- 網戸に穴やほつれができて、窓を開けられない
- 網戸を張り替えたいが、自分でできるか不安
などお悩みではないでしょうか。
網戸の張り替えは、出来栄えに深くこだわらなければ、挑戦しやすいDIYです。
この記事では、張り替えの前の準備や道具、張り替えの手順、知っておくべきことを解説します。
さらに、プロに張り替えを依頼したほうがいいケースや張り替えサービスの相場も紹介するので、DIYに自信がない人もぜひ参考にしてください。
目次
網戸を張り替える前の準備
網戸を張り替える材料を買いそろえる前に、まずは以下のことを確認しましょう。
網戸のサイズ
購入する網戸ネットを決めるために、まずは網戸の幅と高さを確認します。
幅も高さも、枠まで含めた長さを測りましょう。ただし、網が途中で区切られている網戸では2枚のネットを張り替えるため、網戸全体の高さではなく途中の枠の端までを計測します。
枠を含めた網戸の横幅が約90cmの規格サイズの網戸であれば、一般的な市販の網戸ネット(幅91cm)で張り替えられます。
幅広の網戸の場合は、ネットが張られた部分の長さ+約10cm前後(張り替え時に左右にゆとりをもたせるため)が新しいネットに必要な幅です。自宅の網戸の幅に応じて、幅120cmや幅140cmのネットを選びましょう。
張り替えに必要なネットは、ロール状に巻かれた状態で販売されています。網戸の高さと張り替える網戸の枚数をかけて必要な長さを計算します。
張り替えに失敗してやり直すかもしれないことを想定し、ゆとりを持たせた長さを購入しておくと安心です。
押さえゴムのサイズ
網戸のネットは押さえゴムで網戸の枠に固定されています。押さえゴムのサイズは3.5ミリや4.5ミリなど複数あり、サイズが異なると使用できないので、購入前にゴムのサイズを確認しましょう。
押さえゴムは網戸の溝に押し込まれているので、そのままで正確なサイズを確認するのは難しいです。
溝を確認して押さえゴムの端を見つけ、下の写真のようにマイナスドライバーを差し入れて、少し引き出して直径を測ります。
ゴミの処分方法
張り替えて不要になった古いネットや押さえゴムは、ゴミとして適切に処分する必要があります。
住んでいる自治体のゴミの区分や処分方法を事前に確認しておくと、張り替えてからの作業がスムーズです。
網戸の張り替えに必要な道具
網戸張り替えに必要なものは以下のとおりです。ホームセンターや通信販売で購入できます。
準備するもの | 相場 |
網戸張り替え用ネット | 掃き出し窓1枚分(幅が約91cm、長さが約2m)の場合で300~500円 |
網押さえゴム | 掃き出し窓1枚あたり150~300円 |
網押さえローラー | 150~300円 |
クリップ | 2個で200~400円 |
カッター、または網戸専用カッター | 200~600円 |
プラスドライバー | 200~400円 |
マイナスドライバー | 200~400円 |
掃除用具(ブラシなど) | 200~300円 |
合計 | 1,600円~3,200円 |
それぞれについて簡単に紹介します。
網戸用ネット
出典:ダイオ化成株式会社
新しく網戸に張るネットです。
網目の細かさ(メッシュ)、材質、色によってそれぞれ特徴や性能が異なります。用途に応じて適切なネットを選びましょう。
網目の細かさ(メッシュ)
網目の細かさは、1平方インチ中に網目がいくつあるかを表す「メッシュ」という単位で表されます。性能のバランスが良く、費用も比較的リーズナブルな20~24メッシュのネットがおすすめです。
メッシュ | 特徴 |
---|---|
18・20メッシュ | ・最も一般的で広く使われているタイプ ・蚊やアブなどを防ぐには十分 ・風通しや見通しが良い |
24メッシュ | ・蚊やアブだけでなくコバエなども防ぐ ・風通しや見通しは良くない |
30メッシュ以上 | ・ごく小さな虫の侵入も防ぐ ・風通しは悪い |
網目が細かいほど防虫効果は高くなりますが、そのぶん価格が高くなり、また風通しが悪くなります。
網戸の材質
一般的なポリプロピレン製ネットは、リーズナブルで網戸ネットとして十分な機能を備えています。
ただし、「ペットが網戸をかんだり引っかいたりする」などの場合は、高価でも強度の高いポリエステル製やグラスファイバー製の方が望ましいでしょう。
材質 | 特徴 | 耐用年数 |
---|---|---|
ポリプロピレン | ・最も一般的なタイプ ・安価 ・色や目の細かさの種類が豊富 |
5~10年前後 |
