賃貸住宅に住んでいる人に向けて、網戸の張り替えについて解説しているページです。
居住中に張り替えが必要になったときのことや、入居時、退去時の張り替えについて説明しています。
賃貸物件に住んでいる場合、網戸が破れたり壊れたりしたら対応に困りますよね。
夏の暑い時季や、換気をするときには窓を開け、網戸を使用した状態で室内に風を通します。
網戸は、長く使用していれば劣化してきます。破れたり、端の方が切れたりすることもあるでしょう。
しかし、賃貸住宅の場合、網戸は自分の所有物ではありません。勝手に網戸を張り替えると大家や管理会社とトラブルになるかもしれません。
古くてボロボロの状態から、自費で新しいものに張り替えるのだからいいだろう、と考える人もいるでしょう。
ここでは、賃貸住宅で網戸を張り替えたいときにはどうすればいいのか解説していきます。
目次
賃貸住宅の網戸はどういう扱い?
賃貸住宅での網戸の扱いに関して、法律などでは明確なルールは設けられていません。
賃貸住宅でのことは、借主と貸主との間の“賃貸借契約”で取り決めがなされています。
そのため、網戸の扱いも賃貸借契約書に記載されていることが多いです。
賃貸借契約書を確認してみよう
賃貸借契約書には、備品や消耗品に関するあつかいの仕方が記載されています。
住宅にはさまざまな消耗品や設備が備え付けられています。
通常は建物の一部として扱っているものでも、取り替え可能な「消耗品」や「設備」が多いです。どのような物が設備または消耗品に該当するのか、修繕義務に関しても明記されています。
網戸もその中の1つです。
自宅の賃貸借契約書に目を通し、網戸についてどう記載されているか確認してみましょう。
もし、賃貸借契約書に網戸の扱いに関する記載がなかった場合には、貸主や管理会社に問い合わせる必要があります。
網戸は消耗品として扱うのが基本
賃貸借契約では網戸は「消耗品」として扱われていることが多いです。
消耗品として扱うものに関しては、基本的に入居者の負担で交換を行わなければなりません。
東京都都市整備局では、賃貸住宅紛争防止条例を定めています。これは、賃貸借におけるトラブルを防止する目的で定めているものです。
そのなかで、網戸は消耗品ではなく、「破損等はしていないが次の入居者確保のために行うもの」と位置づけられています。そのため、賃貸借契約で網戸の扱いについて明確な定めがない場合には、貸主負担で張り替えできる場合もあります。
まれに設備として扱うことも
東京都の賃貸住宅紛争防止条例で定めているのは、あくまでガイドラインです。
大半の賃貸住宅では、ガイドライン通りの取り決めを行っています。しかし、まれにガイドラインとは異なる取り決めをするケースもあるのです。
賃貸住宅の網戸張り替えは勝手にやって大丈夫?
網戸が賃貸借契約上、どのような位置づけなのか分かったら、張り替えの検討を行います。
まずは管理会社や大家に相談してみよう
網戸が消耗品として扱われているのであれば、入居者が張り替えをして問題ありません。
しかし、念のため管理会社や大家に相談してみるのが望ましいです。賃貸借契約で消耗品と定めている場合でも、大家が善意で張り替え費用を支出してくれる場合もあるからです。
また、網戸を設備として取り扱っている場合には、勝手に張り替えを行うことはできません。張り替えが必要なときには管理会社や大家が行うので、破れている箇所などがあれば、連絡しましょう。
勝手に張り替えをするとトラブルになることも
管理会社や大家に連絡をせずに、勝手に網戸の張り替えを業者に依頼して行うのは、避けた方がよいでしょう。消耗品なら入居者が費用を出して張り替えを行えます。
しかし、勝手に業者に依頼すれば、その業者が出入りすることになります。依頼した網戸張り替え業者が家に来ているときに、管理会社や大家が家に来て鉢合わせになれば、トラブルになる可能性もあります。
また、網戸が設備として扱われているのであれば、トラブルになる可能性はさらに高いでしょう。
設備は、貸主が費用を負担して修繕や交換しますが、修繕方法や交換する設備の種類も貸主の判断で選びます。
入居者が勝手に設備を取り替えてはいけません。
入居時点で網戸が劣化していたらどうする?
