猫が障子を破るのはなぜ?破る理由や対策グッズをご紹介!

可愛らしいペットとして、多くの人に愛されている猫。しかし一緒に暮らしていると、困ることも出てきますよね。
その1つが「猫が障子を破ってしまう」問題。

何度張り替えても容赦なく破かれる障子…。いくら愛しい家族でもこれは困りますよね。

日本伝統の建具である障子は風情がありますが、障子紙が破れていては台無しです。見栄えが悪いだけでなく、だらしない印象も与えます。
「破れた部分から隙間風が入って、夜寝るときに寒い」などの事態もありえるでしょう。

障子紙は破れたら張り替えられるものですが、張り替えは手間のかかる作業です。障子紙や障子のりの代金などの費用もかかってきます。
張り替えてまもなく猫に破られたら、うんざりしてしまいますよね。

この記事では、猫が障子を破る理由や、対策の方法とグッズを紹介します。

これを読めば猫への理解がより深まり、障子を破られないための具体的な対策方法がわかるでしょう。
ぜひ参考にして「猫が障子を破ってしまう」問題を解決し、愛猫との生活をより快適に過ごしてください。

猫が障子を破る理由

そもそも猫はなぜ障子を破るのでしょうか。私たち人間からすると、障子を破る行為に何の意味があるのか、理解しにくいですよね。

しかし、猫には猫なりの理由があるのです。

障子の音が気になる

猫は、紙やビニール袋がたてる「カサカサ」「ガサガサ」などの音を好みます。捕食動物である猫は、獲物が草むらを移動するときのようなカサカサ音やガサガサ音に本能で反応するのです。

紙の障子は触ったり破ったりしたとき、猫の好きなカサカサ音をたてます。このため、障子を破るのは猫にとって楽しいことなのです。

障子の向こうが気になる

猫は好奇心旺盛な生き物です。目の前に障子があると、「この障子の向こうには何があるのか」が気になり障子を破ることがあります。

障子の向こう側で何かが動く様子が見えると、障子を突き破って追いかけることもあるようです。

そこを通り道だと決めているから

猫は「気まぐれ」などの印象を持たれることが多いですが、場所にこだわる習性があります。個体差はありますが、自分の縄張りにこだわる猫は縄張り内の見回りの際、「ここを通る!」と決めた場所の障子を容赦なく破って突き進むことがあります。

運動が不足している

捕食動物である猫は、本来獲物を狩るために野を駆ける生き物です。室内で飼われている猫の場合、体を動かす機会が極端に少なく、運動不足がストレスとなっていることがあります。

木の枠が格子状になっている障子は、猫にとって上ったり下りたり運動ができる格好の運動場。障子があちこち猫に破られている場合、猫が運動不足のストレスをぶつけた跡である可能性もあります。

イタズラ心

猫は遊びやイタズラが好きな生き物です。障子を破くことの楽しさを知った猫に、破くのをやめさせるのは困難でしょう。
何度張り替えてもそのたびに破かれるため、きりがありません。破られないための具体的な対策が必要です。

ただし、猫が頻繁にイタズラをするのは、ストレスが関係していることもあります。
猫は気ままに生きている印象を持たれがちですが、運動が不足していたり、飼い主に構ってもらえなかったりすることがストレスになることもあるのです。

猫に体を動かす機会や場所を与えたり、猫と過ごす時間を増やしたりすることも検討すべきでしょう。

爪とぎとして使用している場合も

猫が障子を爪とぎの場所として気に入っている可能性も考えられます。爪とぎは猫の本能であるため、単にやめさせるのは難しいでしょう。

猫に障子を破られないための対策!