ポリエステル | ・強度があり破れにくい ・ポリプロピレンよりも高価 |
約10年 |
グラスファイバー | ・強度があり破れにくい ・対候性※が高い ・熱に強い ・独特の光沢があり美観に優れる ・ポリエステルよりも高価 |
約10年 |
※対候性:日光や風雨にさらされる環境下での耐用性
ネットの色の種類
網戸ネットの色に黒・白・グレー・リバーシブルの4種類がありますが、グレーが最も一般的です。
黒 | ・室内から外の景色が見やすい ・外から室内が見えやすい ・ホコリ汚れが目立ちやすい ・景色の見えやすさを重視する場合におすすめ |
---|---|
白 | ・光を反射するので、外から室内をのぞかれにくい ・外の景色が見えづらい ・人の目が気になる場合におすすめ |
グレー | ・黒と白の中間の特徴を持つ ・景色の見えやすさと人の目の両方に配慮したい人におすすめ |
リバーシブル | ・外側はステンレスコーティングで銀色、内側は黒 ・外の景色は見やすく、かつ、室内をのぞかれにくい ・単色のネットより高価 ・「お金がかかってもよいので、外がしっかり見えて、かつ室内を見られにくい網戸にしたい」という場合におすすめ |
押さえゴム
ネットを枠の溝に固定するのに使用します。
出典:ダイオ化成株式会社
押さえゴムのサイズは、3.5mm、4.5mm、5.5mmのいずれかであることがほとんどです。
事前準備で確認したサイズがこの3種にぴったり合わない時は経年劣化でゴムが伸びてやせた可能性もあります。適合サイズより細いゴムではネットを押さえられないので、実測サイズよりやや太めのサイズを選ぶか、ゴムをむいて3段階に太さを替えられる商品を選ぶといいでしょう。
ローラー
押さえゴムを網戸の枠に押し込むための道具です。
専用のローラーを使わないと、押さえゴムがねじれたり、均一に押し込めずゴムが凸凹したりしてきれいに張り替えができません。
「指や棒でできそう」などと思わず、必ず専用のローラーを準備しましょう。
一般的なカッター、または網戸専用カッター
ネットを網戸の枠に固定した後、押さえゴムからはみ出した余分な部分をカットするのに使用します。
一般的なカッターでも、網戸専用のカッターでも、どちらでも構いません。
網戸専用カッターは、ネットをまっすぐ切ることができ、刃が外に出ていないので安全です。誤った形でネットを切ってしまうこともありません。
一方で、専用カッターの切れ味は一般的なカッターより劣るため、実際に使ってみると手間取ったり時間がかかったりする点に注意が必要です。
クリップ
出典:ダイオ化成株式会社
網戸張り替えの際に、ネットがずれないように固定するための道具です。
下側が水平になるように設計されているので、クリップを使っても枠がガタつかず作業しやすくなります。
作業のしやすさでは専用のクリップに劣りますが、一般的なクリップや大きめの洗濯バサミでも代用できます。
プラスドライバー、マイナスドライバー
プラスドライバーは、網戸を窓枠から外す際、網戸の外れ止めを解除するのに必要です。
マイナスドライバーは、古い押さえゴムを枠から外す時に使用します。
掃除道具(ブラシなど)
網戸の溝などに溜まった砂を落とすのに使います。
自分で網戸を張り替える7ステップの手順とコツ
網戸の取り外しと取り付けを含め、網戸を張り替える7ステップの手順とコツを解説します。
【1】網戸を窓枠から取り外す
網戸は、「外れ止め」と呼ばれる部品で窓枠に固定されています。
網戸の外れ止めは、網戸の上部にネジで止められています。プラスドライバーでネジをゆるめた後、「カチッ」と手ごたえがあるまで外れ止めを下に下げ、外れ止めを解除しましょう。
外れ止めは、網戸の左右両側に1個ずつ付いています。両方の外れ止めを解除しましょう。
外れ止めを解除したら、網戸を上に持ち上げるようにして網戸の下部を窓枠から外し、次に上部を窓枠から外します。
【2】古いネットを網戸の枠から外す
網戸の外側(ネットを押えているゴムが見える側)を上にして、網戸を平らなところに置きます。
下にレジャーシートを敷くとよいでしょう。網戸は汚れていることが多いので、室内で作業する場合は網戸で室内が汚れるのを防げます。屋外のコンクリート面などで作業する場合は、屋外の汚れが網戸に付くのを防げます。
網押さえゴムの切れ目が入った部分を探し、マイナスドライバーを差し入れてゴムの先端を浮かせ、手で枠を押さえながらゴムの先端を上に引っ張ってすべて外します。
ゴムを外したら、古いネットも簡単に外せます。