賃貸住宅に入居する際には、消耗品などは一通り新しいものをそろえた状態になっているでしょう。設備なども、通常の使用で不便がないような状態に保たれています。
しかし、まれに消耗品や設備などに不備が見つかることもあります。たとえば、網戸が劣化しているような場合です。
そのようなときは、どうすればいいのか見ていきましょう。
管理会社や大家の負担で張り替えしてもらえる
賃貸住宅において入居時点で不備があれば、それが消耗品であっても、管理会社や大家が費用を負担して修繕しなければなりません。
民法606条1項に「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」と規定が置かれています。
※引用:民法第606条
通常は、新しい入居者を迎えるにあたって、ハウスクリーニング業者を頼んで清掃を行い、古くなっている消耗品の交換も行っています。しかし、見落としなどがあるかもしれません。
網戸の場合には、劣化しているのが少し見ただけでは分かりにくいこともあるでしょう。もろくなっていても、破れている箇所やほつれている箇所などがなければ、問題ない状態に見えることも多いです。
網の端の方が切れていたり、小さな穴が開いていたりしても気づかないケースもあります。そのようなときには、管理会社や大家に連絡しましょう。
最初からもろくなっていたり、穴が開いていたりした場合には、管理会社や大家が費用を負担して修繕してくれます。
すぐに連絡しなかった場合には…
網戸が劣化していたり穴などが見つかったりしたら、連絡はなるべく早めに行っておかなければなりません。入居当日に気づいたのであれば、その日のうちに管理会社や大家に電話しておくのが望ましいでしょう。
当日に気づけなかった場合には、数日程度経過していても、たいてい問題ないでしょう。
連絡するのが遅くなると、トラブルにつながる可能性もあるため注意しましょう。
では、連絡が遅れた場合によく起こるトラブルについて紹介していきます。
対応可能な期間が決まっていることも
入居時点で網戸に不備があった場合の対応は、賃貸借契約で具体的に取り決めを行っています。管理会社や大家が費用を負担して修繕するだけでなく、対応可能な期間も決まっていることが多いです。
そのため、連絡が遅れると、対応可能期間が過ぎ、管理会社や大家が修繕を行う義務はなくなります。
そうなれば、入居者が自費で修繕しなければなりません。
ただ、対応可能な期間は多くの場合、入居から2カ月程とやや長めの期間が定められています。
1週間や数日などの短い期間を定めているところはほとんどないでしょう。
1週間くらいだと、引っ越したばかりで慌ただしいですが、2カ月もあれば新生活も落ち着いてくるでしょう。
網戸の劣化に気づくのには十分な期間かもしれません。
最初からの破損か疑われる可能性
対応可能な期間が長いと、連絡も少しは先延ばしにしていても大丈夫と思う人もいるかもしれません。
しかし、連絡するのがあまり遅すぎると、本当に最初から破損していたのか疑われることもあります。
そのような疑いをかけられないためにも、網戸の劣化や穴などを見つけたら、その時点ですぐ連絡しておくべきです。
退去時には網戸はそのままでいい?
賃貸物件に住んでいる人の多くは、いずれ退去をします。
入居時に新しい網戸に張り替えがされていても、年月が過ぎれば、網戸も自然に劣化します。
では、退去時にボロボロになっている網戸をどうすればいいのか確認していきましょう。
借主には原状回復義務がある
賃貸住宅を退去する際には、借主は原状回復義務を負います。
しかし、必ずしも網戸を張り替えて新しくしないといけない訳ではありません。
原状回復義務とは
原状回復義務に関して、「入居時と同じ状態にしておかないといけない」と思う人もいるでしょう。
しかし、経年劣化による変化は原状回復義務の対象にはなりません。
原状回復義務は、借主の故意や過失で壊してしまった部分を元の状態に戻す義務のことを指します。壊したりとくに汚したりした箇所がなければ、借主が費用を支出して修繕を行う必要はありません。
原状回復義務は法律で明確な定めはありませんが、判例ではそのように範囲を定めています。
※参考:原状回復パートナーズ
原状回復義務の具体的な範囲に関しては、賃貸借契約で定めている場合がほとんどです。くわしくは賃貸借契約書を確認しましょう。
費用の負担や原状回復の方法などに関しても、消耗品や設備ごとに賃貸借契約で個別に決められていることが多いです。
退去時の網戸の扱いは?