たとえ大切な飼い猫でも、障子を破って駄目にするのをただ見ているわけにはいかないですよね。
「猫が障子を破ってしまう」問題に悩む人の全てに向けて、その対策を紹介します。

爪を切る

猫の爪切り

猫が爪で障子を破ることを恐れるのであれば、まずは爪を切りましょう。日頃から爪を短くさせておけば、障子や家具を傷つけられる心配を減らせます。

猫の爪切りは、猫を後ろから抱きかかえるようにして行いましょう。肉球を押すと爪が飛び出すので、その先端をカットします。

ただし、猫は強く触られることを嫌うため、肉球を押すときは優しくそっとです。また、「クイック」と呼ばれる爪の内側のピンクの部分は神経や血管が通っているため、その部分は絶対に傷つけないようにします。

猫爪解説

※引用:はぴねこ

人間用の爪切りで切ると爪が割れる恐れがあるので、猫用の爪切りを用意しておくと安心ですね。

猫爪切り

爪切りの頻度は、以下が目安です。

  • 子猫の場合:週に1回
  • 成猫の場合:2週間に1回
  • 老猫の場合;3週間に1回

「爪とぎをしているのに爪を切る必要があるのか」と思うかもしれません。しかし、猫が自分で行う爪とぎは「武器である爪を常に鋭く保つため」です。爪で周囲のものを傷つけないようにする爪切りとは別物です。

爪切りは子猫の頃から習慣づけておけば、スムーズにできるようになることもあります。しかし、爪切りに慣れていない成猫の爪を切るのは、猫が嫌がって暴れ困難であることが多いです。
この場合は、「マスクやエリザベスカラーで視界を遮って落ち着かせる」「おもちゃで気を逸らせる」などの方法があります。

障子を撤去する

最も確実な対策です。そもそも障子が存在しなければ、障子を破られる心配はなくなります。

ただし、「直射日光が和らげられる」「断熱性がある」など障子のメリットも一緒になくなります。

障子の1番下の一隅をのれんにする

猫が決めた通り道の障子がいつも破られる場合、障子の1番下の段の一隅だけはあえて障子紙を貼らず、布を取り付けてのれんのようにする手もあります。

猫がのれんになった部分を選んで通るようになれば、障子紙を破られることはなくなるでしょう。猫がのれんをくぐって部屋に出入りする可愛い姿を堪能することもできます。

破れにくい障子に張り替える

障子イメージ

従来の障子は和紙でしたが、最近では傷や衝撃に強いプラスチック製や、破れにくいよう特別に加工された製品も販売されています。障子の破れ防止になる可能性が非常に高く、障子の良さをある程度残せる方法です。
猫だけでなく、小さな子どもが障子にいたずらする場合にも使えます。

ただし、プラスチック製の障子紙は紙の障子紙に比べ、通気性や吸湿性に欠けます。そのため、紙の障子からプラスチックの障子に張り替えると、住居内の風通しが悪くなったり、室内が湿っぽくなったりする恐れがあります。

プラスチック製の段ボールに張り替える

大きなプラダン

※参考:モノタロウ

プラスチック製段ボールは略して“プラダン”とも呼ばれ、紙製段ボールよりも水・油に強く、軽量かつ丈夫で加工がしやすい素材です。さまざまな厚さのものがありますが、5㎜程度までならカッターで切断できます。

軽さ・丈夫さ・加工のしやすさを備えた素材であるため、障子紙の代わりに用いるのにぴったりです。猫の爪でもそう簡単には破れません。

プラダンはホームセンターや100円ショップで購入できます。厚さはカットがしやすいように、5㎜程度のものを選ぶとよいでしょう。

ただし、プラスチック製の障子紙と同様、和紙のような通気性や吸湿性は期待できません。

障子を厚紙で覆う

段ボール

段ボールなどの厚紙で障子全面を覆い隠す方法です。厚紙で覆えば障子に直接触れられないため、破られる可能性が非常に低くなります。

しかし、その代わりに障子の見栄えが悪くなります。厚紙やテープで障子を覆うため、「日差しを適度に取り入れる」「閉めきりつつも風は通す」などの障子の機能が発揮されなくなります。

