葺き替えより安い?|スレート屋根のカバー工法・費用・相場

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スレートはコロニアルとも呼ばれ、日本の一般住宅で広く普及している屋根材です。新築から10年前後で塗装のメンテナンスが必要とされています。理由は、スレートそのものは繊維素材を混ぜたセメントを薄く板状にしたもののため防水性が低く、表面の塗膜(とまく:塗装により乾燥して固まった塗料の膜)で雨水の吸収を防いでいるからです。
塗装では対応できないほどスレートが傷んでいたり、スレート下の防水層の寿命が近かったりする場合は、塗装よりも本格的な補修が必要です。その選択肢のひとつが今回ご紹介する「カバー工法」です。
カバー工法とは、古い屋根材を撤去せずに新しい屋根材で葺く工法のことです。古い屋根材を撤去して新しい屋根材で葺き替えるよりも費用や工事日数が抑えられる点で人気です。
この記事では、カバー工法にかかる費用の相場や工程、カバー工法のメリットやデメリットを解説します。また、カバー工法を依頼する業者の選び方も紹介します。
この記事を読めばカバー工法のことがわかり、トラブルになりそうな業者を避けて工事を行えるようになります。

スレート屋根のカバー工法 費用と相場

まず、誰もが気になるスレート屋根のカバー工法の相場を紹介します。

スレート屋根のカバー工法 費用・相場

諭吉絨毯に電卓と家

スレート屋根のカバー工法にかかる費用の総額は、一般的な日本の住宅(広さ30坪前後、屋根面積100平方メートル前後)の場合で約90万~150万円です。
これはあくまでも目安で、屋根の広さや形状によって費用は異なってきます。
スレート屋根のカバー工法には、スレートの上に直接防水シートを張って新しい屋根材で葺く工法と、新しい下地をスレートの上に張った上で防水シートと屋根材で葺く工法の2種類があり、新しい下地を張る工法のほうが費用は高くなります。

スレート屋根のカバー工法にかかる費用の主なもの

カバー工法にかかる費用が思ったより高いと驚いた人もいるのではないでしょうか。
工事を請け負う業者によって異なりますが、費用の大まかな内訳もあわせて紹介します。
なお、それぞれの項目に記載している総額は、日本の一般的な広さの住宅(30坪前後)の屋根面積100平方メートルで算出しています。

新しい屋根材…5,000~11,000円/平方メートル、総額50万~110万円前後

カバー工法では、既存のスレートを覆う新しい屋根材が必要になります。
屋根材によってそれぞれ特徴も耐久性も異なり、必要となる数量も単価も変わってきます。
次章で屋根材ごとの特徴と耐用年数を紹介するので参考にしてください。

防水シート…500~1,200円/平方メートル、総額5万~12万円前後

屋根の内部に雨水が浸入しないよう、屋根材を葺く前に防水シートを張ります。
防水シートは耐久性能が製品によって異なるため、価格に幅があります。
耐久性の高いガルバリウム鋼板を屋根材に使用しても、防水シートが10年前後で劣化してしまうと想定より早く再び屋根の補修が必要になるおそれがあります。リフォーム業者から見積もりを取る際には、カバー工法で使用する防水シートの耐用年数を確認し、新しい屋根材の耐用年数に合うものかどうかを確認するとよいでしょう。

野地板増し張り…2,000~2,500円/平方メートル、総額20万~25万円前後

既存のスレートの傷みがひどく、スレートのすぐ上に防水シートを張れない場合があります。その場合は、まずスレートの上に野地板(のじいた)※を張ってから施工するため、費用が余計にかかります。
※野地板:屋根材の下地となる薄板。野地板の上に防水シートを張り、その上から仕上げの屋根材で屋根を葺く。