網戸は設置から年月が経過すると、少しずつ劣化していくのが普通です。そのため、入居時に新しくてキレイだった網戸でも、退去時にはボロボロになっていることはよくあります。
そのため、賃貸借契約で「網戸は借主が退去時に修繕する義務を負う」旨の規定がない限り、原状回復義務の対象にはなりません。
東京都都市整備局が定めている賃貸住宅紛争防止条例においても、経年劣化による網戸の修繕は貸主が行うのが基本としています。
経年劣化だけの場合には張り替え不要
網戸を不注意で壊したり、子どもやペットが破ったりしたような場合には、退去時に修繕しなければなりません。
しかし、そのような事情がなければ、網戸がボロボロになっていたり穴が開いたりしていても、経年劣化による影響と判断されます。
経年による劣化の場合には、張り替えを借主が行う必要はありません。ただ、穴が開いているなど破損が明らかな場合には、念のため管理会社や大家に通知しておくのがいいでしょう。
不注意で壊してしまったため自ら修繕をする際にも、事前に管理会社や大家に連絡しておくのが無難です。
網戸の張り替えにかかる費用だけ借主が負担して、業者の手配などは管理会社や大家の方で行う場合もあるためです。
その場合には通常、あらかじめ預けてある敷金が使われます。
網戸張り替えの相場
賃貸住宅の場合、自分で業者に依頼して網戸の張り替えをする際には、相場を把握しておくことが大切です。
業者によって料金にやや幅がありますが、網戸張り替えの相場は、1枚あたり2,000~5,000円程度です。
網戸が小さければ比較的安く済み、大きければ高めになり、素材や網目の細かさなどによっても差があります。
網戸張り替えの相場に関してくわしくはこちらをご覧ください。
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網戸の種類
網戸の張り替えを業者に依頼するときは、どの種類の網戸にするか検討しなければなりません。
網戸は、主に素材や網目、色などにより種類が分かれます。使用環境に合わせて種類を選べば、より快適な環境で過ごせます。
網戸の種類に関してくわしくはこちらをチェックしてください。
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網戸の役割
網戸は、外の風を室内に通すと同時に、虫の侵入を防ぐ役割を果たしています。
また、外ではホコリが舞っていたり花粉が飛んでいたりします。網戸があれば、虫だけでなくホコリや花粉が入り込むこともある程度防止できるのです。
そのため、網戸が役に立つ場面は夏場だけではありません。
網戸が破れる原因
網戸は丈夫にできているので、そう簡単には破れないように思えるでしょう。新品の状態なら丈夫ですが、劣化するともろくなってきます。
そのため、古い網戸だと少しずつほつれる箇所がでてきて、ちょっとした拍子で穴が開くことも多いです。
また、ペットや子どもが穴を開けることもあります。
網戸が破れる原因に関して、くわしくはこちら。
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網戸の張り替え方
網戸の張り替えは業者に依頼するのが一般的ですが、DIYが得意な人なら自分で張り替えることもできます。
ホームセンターなどで、張り替え用のネットや網戸用ゴム、ローラー、クリップ、網戸用カッターなど必要な道具も購入可能です。
時間に余裕がある人や手先が器用な人なら、挑戦してみるのもいいかもしれません。
DIYでの網戸の張り替え方法についてはこちらをご覧ください。
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まとめ
賃貸住宅で網戸を張り替えたい場合には、基本的に借主が費用を負担すれば張り替えられます。
しかし、賃貸借契約で、通常とは異なる取り決めをしていることもまれにあります。
賃貸借契約書に網戸のあつかいについて記載されているので、確認しておきましょう。
また、トラブル防止のため、業者に依頼する前に管理会社や大家に相談するのが望ましいです。
自分で張り替えできるときには、ぜひイエコマにご相談ください。初回に限り6枚まで1,100円で張り替えいたします。
もちろん出張費などの名目で費用が追加されることはありません。
24時間365日いつでも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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