの宣伝をしている業者には注意が必要です。

このような業者と契約してトラブルになった事例が多数報告されており、消費者庁や日本損害保険協会が注意喚起をしています。

参考
消費者庁 保険金申請代行業務や住宅修繕を行う5事業者に対する行政指導について
日本損害保険協会 住宅の修理などに関するトラブルにご注意

全交換なら他の外装工事をあわせて施工するのもアリ

雨樋の全交換は、家全体を囲う本格的な足場の設置が必要です。
このような足場は、雨樋交換だけでなく、その他の外装工事(外壁・屋根の修理や塗装など)にも使えるものです。

雨樋交換とその他の外装工事を別々に施工すると、足場代が2度発生しますが、あわせて施工すれば足場代を1回分に抑えられます。

必要のない外装工事をすることはありませんが、外壁にひび割れがあったり黒ずみが出ていたりしたら、修理や塗装をあわせて施工することを検討してもよいでしょう。

その他の外装工事も依頼する可能性がある場合は、雨樋の工事だけでなく、外壁・屋根の工事も可能なタイプの業者に交換を依頼しましょう。

イエコマは、雨樋工事と合わせて、外壁・屋根の補修や塗装も可能です。

業者選びはココをチェック

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雨樋交換の業者選びの際には、次の点をチェックしましょう。

現地調査はていねいか

脚立やはしごなどを使って、雨樋の高所部分もきちんと近くで目で見て確認してくれる業者を選びましょう。

このような確認作業をていねいにしてくれる業者は、その後のお客様への対応や交換作業もていねいにしてくれる可能性が高いです。

雨樋の状態や工事内容をきちんと説明してくれるか

しっかりした業者は、工事内容などをきちんと説明しないと、後で工事の契約内容を巡ってトラブルになることを知っています。

トラブル防止のため、しっかりした業者は契約前に工事に関することをきちんと説明するものです。

不安をあおってこないか

雨樋の不具合は、「すぐに修理しないと大変なことになる」などのせっぱつまった事態になることは基本的にありません。

「すぐに修理しないと大変なことになる」と不安をあおるなどして、契約を急かしてくる業者は避けましょう。

良心的な業者であれば、お客様をわざわざ不安な気持ちにさせません。

業者選びで不安を感じたら「考える時間をください」と言う

見積もりにきた業者に対して、「この業者に頼むのが最善なのかな」「安心して任せられるかな」と不安を感じたら、その場で契約するのではなく、「考える時間をください」と言いましょう。

良心的な業者であれば、数日や数週間など、お客様にゆっくり時間をかけて考えていただくのは当たり前のことです。

「今ここで契約してほしい」「契約できるのは明日まで」などのことを言って急かしてくる業者は、悪徳業者である恐れがあります。

まとめ

自宅の雨樋にひび割れや破損、変形などが見られたら、雨樋の交換を検討する時期です。

部分的で軽度の不具合であれば部分交換でもよいですが、雨樋が全体的に劣化している恐れがある場合は、全体交換も視野に入れましょう。

イエコマは、雨樋の部分交換・全体交換を承っております。
自宅の雨樋のひび割れや破損、変形などでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
現地調査・見積もりは無料です。

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