段ボールによっては厚みが足りずに猫の爪で破れ、結局障子も破られる恐れもあるでしょう。

障子に両面テープを貼る

障子に両面テープを貼れば、両面テープの感触を嫌がった猫が障子を破ろうとしなくなることが期待できます。

ただし、この方法も厚紙と同様、見栄えが悪くなったり障子の機能が十分に活かされなくなったりするデメリットがあります。

猫タワーなどを設置する

キャットタワーに猫

猫が運動不足のストレスや遊びたい気持ちを障子にぶつけている場合、猫が登って遊ぶ猫タワーを設置する手もあります。「障子よりも猫タワーで遊ぶ方が楽しそう」と猫が判断すれば、障子を破られる恐れは減るでしょう。

ただし、設置した猫タワーを猫があまり気に入らなかったり、障子で遊ぶことにこだわったりした場合には効果を発揮しません。

爪とぎの場所を変えさせる

猫が障子を爪とぎとして使用しているのであれば、爪とぎを別の場所で行うようにさせることで、障子を破るのをやめさせることができる場合があります。

猫が爪とぎを適切な場所で行うようにさせるには、次の3つのことを同時に実行するとよいでしょう。この方法は障子だけでなく、壁や柱を猫が爪とぎで傷つける場合にも応用できます。

障子を爪とぎができない状態にする

障子紙をツルツルとしたプラスチック製に変えたり、爪とぎ防止シートを上から貼ったりすることで、爪とぎができない状態にします。猫がよく破る部分の障子紙やいつも爪をとぐ場所などを選んで処置を施すとよいでしょう。

爪とぎの場所を別に用意する

爪とぎは猫の本能のため、完全にやめさせるのは非常に困難です。爪とぎを単にやめさせるのではなく、爪とぎを行う場所を変えさせるのだと考えましょう。
猫専用の爪とぎグッズはペットショップやネット通販で購入できます。

ただし、猫の気分や性格によっては、設置した爪とぎグッズに興味を示さないこともあります。
そのときは、まず爪とぎグッズの置き場所や固定の仕方を変えて猫の気を引けないか試しましょう。それでも興味を示さないときには、別の爪とぎグッズの購入を検討します。

いつも破かれる箇所に爪とぎ防止シートを貼る

爪とぎ防止シート

※参考:明和グラビア

猫がいつも障子の決まった箇所だけを破る場合には、表面がツルツルしているタイプの爪とぎ防止シートが役立つことがあります。
普段から通り道などに使っている部分がツルツルしていると、猫はそこに爪を引っかけて破ることができず、破って通り抜けたりそこで爪をといだりすることをやめる場合があるのです。

ただし、別の場所を破るようになることもあるため、絶対に効果があるとは言えません。

猫が障子を破るときのおすすめ対策グッズ!

「猫が障子を破っちゃう」問題に直面しているときに役立つ、障子の破れ防止・おすすめグッズを紹介します。

障子紙+アクリル板

アクリル板

※参考:東急ハンズ

「障子紙+アクリル板」のセットアイテムは猫対策に有効です。アクリル板で障子紙を補強することには、次の2つのメリットがあります。

  • アクリル板が障子紙を猫から守る
  • アクリル板は光を通す性質があるため(光線透過率93%)、部屋が暗くならずに済む

アクリル板はホームセンターやネットショップなどで購入できます。

補強作業は、2枚のアクリル板で障子紙を裏表の両側から挟むように障子に固定する形です。
アクリル板の固定は、アクリル板と障子の大枠の木枠部分に、電気ドライバーで等間隔に穴を開け、ねじで止めます。
穴あけを急いで行ったりねじを強く締めすぎたりするとアクリル板が割れる恐れがあるため、注意が必要です。

100円ショップのワイヤーネット

アクリル板

※参考:BABABA

100円ショップのワイヤーネットも、猫から障子を守るのに使えるグッズです。障子紙を覆うようにワイヤーネットを障子の大枠に釘などで固定することで、猫が障子紙に触れることを防ぐことができます。