板金工事…3,000~1万円/平方メートル、総額3万~10万円前後

新しい屋根材で葺いた後、雨や風の被害を受けやすい棟や軒などはガルバリウムの薄い板を加工したもので覆い保護します。

足場代…700~1,000円/平方メートル、総額10万~30万円前後

足場とは、高所でも作業者が安全に作業できるように設置する仮設の構造物です。工事が終われば撤去するものなので高いと感じるかもしれませんが、安全に工事を行うために必要なものです。

養生代…200円前後/平方メートル、総額2万円前後

カバー工法の工事中、ゴミやホコリが周囲に飛散しないように網状の材料で覆うのが養生です。近隣住民とトラブルを起こさないためにも必ず必要です。

工事管理費・諸経費など

カバー工法を施工する業者が会社を運営し工事を行う上でかかる経費を、工事の合計金額に応じて負担するものです。施工管理を行う社員の賃金や車両代、宣伝費、事務所代などが該当します。
工事費用の5~15%前後が相場といわれていますが、企業規模によっても変わってきます。

カバー工法で使用する屋根材別の耐用年数

重ね葺きに使う屋根材は軽量でなければならないため、使用可能な屋根材は限られます。

屋根材別の耐用年数

ガルバリウム鋼板 耐用年数:20~25年(5,000~1万円/平方メートル)

薄い鋼板(鉄の合金)をアルミニウムと亜鉛の合金でめっきした素材がガルバリウム鋼板です。加工がしやすく耐久性に優れているので、カバー工法でもっともよく使用される屋根材です。屋根材として使用する場合、裏に断熱材を貼ったものを一般的に使用します。

ジンカリウム鋼板 耐用年数:30~50年(8,500~1万5,000円/平方メートル)

ガルバリウム鋼板の表面に細かい砂粒を含んだ塗料を吹きつけてコーティングしたものを、日本ではジンカリウム鋼板とよぶことが多いです。石粒付きガルバリウムとも呼ばれます。

アスファルトシングル 耐用年数:10~30年(5,000~8,500円/平方メートル)

アスファルトシングルは、ガラス繊維にアスファルトを染み込ませた、表面に砂粒と塗料を吹きつけたシート状の屋根材です。割れたり錆びたりしにくく、加工しやすい特徴があります。
アスファルトシングルも薄く軽量なのでカバー工法に向く屋根材です。開発当初は、火がつきやすい素材なため防火地区などで使用できない欠点がありました。しかし、現在では防火性能を満たす製品が開発され、制限なく使用できる製品も増えつつあります。

ROOGA(ルーガ) 耐用年数:30年前後(8,000~9,000円/平方メートル)

スレートのメーカーであるケイミュー株式会社から発売されている屋根材です。粘土瓦に見た目は似ていますが、スレートと同じ材質(セメントに繊維素材を混ぜたもの)なので軽量です。粘土瓦は重いので重ね葺きに使用できませんが、ROOGAならカバー工法が可能です。表面を耐久性の高い無機系塗料で塗装しているので耐用年数が長い点も長所といえるでしょう。

カバー工法の工程

この章ではカバー工法の工程を紹介します。

カバー工法の工程

  1. 足場と養生シートの設置
  2. 家を囲むように足場を設置し、その周囲に養生シートを取り付けます。

  3. 棟板金の撤去
  4. 棟や軒先を保護している板金類を取り外します。
    雪の落下を防ぐ雪止め金具がついている場合もここで撤去します。

  5. 防水シート(ルーフィング)の設置
  6. 既存のスレート屋根の上から防水シートを張ります。
    スレートの傷みが激しい場合は、防水シートを張る前に野地板を張ります。

  7. 新しい屋根材で葺く
  8. 棟板金の加工・取り付け
  9. 新しい棟板金に交換します。

  10. 足場と養生シートの撤去

カバー工法にかかる日数

カレンダーと家積木

屋根の広さや形状にもよりますが、平均的な工事日数は7~8日です。
ただし、業者の定休日は工事が行われませんし、雨天でも工事はできません。そのため、実際には10日から2週間前後かかると考えておくとよいでしょう。