【3】網戸の枠を掃除する
網戸の枠は砂などが溜まっていることが多いです。そのままにしておくと、網戸を窓枠に戻す際に砂が窓回りにバラバラ落ち、後で掃除する羽目になるかもしれません。
【4】網戸の上に新しいネットをセットする
新しいネットを網戸の上に乗せます。
このときに意識しておきたいコツは、張り替え用ネットを、網戸の枠と平行になるように置くことです。
ネットの耳(横端の部分)を目印にして、斜めにならないように平行に置きます。このようにすることで、網目が斜めにならずきれいに仕上がります。
初心者やネットのずれが心配な人は、ネットがずれないように、網戸枠の4辺をクリップで留めるとよいでしょう。
購入したネットが網戸1枚分よりもずっと大きい場合(網戸2枚以上の張り替えに使えるサイズを買った場合など)は、作業しやすいよう、次のいずれかの方法を採るとよいでしょう。
- ネットを網戸の枠の内側より5~15cmほど大きいサイズにカットしてから、クリップで止める
- ネットのまだ使わない部分は巻いたままにしておく(巻かれた部分が重石となり、ネットが動きにくいようにしてくれます)
【5】網押さえゴムを溝に押し込む
網押さえローラーを使い、ネットをはさむようにして、網押さえゴムを網戸の溝の部分にはめます。
まずは、ゴムの先端から5㎝ほどの部分を、網戸の溝の角になっている部分に押し込みます。
次に、ゴムの角に押し込んだ部分からゴム先端まで(短い方)を、溝に押し込みます。
ゴムの残りの部分を、すでに溝に押し込んである部分に近い方から順に溝に押し込みます。
作業のコツは2つあります。
1つは、網押さえローラーの向きです。網押さえローラーを上から見ると、ゴムに直接当てるローラーの部分(円の部分)の片面が大きいことがわかります。
網押さえローラーを押し当ててゴムを網戸の枠の溝にはめる際には、ローラーの大きい方の面が網戸の内側を向くようにしましょう。
このようにすることで、ローラーが内側のネットを溝に引き込み、ネットのたるみが自然に取れてきれいに網戸を張り替えることができます。
2つ目は、張り替え用ネットは手で押さえる程度にして外側に引っ張らないことです。
ネットにたるみがあるとピンと張りたくなりますが、作業中にネットを外側に引っ張る必要はありません。ピンと張り過ぎると、常にネットにテンションをかけた状態になるため、劣化しやすくなります。
網押さえゴムを溝に入れ込む作業中は、網を引っ張るのではなく、上からしっかり押えることを心がけましょう。
【6】ゴムの外側にはみ出た張り替え用ネットをカットする
網戸の4辺にゴムを押し込み終わったら、はみ出たネットをカットします。
ネットとゴムを交換する作業は完了です。
【7】網戸を窓枠に戻す
下の写真のように、まず網戸の上部を窓枠に差し込みます。
次に網戸の下部を窓枠にはめた後、外れ止めを上に押し上げ、プラスドライバーでネジを締めたら終了です。
左右両方の外れ止めの操作を忘れないようにしましょう。
初心者が網戸を張り替える際の心得
初めて網戸をDIYで張り替えようと考えている人に知っておいてほしいポイントや注意点を紹介します。
ゴムを押し込む作業は意外と力が必要
網戸張り替えを紹介する動画などでは、押さえゴムを何の苦労もなくスイスイと溝に押し込んでいるように見えますね。
しかしこれは、慣れた職人さんがやっているからこその技です。いざ自身でやってみると、意外と力を使うことに驚くかもしれません。
網戸のネットは丈夫で切りにくい
網戸のネットは、屋外で紫外線や風雨にさらされることを踏まえ、一般的なポリプロピレン製であっても丈夫にできています。
カッターをどれだけ使い慣れているかどうかにもよりますが、初心者は思うようにキレイに切れない恐れがあります。
ネットは切りにくいものと心得て、しっかり力を入れて切りましょう。
ケガに注意しよう
ネットをしっかり切ることも大事ですが、力を入れ過ぎてケガをしないように注意することも重要です。
カッターを進ませる方向に手を置かないようにすれば、ケガの危険を減らせます。
網戸1枚の張り替えに30分以上かかることも
張り替えに慣れたプロは、1枚あたり5~15分程度で張り替えられますが、初心者は1枚あたり30分以上かかると見積もっておきましょう。
家じゅうの網戸を張り替えるなら1日では終わらないかもしれないことを踏まえて予定を立てるといいでしょう。
網戸張り替えは体力を消耗する
網戸張り替えは、見た目よりも力がいる作業です。かがんで作業をするので、腰にも負担がかかります。
