カーポートの雨樋の取り付け・取り外し方法！部品の価格帯なども解説

カーポートの雨樋（あまどい）で水漏れや水のあふれが起きたとき、

• 自分で部品の交換や掃除をできるかな？
• 業者に修理してもらったら、お金はいくらかかるのかな？

このような疑問がわいてきますよね。

このページでは、カーポートの雨樋の構造、部品の取り外し方・取り付け方、業者に修理や清掃をしてもらった場合の費用の相場などを解説します。

カーポートの雨樋の不具合に対処する際に、ぜひご活用ください。

カーポートの雨樋の構造と部品

カーポートの雨樋は、次のような構造のものが多いです。

カーポートを構成する部品は、以下の7つになります。

• 軒樋（のきどい）
• 呼び樋
• ドレン
• 掃除口付きエルボ
• エルボ
• 縦樋（たてどい）
• 支持金具

それぞれの部品について、少しくわしく見ていきましょう。

軒樋・呼び樋

カーポートの屋根には傾斜がつけられており、屋根に降った雨水が、軒樋に流れ落ちるようになっています。軒樋はカーポートと一体になっていることが多いです。
雨水は、軒樋から呼び樋を通って縦樋に流れていきます。

なお、呼び樋の代わりにジャバラホースが付いている場合もあります。

ジャバラホース

出典:Sonitech　77-035131 カ-ポ-ト用雨樋部品 角ジャバラ止め ブロンズ
45Ｘ30 アイネット 角ジャバラ止め 45Ｘ30

ドレン・掃除口付きエルボ

軒樋と呼び樋の間にある部品です。軒樋と呼び樋をつないでいます。ドレンは「アタッチメント」と呼ばれることも多いです。

呼び樋ではなくジャバラホースが使われている場合は、掃除口付きエルボがなく、ジャバラホースがドレンに直接接続されているケースが多いです。

エルボ・縦樋・支持金具

エルボは、呼び樋と縦樋をつなぐL字型の短いパイプです。支持金具は、縦樋をカーポートの柱に固定する部品です。

カーポートの雨樋の部品の取り外し方・取り付け方

部品の割れや歪みでカーポートの雨樋が水漏れしている場合は、部品の交換で水漏れを解消できる可能性が高いです。

交換可能な部品はカーポートによって異なります。ここでは、交換可能であることが多い以下の部品の取り外し方・取り付け方を説明します。

• 呼び樋
• ジャバラホース
• ドレン
• 掃除口付きエルボ
• エルボ
• 縦樋
• 支持金具

ただし、カーポートの構造や状態によっては、以下の方法で取り外し・取り付けできない場合もあります。
部品を力任せに取り外し・取り付けしようとすると部品が破損する恐れがあるので、注意してください。

呼び樋

取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• カーポート用縦樋
• メジャー
• パイプソー
• ドライバー

カーポート用縦樋

出典:美濃化学工業株式会社 雨樋部品

メジャー

パイプソー

出典:ゼットソー パイプソーシリーズ

ドライバー

呼び樋として使われている部品は縦樋と同じものです。そのため、呼び樋の交換にはカーポート用縦樋を使います。

呼び樋を取り外す手順は以下です。

1. ドレンを固定しているネジをドライバーでゆるめ、ドレンを取り外しましょう。呼び樋を取り外すには、まずドレンを取り外すことが必要です。

2. 呼び樋をエルボ（呼び樋と縦樋をつないでいるエルボ）から外し、掃除口付きエルボを呼び樋から外します。通常、手で引っ張るだけで取り外せます。

呼び樋を取り付ける手順は以下です。

1. 取り外した呼び樋の長さをメジャーで測ります。

2. 新しく買ったカーポート用縦樋を、取り外した呼び樋と同じ長さになるように、パイプソー（パイプ切断用の刃物）でカットします。

3. 元あった呼び樋と同じように、カットしたカーポート用縦樋の片側に掃除口付きエルボをはめ、もう片側をエルボにはめます。

4. 呼び樋・掃除口付きエルボ・ドレンが接続された状態で、ドレンを元あったようにネジで固定します。

ジャバラホース

ジャバラホースは、通常、とくに道具がなくても手で引っ張って取り外し・取り付けが可能です。

1. 新しいジャバラホースを購入します。

2. 古いジャバラホースを取り外します。

3. 古いジャバラホースが元あったように、新しいジャバラホースを取り付けます。

上記の手順で交換完了となります。

ドレン

取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• 新しいドレン
• 新しいネジ
• 電動ドライバー
• エポキシパテ金属用

