キッチンの壁紙クロスを選ぶときには、
- 壁紙クロスの機能性
- 壁紙クロスのデザイン
に注意しつつ、適切な施工を行う必要があります。
リビングや居室などと違って、キッチンは、
- 料理などで火を使う
- 洗い物などで水を使う
- 色々な汚れが飛散しやすい
- 生ゴミなど不衛生になりやすい
という特殊な環境です。
ですので、デザインだけで選んでしまうと、のちのち後悔しかねません。
機能性の高い壁紙クロスを選び、機能性が十分に発揮される確かな施工が重要になります。
この記事では、キッチンの壁紙クロスについて、
- 壁紙クロスの選び方
- DIYの方法と注意
- 業者に依頼するメリット
などを解説していきます。
キッチンの壁紙クロスの選び方
キッチンの壁紙クロスを選ぶときには、
- 壁紙クロスの機能性
- 壁紙クロスのデザイン
の2つを意識してください。
壁紙クロスの機能性
キッチンの壁紙クロスには、
- 防汚性能
- 抗菌性能
- 消臭性能
- 耐熱性能
- 防水性能
- 調湿性能
などが備わっている製品があります。
防汚性能
キッチンで料理をしていると、広範囲にわたって油汚れが飛散します。
飛散する範囲はかなり広いため、キッチン全体に油汚れが飛び散るものと考えましょう。
ほぼ毎日料理をすると思いますが、その度に油汚れは層を作っていきます。
油が、ホコリやゴミをサンドイッチしながら、ギトギトでしつこい嫌な汚れを蓄積していきます。
ですので、キッチンの壁紙クロスには「防汚性能」があるものを選びましょう。
防汚性能付きの壁紙は、
- 汚れが付きにくい
- 汚れが除去しやすい
という特徴があります。
(※防汚性能があるからといって、まったく掃除をしなくてよいわけではありません。)
防汚性能がある壁紙クロスであれば、簡単な拭き掃除で綺麗にできるので、メンテナンスの手間が軽くなります。
サンゲツであれば、
- フィルム汚れ防止・抗菌
- EBフィルム
- ウレタンコート
などが汚れに強い壁紙クロスとして発売されています。
とくに「フィルム汚れ防止・抗菌」の機能は、キッチン用の壁紙クロス向けに用意されているのでおすすめです。
抗菌性能
壁紙クロスに油汚れなどがこびりつくと、衛生面でも悪影響を及ぼします。
たとえば、カビにとっては、
- 油汚れ
- 皮脂汚れ
- 食材のカス
などは繁殖を助けるエサになります。
ひどい油汚れが付いていると、どんどんエサが吸着するので、かなり不衛生な状態になります。
ですので、キッチンの壁紙クロスには「抗菌性能」があるものを選びましょう。
サンゲツから発売されている「フィルム汚れ防止・抗菌」の壁紙クロスであれば、
- 大腸菌
- 黄色ブドウ球菌
- MRSA
などの増殖を、安全性に優れた無機銀系抗菌剤によって抑制してくれます。
小さなお子さんがいるご家庭であれば、壁紙クロスを触って遊んでいることも多々あるはずです。
大事なお子さんが重病にかからないためにも、抗菌性能のある壁紙クロスを選ぶようにしてはいかがでしょうか。
消臭性能
キッチンでは、
- 調理による臭い
- 汚れによる臭い
- 細菌による臭い
など、さまざまな悪臭が発生する可能性があります。
しつこい油汚れが何層にも重なってこびりついてしまうと、キッチン全体が臭くなり、すべての生活空間にまで影響を及ぼすようになります。
キッチンを快適に使うためにも、キッチンの壁紙クロスには「消臭性能」があるものを選びましょう。
サンゲツであれば、「ルームエアー」の壁紙クロスが最適です。
ルームエアーの場合、
- 表面に消臭剤を加工している
- 生活臭およびホルムアルデヒドにも有効
- 約10年持続する
という特徴を備えています。
洗い場付近に生ゴミ(野菜のカスなど)が放置されている場合、悪臭の原因になります。
ルームエアーの壁紙であれば、それらもまとめて対応してくれるので安心です。
耐熱性能
キッチンでも、コンロ付近に使用する壁紙クロスは「耐熱性能」があるものを選びましょう。
不燃材料を使っている壁紙クロスで、不燃認定を受けているものをいいます。
不燃認定を受けている壁紙であっても、
- 不燃性能
- 準不燃性能
- 難燃性能
のいずれによって認定を受けているかによって、認定基準が異なります。
それぞれ、
- 不燃性能:加熱開始後20分
- 準不燃性能:加熱開始後10分
- 難燃性能:加熱開始後5分
という基準が設けられていて、性能にかなりの開きが存在します。
また、難燃性素材を使用している壁紙クロスは、火事の時に「有毒ガス」を発生させます。
身体の健康にも気を使うのであれば、難燃性素材は避けたほうが無難でしょう。
防水性能
キッチンでも、洗い場付近に使用する壁紙クロスは「防水性能」があるものを選びましょう。
防水性能のない壁紙クロスを洗い場付近で使用すると、劣化速度が早くなります。