ただしこの方法には、以下のデメリットがあります。

  • 障子の見栄えが悪くなる
  • 釘などで固定するため、1度取り付けると簡単には取り外せない

マルカン「猫網戸脱走防止フェンス L」

猫網戸脱走防止フェンス

※引用:株式会社マルカン

少し高価ではありますが、猫が網戸を破って脱走するのを防ぐための猫網戸脱走防フェンスも役に立ちます。使い方はワイヤーネットと変わりませんが、ワイヤーネットよりも取り外しが簡単で、製品によっては障子の大きさに合わせ幅の調節が可能です。

ただし、取り付けるには障子の大枠にある程度の幅が必要な点に注意しましょう。

アサヒペン「超強プラスチック障子紙」

超強プラスチック障子紙

※引用:アサヒペン

猫などペットの引っかき傷に強いようにできているプラスチックの障子紙です。紫外線を95%カットするUVカット加工や、冷暖房効果をアップさせる機能も付いています。

ワーロン「ワーロンPETシート」

ワーロンPETシート

※引用:ワーロン

猫対策をしつつも和紙の障子にこだわりたい人や、和紙独特の風合いや光の通し具合がほしい人におすすめです。
天然素材の和紙をPET樹脂(ペットボトルの容器などに使われている素材)で加工した製品であり、ペットの引っかきなどの衝撃に強く、かつ和紙が通す光の柔らかさや風合いを活かした作りです。

ただし、ペット対策が施されているだけあって高価格なので、値段が気になる人は同社の「ホームワーロン紙」を選んでもよいかもしれません。
ペット用に加工されたものではないですが、通常の障子紙よりも丈夫にできており、ワーロンPETシートよりも安価で販売されています。

「猫が障子を破ってしまう」問題は昔から!?江戸時代も困っていた!

猫はすっかり日本人の生活に溶け込んでいますが、それは現代だけの話ではありません。

江戸時代の庶民に親しまれていた浮世絵(江戸時代によく描かれた風俗画)には、猫の姿がたくさんあります。女性が猫を抱いていたり、猫が服を着て人間のように振る舞っていたりなど、バリエーションもさまざまです。

猫は江戸時代の人々にも非常に可愛がられていました。

浮世絵 猫 団扇

※引用:「DAILYSUN

江戸時代は、和紙の生産量が増えたことを受け、それまでは高級品だった障子が庶民の家にも使われるようになった時代でもありました。そこで発生するのが「猫が障子を破ってしまう」問題です。

以下の画像は、江戸時代に活躍した浮世絵師である歌川国芳の作品『婦女鏡 豊』です。女性が上の方の障子を張り替えている間に、猫が下の方の障子を破っていることがわかります。

婦女鏡 豊

※引用:「名古屋市博物館 いつだって猫展公式Twitter

「猫が障子を破ってしまう」問題には、江戸時代の人々も頭を悩ませていたのですね。猫を飼い続ける限り、この問題と縁を切るのは難しそうです。

※参考:「ねこちゃんホンポ
障子の意味と歴史

まとめ

障子のある家で猫を飼うとき、どうしても向き合わざるを得ない「猫が障子を破ってしまう」問題。
しかし現在では、プラスチック製や特別な加工がされたものなど、破れにくい便利な障子紙が登場しています。

猫タワーで猫の運動不足を解消させたり、障子ではなく専用の爪とぎで爪をとがせるようにしたりなどの対策もあります。しかし、確実に問題を解決できるかわかりません。
猫が新しいグッズを好きになれなかったり、障子を遊び道具や爪とぎの場所として気に入っていたりしたら、効果を発揮しないからです。

「猫が障子を破ってしまう」問題に悩んでいるのであれば、障子紙を破れにくいものにするのが確実でしょう。この方法は猫タワーなどを使った対策のように、猫の気分や好みで左右されることはありません。

障子を張り替えた経験がなかったり、自信がなかったりする場合には、張り替え作業を業者にお願いしてもよいですね。

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