ドレンとネジ

出典:Sonitech　カーポート用雨樋部品 丸アタッチメント・パッキン 42型ビス付
ブロンズ/ブラック/グレー/ホワイト アイネット

電動ドライバー

エポキシパテ

出典:CEMEDINE　エポキシパテ金属用

ドレンはネジで固定されています。電動ドライバーでネジをゆるめ、軒樋・掃除口付きエルボからドレンを引き抜き、取り外します。

新しいドレンの取り付け方は以下です。

1. ドレンが固定されていた古いネジ穴を、金属用のエポキシパテで埋めます。エポキシパテのくわしい使い方は、『エポキシパテ金属用』の製品説明を確認してください。

2. 電動ドライバーで、ドレンを固定する新しいネジ穴を軒樋に空けます。

3. 新しいネジ穴に、新しいドレンの位置を合わせ、電動ドライバーと新しいネジでドレンを固定します。

4. 古いドレンが元あったように、新しいドレンに掃除口付きエルボをはめます。

掃除口付きエルボ

取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• 新しい掃除口付きエルボ
• ドライバー

掃除口付きエルボを取り外す手順は以下です。

1. ドレンを固定しているネジをドライバーでゆるめ、ドレンを取り外しましょう。掃除口付きエルボを取り外すには、まずドレンを取り外すことが必要です。

2. 掃除口付きエルボを、ドレン・呼び樋から取り外します。通常、手で引っ張るだけで取り外せます。

掃除口付きエルボを取り付ける手順は以下です。

1. 新しい掃除口付きエルボを、元あった掃除口付きエルボと同じように、ドレン・呼び樋にはめます。

2. ドレンを元あったようにネジで固定します。

エルボ

取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• 新しいエルボ
• ドライバー

エルボ

出典:Sonitech　カーポート用雨樋部品 丸９２゜エルボ 42型 ブロンズ/ブラック/グレー/ホワイト
アイネット

エルボを取り外す手順は以下です。

1. ドレンを固定しているネジをドライバーでゆるめ、ドレンを取り外しましょう。エルボを取り外すには、まずドレンを取り外すことが必要です。

2. エルボを、呼び樋・縦樋から取り外します。通常、手で引っ張るだけで取り外せます。

エルボを取り付ける手順は以下です。

1. 新しいエルボを、元あったエルボと同じように、呼び樋・縦樋にはめます。

2. 呼び樋・掃除口付きエルボ・ドレンが接続された状態で、ドレンを元あったようにネジで固定します。

縦樋

縦樋の取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• カーポート用縦樋
• メジャー
• パイプソー
• 電動ドライバー（縦樋を支持金具ごと取り外す場合）

縦樋の取り外しは、道具がなくても取り外し可能な場合と、そうではない場合とで手順が異なります。

支持金具の、縦樋を支えている部分を確認しましょう。手で開け閉めできる留め具（爪と呼ばれます）が付いていれば、留め具を操作して縦樋を外せます。

留め具がない場合は、支持金具ごとカーポートの柱から取り外します。支持金具はネジで固定されていることが多く、取り外すにはドライバーが必要です。

古い縦樋を取り外した後、新しい縦樋を取り付ける手順は以下です。

1. 取り外した古い縦樋の長さをメジャーで測ります。

2. 新しく買ったカーポート用縦樋を、取り外した縦樋と同じ長さになるように、パイプソーでカットします。

3. 元あった縦樋と同じように、カットしたカーポート用縦樋をカーポートの柱に支持金具で固定します。

支持金具

支持金具の取り外し・取り付けに必要なものは以下です。

• 新しい支持金具
• 新しい支持金具を固定するネジ
• 電動ドライバー

カーポートの雨樋の支持金具はネジで固定されていることが多いです。
このため、取り外し・取り付けの作業は以下のようになります。

1. 電動ドライバーで、古い支持金具を固定しているネジをゆるめ、支持金具を外す

2. 新しい支持金具を、電動ドライバーとネジでカーポートの柱に固定する

新しい支持金具は、古い支持金具が元あった位置から、上下いずれかの方向に少しずらして設置することになります。古いネジ穴を避け、新しいネジ穴を空けて支持金具を設置する必要があるためです。