表面の痛みはもちろんですが、場合によっては、クロスと下地の間でカビが発生し、腐食に繋がることもあります。
調湿性能
国内メーカーから発売されている壁紙クロスの90%は、防カビ対策済みです。
高温多湿な日本の住空間に適した製品を開発しているので、国内メーカーの場合には、あまり心配はいりません。
ただし、
- よりしっかりと対策を施したい
- 国外メーカーの壁紙クロスがどうしても使いたい
という場合には、「調湿性能」がある壁紙クロスを選びましょう。
調湿性能付き壁紙クロスの場合には、空気中の湿気を適切にコントロールしてくれます。
漆喰の塗り壁にも同様の効果がありますが、適切な湿度に保たれていることで、カビの発生などに効果を発揮します。
もちろん、過ごしやすさにも関係するので、意識をして損をするものではありません。
壁紙クロスのデザイン
壁紙クロスのデザインを選ぶ時には、
- 派手な色や柄物の壁紙クロスは使わない
- アクセントの壁紙クロスは、あくまでもアクセントとして使う
- 他の住空間とのバランスを考えたトータルコーディネート
を意識してください。
派手な色や柄物の壁紙クロスは使わない
壁紙クロスを選ぶ時に、
- ショッキングピンク
- ハート柄
などを全面に使うことは、できるだけ避けましょう。
好きであれば仕方がないのですが、
- 派手な色
- 派手な柄
の壁紙クロスを全面に使ってしまうと、バランスの良いデザインにするのは困難です。
アクセントであっても、使いどころが難しく、細くラインを入れただけでも浮いてしまうことがあります。
キッチンは毎日使うことになると思いますが、目がチカチカして落ち着きのない雰囲気になってしまうのは、あまり歓迎できません。
どうしても、
- 派手な色
- 派手な柄
を使いたい場合には、完成イメージなどをしっかりと検討して、いつまでも使い続けたいキッチンかどうか念入りに考えてからにしましょう。
アクセントの壁紙クロスは、あくまでもアクセントとして使う
最近では、
- レンガ
- タイル
- 木目
など、おしゃれなアクセントクロスがたくさん発売されています。
統一感が取れているのであれば、大部分(場合によっては全面)に使用しても良いでしょう。
たとえば、床材にビンテージ調の木材を使っている場合に、アメリカンな雰囲気を出したい時などです。
しかし、一般的なキッチンであれば、あくまでもアクセントとして使うようにするのが無難です。
使い方としては、
- 広すぎない幅で、縦にアクセントを通す
- 全体を囲うように、横にアクセントを通す
- 天井のみ、すべてアクセントを使う(パステル調など、空間を広く見せるものがベター)
- 腰壁など一部にアクセントを使う
のが良いでしょう。
他の住空間とのバランスを考えたトータルコーディネート
他の住空間とは、
- ダイニング
- リビング
などです。
キッチンが独立したひとつの空間になっていることは稀でしょう。
基本的には、リビングやダイニングと繋がっているはずです。
ですので、調和を意識してください。
全体でバランスを取るためには、「ドア(扉)」を基準にしてみましょう。
ドア(扉)は、どの部屋であっても、ほとんど同じデザインが採用されています。
ドア(扉)を基準にしてデザインを考えていくと、自然と統一感が取れるようになるのでおすすめです。
DIYで対応するなら壁紙シール
キッチンの壁紙クロスを張り替える場合には、
- 機能性
- デザイン性
- 機能性が確保できる施工
が重要とお伝えしました。
ですので、自分でキッチンの壁紙クロスを張り替えることは、あまりおすすめはできません。
どうしても自分でキッチンの壁紙クロスを張り替えたい方は、「壁紙シール」を使ってみてはいかがでしょうか。
壁紙シールとは
壁紙シールを使う方法は、厳密には張り替えではありません。
壁紙クロスを張り替える場合には、
- 既存の壁紙クロスを剥がす
- 下地のメンテナンスをする
- 新しい壁紙を貼る
となります。
簡単そうに思えるのですが、想像以上に大変です。
既存の壁紙を剥がすくらいであれば、切れ込みを入れて、ザーッとめくるだけで終わります。
しかし、下地のメンテナンスや新しい壁紙を貼るのは、想像以上に大変な作業を強いられます。
下地のメンテナンスがしっかりとできていないと、どれだけ綺麗に貼っても、凸凹な仕上がりになります。
しっかりと下地が整えられたとしても、新しい壁紙クロスを貼る時には、
- 適切な空気の抜き方
- 柱などの凹凸部への対応
は、素人には難しく、どうしてもカッコ悪い仕上がりになります。
壁紙シールは、既存の壁紙を剥がさずに、上から貼り付けをします。
壁紙シールの裏面フィルムを剥がして、できるだけ綺麗に既存の壁紙クロスの上から貼り付けるだけです。
ですので、素人でも比較的簡単に作業をすることができます。