また、とくに初心者の場合、ゴムをしっかり溝の奥まで押し込むのに手間取ったり、ネットを1回ではキレイに切れずカットし直したり、悪戦苦闘して体力を消耗する恐れが高いでしょう。
体力に自信がない人は、まとめて張り替えずに1日1枚ずつにするなど、無理のない範囲で作業を進めましょう。
きれいに張るには慣れが必要
たるみやゆるみなくネットを張るのは職人ならではの技で、初心者にはかなり難しい作業です。余分なネットをきれいに切るのもコツがいるので、不慣れな人では押さえゴムから端の糸があちこちに出ているような仕上がりになることもあります。
しかし、たるみやゆるみ、端の糸の飛び出しなどは、見た目は悪いものの網戸の性能には大きな影響がありません。DIYで網戸を張り替えるなら、多少のゆるみ・たるみは仕方ないと割り切ることも必要です。
網戸を張り替えるタイミング
網戸のネットが完全に破れてから慌てないように、網戸の張り替え時期を知り、準備をしておくとよいでしょう。
網戸のネットの寿命
網戸の材質や使用環境によっても変わりますが、網戸の寿命は5~10年といわれています。日当たりがよい場所や西日が当たる場所では、紫外線の影響で劣化が早い傾向にあります。
10年近く、あるいはそれ以上経っている網戸は張り替えを検討してもよいかもしれません。
網戸の張り替えサイン
以下の劣化が出ている網戸は張り替えを検討しましょう。
- 網に穴が開いていたり、網がほつれたりしている
- 網がたるんで、大きなすき間が生じている
- 枠から網が外れている箇所がある
業者に張り替えてもらったほうがいい場合
網戸の張り替えは比較的簡単にDIYができる作業ですが、以下の場合には業者に依頼することも検討しましょう。
網戸を1枚だけ張り替えたい場合
張り替えたい網戸が1枚だけの場合は、DIYで張り替えても費用の節約にならない恐れがあります。
ネットや押さえゴムに加えて網戸ロ―ラーやカッター、クリップまで買いそろえる場合は、1枚だけ張り替えるのは割高です。張り替える時間を時給換算して加算してみると、DIYの張り替えがさらに高く感じるでしょう。
リーズナブルな網戸張り替えサービスを行っている業者に依頼すれば、自分で張り替えるのとそれほど変わらない値段でプロの張り替えサービスが受けられます。
イエコマなら、1枚あたり1,100円(税込み/初回限定/6枚まで/出張料サービス)で網戸張り替えが可能です。自身で張り替えるよりもお得です!
仕上がりにこだわりたい場合
張り替えた網戸が確実にきれいに仕上がっていてほしい場合は、業者に張り替えてもらった方がよいでしょう。
網戸の張り替え自体は難しいことではないですが、「仕上がりを確実に完璧に」となると、初心者には難しいです。
ホコリや花粉症が心配な場合
次のいずれかに当てはまる場合は、網戸の張り替えのDIYは避けた方がよいかもしれません。
- 花粉症の人
- ホコリアレルギーの人
- 呼吸器系の持病がある人
網戸には、花粉やほこり、PM2.5などが付着しているケースが珍しくありません。
網戸の張り替え作業は、張り替えの作業中に飛散した花粉やほこり、PM2.5を吸う恐れがあります。
業者の網戸張り替えサービスの相場
網戸張り替え業者に依頼する場合の相場は、一般的なサイズの掃き出し窓※で3,000~6,000円前後です。
ただし、網戸の材質やネットの目の細かさ次第では、上記の相場より高額になることがあります。
業者によって目の細かさや選べる色が限られる点にも注意が必要です。また、張り替え代とは別に出張費がかかることもあるので、事前に料金の内訳を確認しましょう。
※掃き出し窓:床から天井近くまでの高さがある窓。高さ180cm、横幅90cm前後が一般的なサイズ。
まとめ
破れやほつれがあるからといって、網戸があるのに使わないのはもったいないです。早めに張り替えて、気軽に換気ができる快適な住環境を手に入れましょう。
この記事で紹介した手順で行えば、網戸張り替えのDIYは比較的簡単に行えます。ただし、力や体力が必要な作業であることや、プロと同じレベルの仕上がりにはならないことに気をつけましょう。
手間やお金をなるべくかけずにきれいな仕上がりの網戸張り替えをしたいなら、イエコマの網戸張り替えサービスがおすすめです。
イエコマのサービスを初めて利用する方に限り、1枚1,100円((税込み/初回限定/6枚まで/出張料も無料)でプロの網戸張り替えサービスを申し込めます。
ぜひ検討をしてみてくださいね。