カーポートの雨樋の部品が買える場所と価格帯

カーポートの雨樋の部品は、以下のいずれかで購入できます。

• ホームセンター
• ネット通販

部品ごとの価格帯は以下です。

カーポート用縦樋	1,000円弱～2,000円程度／本 ※1本あたり長さ1～2ｍ
ドレン	数百円／個
掃除口付きエルボ	数百円～1,000円程度／個
ジャバラホース （ジャバラ止め付き）	1,000円弱～2,000円程度／本 ※1本あたり長さ50ｃｍ前後
エルボ	数百円／個
支持金具	数百円／個

※上記の価格帯はあくまで目安です。

カーポートの雨樋の掃除方法

雨樋に詰まった落ち葉などが原因で雨水のあふれが起きることもあります。この場合には掃除が必要です。

雨樋の部位別に、掃除方法を解説します。

軒樋

必要な道具は以下です。

• 軍手
• トング
• ゴミ袋
• 踏み台、または脚立

戸建て住宅のカーポートの軒樋は、2.2～2.5ｍほどの高さのものが多いです。このため、掃除には高さのある踏み台か脚立が必要になります。
作業者の身長なども考慮し、必要な高さの踏み台か脚立を用意しましょう。

基本的な掃除方法は、「脚立に上がり、樋に溜まった落ち葉などのゴミをトングでゴミ袋に回収する」というものです。

掃除口付きエルボ

掃除口付きエルボに溜まったゴミは、掃除口を開けて取り除くことが可能です。

内部にゴミが溜まっている場合、掃除口を開けた瞬間にゴミが落ちてくる恐れがあるので注意しましょう。

呼び樋・エルボ・縦樋

掃除方法は次の3通りがあります。

部品をいったん取り外す方法

1つめは、部品を取り外し、内部のゴミをかき出したり押し出したりして除去した後、元のように取り付ける方法です。
手間がかかりますが、ひどい詰まりでも解消できる可能性が高いです。

回転ワイヤー式のパイプクリーナーを使う方法

回転ワイヤー式のパイプクリーナーとは、先端がブラシになっているワイヤーをパイプなどの中に通し清掃する器具です。
持ち手のハンドルを回すことでブラシが回転し、パイプ内の汚れやゴミを落とすことができます。

部品をいったん取り外す方法に比べると手間は少ないですが、詰まりの程度などによっては、呼び樋や縦樋の途中でブラシが引っかかってしまい、詰まりを解消できない恐れもあります。

出典:Felimoa
回転式 5m/10m パイプ クリーナー ワイヤー 詰まり取り お風呂 トイレ 洗面所 排水口 下水 修理 解消 (5m)