壁紙シールの注意点
壁紙シールを貼る場合には、既存の壁紙の上からで問題ありません。
ただし、既存の壁紙クロスが、
- ビニルの壁紙クロス
- 紙の壁紙クロス
のどちらなのかを必ず確認してください。
もし紙の壁紙クロスであれば、諦めるのが無難です。
とくに賃貸住宅の場合には、紙の壁紙クロスに貼り付けてしまうと、退去時に困ることになります。
退去の時には、壁紙シールを剥がして、原状回復させてから引き渡しをします。
しかし、壁紙シールを紙の壁紙クロスに貼り付けてしまうと、剥がす時に紙の壁紙クロスを痛める可能性が高くなります。
もともとの壁紙クロスにダメージが残ってしまうと、原状回復ができなくなるので、相応の補修費用を請求される可能性があります。
ビニルの壁紙クロスであっても、100%問題がないというわけではないですが、紙の壁紙クロスに比べると、うまく剥がれる可能性が高いです。
少しでもダメージを抑えたいのであれば、
- アクセントとして部分的に使用する
- 壁に貼るのではなく、キッチンの扉や冷蔵庫などに貼る
といった対応をしてください。
壁紙クロスの張り替えを業者に依頼する
もっとも良いのは、壁紙クロスの張り替えを業者に依頼することです。
業者に依頼した場合、
- 壁紙クロスの機能性
- 壁紙クロスのデザイン
- 壁紙クロスの施工
について、適切な対応を求めることができます。
リビングなどと違って、キッチンの壁紙クロスを張り替える場合には、考えるべきことがどうしても多くなります。
壁紙クロスの張り替えを業者に依頼したときの費用
使う壁紙クロスの種類にもよりますが、
- 壁紙クロスの張り替え工賃:1,000円〜1,500円前後(平米あたり)
- 養生費用:5,000円前後
- 下地処理費用:10,000円前後
- 運搬費用:10,000円前後
などがかかります。
一般的なキッチン(6畳・40平米)であれば、35,000円〜50,000円前後が相場です。
DIYで対応した場合、25,000円ほど節約可能ですが、
- 壁紙クロスの仕上がりがあまり良くない
- 壁紙クロスの無駄(および破損)が発生する
- 張り替えに要する時間が膨大
などのデメリットが確実に存在します。
とくに、
- 柱などの角め
- 棚などの障害物周辺
- 全体的な空気の抜け方
には、差が出やすくなります。
ところどころ凸凹になってしまい、せっかく張り替えたにも関わらず、どこかカッコ悪い印象になりかねません。
キッチンの壁紙クロスは「適切な素材選び」と「適切な施工」が大事
キッチンの壁紙クロスを選ぶときには、
- 壁紙クロスの機能性
- 壁紙クロスのデザイン
を意識します。
キッチンの壁紙クロスには、
- 防汚性能
- 抗菌性能
- 耐熱性能
- 防水性能
- 消臭性能
- 調湿性能
などが備わっている製品があります。
なかでも、
- 防汚性能
- 抗菌性能
- 消臭性能
は重要なポイントになります。
部分的ではありますが、
- 耐熱性能
- 防水性能
も意識して壁紙クロスを選ぶことで、長持ちさせることに繋がります。
壁紙クロスのデザインを選ぶ時には、
- 派手な色や柄物の壁紙クロスは使わない
- アクセントの壁紙クロスは、あくまでもアクセントとして使う
- 他の住空間とのバランスを考えたトータルコーディネート
を意識してください。
キッチン全体のバランスが取れていることも大事ですが、
- リビング
- ダイニング
など、隣接している空間とのバランスも意識してください。
トータルで考えれば、業者に張り替えを依頼するのがおすすめです。
業者に依頼した場合には、
- 壁紙クロスの機能性
- 壁紙クロスのデザイン
- 壁紙クロスの施工
について、適切な対応を求めることができます。
せっかく張り替えたとしても、
- いびつな施工で、気持ちよく過ごせる空間ではない
- いびつな施工で、すぐに壁紙クロスが痛んでしまった
- いびつな施工で、下地などに影響を与えてしまった
となれば、本末転倒です。
使う壁紙クロスの種類にもよりますが、
- 壁紙クロスの張り替え工賃:1,000円〜1,500円前後(平米あたり)
- 養生費用:5,000円前後
- 下地処理費用:10,000円前後
- 運搬費用:10,000円前後
などがかかります。
一般的なキッチン(6畳・40平米)であれば、35,000円〜50,000円前後が相場です。
DIYで対応したとしても、節約できる費用は25,000円ほどなので、
- 壁紙クロスの仕上がりがあまり良くない
- 壁紙クロスの無駄(および破損)が発生する
- 張り替えに要する時間が膨大
などのデメリットを考えると、十分に費用対効果が見込める範囲です。
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