スレート屋根の点検・工事のタイミング

スレートはそれ自体の防水性能が低く、塗膜で防水性を保っている屋根材です。そのため、表面の塗膜が剝がれたりスレートが欠けたりすると容易に雨水が染み込んで劣化し、屋根を保護する機能が失われることとなります。スレート屋根の劣化を早期に発見し対策を取るのが、スレート屋根を長持ちさせ、雨漏りなどのトラブルから建物を守る最善の方法といえるでしょう。
では、どんなタイミングでスレート屋根を点検し工事を行うのが望ましいのでしょうか。

台風や強風の後

ボロボロのスレート屋根

スレートには割れやすい欠点があり、台風や強風の飛来物が強く屋根に当たれば欠けたり割れたりします。
台風や強風の後は、地上から可能な限りでいいので屋根を見渡し、割れたり欠けたりしていないか確認し、不安があれば専門業者に点検を依頼しましょう。
スレートの部分補修や棟板金のクギを打ち直す補修は不具合が見つかったらその都度できるだけ早く補修を行うことをお勧めします。

スレートの塗装

スレート屋根塗装

スレート屋根は10~15年前後で塗装工事を行うのが一般的です。新築からそれくらいの時間が経つと、スレート表面の塗膜が劣化し防水性が失われてくるからです。
ただし、家の立地条件やスレートを塗装している塗料の耐久性によっても塗装工事を行うべき時期は異なってきます。10~15年経過していなくても、屋根の色があせやコケ・カビの繁殖をみつけたら、塗装工事を検討するとよいでしょう。この時点で、より工事の耐久性が高いカバー工法を行うケースも多いです。
なお、塗装の工事はスレート表面の劣化がそれほど進行していない場合に限ります。スレートの傷みが激しい場合は、塗装ではなく重ね葺きを検討するべきでしょう。

重ね葺き(カバー工法)

新築から20年近く経過している場合や、スレート表面の劣化が激しい場合は重ね葺きを行います。新しい防水シートで屋根を覆ってから新しい屋根材で葺くため、カバー工法を行ってから古い防水シートの寿命が尽きたとしても、雨水が屋根の内部に心配するおそれはありません。
スレートに割れや欠けがある場合は、まだ目に見える雨漏りが起きてなくても内部に不具合が起きている可能性があるので、業者に屋根内部の状態を確認してもらい、カバー工法と葺き替えどちらが適切か確認してもらいましょう。
こちらの記事で、スレート屋根のカバー工法をくわしく解説しています。

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イエコマ編集部

葺き替え

雨漏りがすでに起きている場合は、重ね葺きではなく葺き替え工事を行いましょう。屋根に不具合がある場合は屋根材を撤去し、不具合箇所を補修してから新しく葺き替えるほうが安心です。目立った不具合がみられなくても、新築から30年以上経過している場合などは、屋根の基礎の状態を確認できる葺き替えのほうが望ましいでしょう。雨水が屋根内部に浸入してからすぐに雨漏りとはならず、屋根の内部などに溜まった水で屋根の基礎や柱が腐敗しているかもしれません。重ね葺きをした後に屋根の内部で不具合が見つかった場合、重ね葺きを剥がして補修することとなり、適切な工事とは言えません。

カバー工法のメリット

カバー工法のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

カバー工法のメリット

葺き替えよりも安く日数が少ない

屋根全体を防水シートで覆うので、屋根の防水性は新しい屋根と同様に向上します。にもかかわらず、費用は葺き替えより安く、日数も少なくてすむ点がカバー工法の魅力です。
古いスレートにはアスベストが含まれているものがあり、その場合は工事費用が高額になります。これは撤去・廃棄する際に作業者や住んでいる人、近隣住民がホコリを吸いこまないように対策を取る必要があるためです。カバー工法なら、古いスレートにアスベストが含まれている場合も工事内容や工事費用が替わることがありません。