高圧洗浄機を使う方法

高圧洗浄機で、ドレンから呼び樋・エルボ・縦樋の内部に高圧の水を流し、強い水の勢いでゴミを外へ押し出す方法です。

高圧洗浄機を使いこなすことができれば、樋の内部を効率よく洗浄できます。

ただし、高圧洗浄機でカーポートの雨樋を洗浄するには、脚立に上がった状態で高圧洗浄機を操作しなければなりません。

脚立や高圧洗浄機の使用に慣れていないと、脚立から転落する恐れもある点に注意しましょう。

カーポートの雨樋を自分でメンテナンスするときの注意点

カーポートの雨樋の修理や清掃を自分で行う際には、次の3点に注意しましょう。

部品の購入は形とサイズに注意

形・サイズ・材質の合った部品でないと、雨樋に取り付けられません。
既存の古い部品の形やサイズを事前によく確認してから部品を買いましょう。

工具の取り扱いに注意

交換する部品によっては、電動ドライバーや刃物を使うことになります。
これらは使っていてケガをする恐れがあるものなので、取り扱いに十分注意しましょう。

脚立からの転落に注意

作業内容や作業者の身長によっては、脚立で1ｍ前後の高さまで上がる場合もあるでしょう。

「1mは一命取る」という安全衛生の標語があるように、足元の高さが1ｍあれば、転落事故で大けがをしたり命を落としたりする恐れが出てきます。

脚立を正しく安全に使い、事故のないようにくれぐれも気を付けましょう。

参考:厚生労働省 福岡労働局
STOP！墜落・転落災害～ 合言葉は『1mは一命取る』運動 ～

業者のカーポート雨樋の交換・清掃の料金目安

業者にカーポートの雨樋の交換・清掃を依頼した場合の相場は以下です。

部分交換	10,000～20,000円／箇所
全体交換	30,000～50,000円
清掃	5,000円前後

※車1台用のカーポートの場合です。

ただし、カーポートの大きさや状態によっては、上記よりも高い金額になることもあります。

プロのカーポート雨樋メンテナンスのメリット・デメリット

「DIYに挑戦してみるか、プロに依頼するか」と悩んでいる人もいるでしょう。
プロのカーポート雨樋メンテナンスをDIYと比較した場合のメリット・デメリットを紹介しますので、参考にしてください。

メリット

プロのカーポート雨樋メンテナンスのメリットは、次の2つです。

確実に直してもらえる

経験やノウハウのあるプロであれば、カーポートの雨樋で起こっている問題（水漏れや水のあふれなど）を確実に解決できます。

自分で部品の交換などに挑戦した場合、「割れていた部品を交換したら、部品同士のつなぎ目から水漏れするようになってしまった」などのこともありえますが、プロの施工ならその心配はありません。

万が一施工後に問題が生じても、きちんとした業者であれば、アフターフォローで対応してくれるはずです。

臨機応変に対応してもらえる

プロであれば、住宅設備のメンテナンスで起こりうる次のようなことに臨機応変に対応できます。

• 状態をよく確認したら、修理した方がよい箇所が思っていたよりも多かった
• 使われている部品が古い型であり、生産終了しているため、同じ型で交換はできない

経験や知識がそれほど豊富ではない状態で臨むDIYは、上記のようなことに対応しづらいでしょう。
「想定外のことで作業が途中でストップし、修理中の中途半端な状態で雨樋を放置せざるを得なくなった」などのこともありえます。

プロに依頼すれば、修理がスムーズ・スマートに進む可能性が高いです。

デメリット

プロに依頼することのデメリットは、やはりお金がかかることです。

DIYであれば費用は基本的に材料費のみですが、業者に対応してもらう場合は、出張費や人件費が発生します。

とはいえ、「DIYの方が絶対にお得」とはいえない点に注意が必要です。

DIYで直すとなると、既存の雨樋の部品のサイズを測ったり、ちょうどいい部品をホームセンターやネット通販で探したり、準備だけでも時間がかかります。慣れていなければなおさらです。

少し多めにお金がかかっても業者に対応してもらい、空いた時間を別のことに使う方が有意義かもしれません。

業者の選び方のポイント

「カーポートの雨樋のメンテナンスを、どこの業者に依頼するか」を検討する際には、次の3つのポイントを確認しましょう。

• 実績のある会社か（施工事例などをホームページなどで確認しましょう）
• 保証やアフターフォローがあるか（何かあったとき安心です）
• 作業内容や料金を事前にていねいに説明してくれるか（事前説明はトラブル防止になります）

上記に加え、複数の業者を比較検討することも大切です。
比較検討することで、それぞれの業者の良いところや特徴が見えてきます。

雨樋の水漏れの応急処置の方法

カーポートの雨樋の修理を業者に依頼しても、業者がすぐに来られるとは限りません。
そんなときに便利なのが、防水アルミテープや雨樋補修テープなどの製品です。

出典:ニトムズ

つなぎ目やひび、小さな穴などにテープを貼ることで、水漏れをいったん留めることができます。

まとめ

カーポートの雨樋は、ホームセンターやネット通販で購入可能な部品や道具で修理できることが多いです。

しかし、脚立に上がらないと手が届かない箇所のメンテナンスは、脚立からの転落などで大ケガをする恐れがあるので十分注意しましょう。

何か不安がある場合は、プロに作業を依頼するのがおすすめです。

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