屋根が丈夫になる

新旧2層の屋根材で覆われるので屋根が丈夫になります。
強風や台風で飛来物があっても、部分的な補修が必要になったとしても被害がより少なくすむ可能性が高いです。

屋根の耐熱性が改善する

スレート単体だけよりも、上から防水シートと新しい屋根材で覆う重ね葺きのほうが耐熱性は向上します。ただし、ガルバリウムやジンカリウムなど金属屋根で重ね葺きをする場合は、金属屋根の裏に貼る断熱材の性能によると考えましょう。

カバー工法(重ね葺き)と葺き替えの違い

前章で紹介した葺き替えと重ね葺きはどのような違いがあるのでしょうか。

費用の違い

葺き替えでは古い屋根材を撤去する必要があるため、撤去費用と古い屋根材の廃棄費用が余計にかかります。
古いスレートには有害物質である石綿(アスベスト)を含有しているものもあり、その場合、撤去作業と廃棄でアスベスト対策を取るために費用が高額になります。

日数の違い

工程が多くなるぶん、葺き替えのほうがより工期が長くかかります。

屋根重量の違い

重ね葺きは古いスレートの上から新しい屋根材を重ねるため、そのぶん重くなります。
屋根が重いと耐震性能が低くなることがあるため、屋根の重量を軽くしたい場合は葺き替えを選ぶとよいでしょう。
カバー工法と葺き替えの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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イエコマ編集部

カバー工法を依頼する業者の選び方

このコラムの最初に紹介したとおり、カバー工法の費用はけっして安くありません。
高額な工事を任せて安心な業者選びのポイントを以下の項目にまとめました。

カバー工法を任せられる業者の特徴

カバー工法の施工実績が豊富

スレートとガルバリウムでは工事のやり方も注意点も異なります。カバー工法の実績が豊富な業者を選べば間違いはないでしょう。

施工前に屋根に上がり、屋根の状態を点検した上で最適な工事を提案してくれる

地上から見えない部分で不具合が見つかるかもしれません。見積もりの前提となる無料点検をていねいに行う業者を選ぶとよいでしょう。

見積もり書が詳細で、質問にきちんと答えてくれる

たとえば「屋根工事一式」など、ひとまとめの見積もりでは工事の詳細がわかりません。本来行うべき工程を省かれるおそれがある上、相見積もり(複数の業者に見積もりを依頼すること)を取っても他社の見積もりと比較することもできません。見積もり書内に工事の詳細と費用単価が明記されている業者を選びましょう。

支払い方法が工事前一括ではない

スレート屋根のカバー工法にかかる費用はかなりの高額なので、仕上がりを確かめ納得した上で代金を支払いたいものですよね。代金の支払い方法はリフォーム会社によってさまざまですが、工事が始まる前に代金を一括して支払わせようとする業者は要注意です。いったんお金を支払ってしまうと、工事内容に不備があっても代金を取り返すのが難しかったり、返金に時間がかかったりします。一般的なリフォーム業者の多くは、工事開始前には手付け金程度の支払いしか求めないと覚えておきましょう。

屋根カバー工法を勧めてくる業者に要注意?

カバー工法は優れた屋根の補修方法ですが、前章で述べたデメリットもあります。
カバー工法では対応できない場合や、カバー工法より簡単で費用が少ない修理で十分な場合もあるということです。
ですから、屋根の点検もしていないのに、最初から「そろそろ屋根の重ね葺きをすると安心ですよ」などと勧誘してくる業者には要注意です。
点検をていねいに行い、屋根の状態に適した工事の提案をしてくれる業者を選んでくださいね。

まとめ

スレート屋根のカバー工法にかかる費用の相場や、屋根材による耐用年数の違い、カバー工法のメリット・デメリットなどを紹介しました。
この記事で得た知識を活用して、あなたの家のスレート屋根を適切な方法で補修し、住まいの安全と価値を維持してくださいね。

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