数年間貼りっぱなしのポスターを外すと、周りとの色の違いに驚いた経験のある人もいるでしょう。
普通に生活を送っていると気づきにくいですが、壁紙にはさまざまな汚れが付着しています。
こうした壁紙の汚れをきれいにするにはどうすれば良いのでしょうか?
目次
壁紙には想像以上にさまざまな汚れが付着している!
壁紙には、人が生活していく中で、さまざまな汚れが付着していきます。
手あかやほこり、油汚れやたばこのヤニ汚れ、子供のクレヨンや何かこすってしまったものなど、その汚れはさまざまです。
汚れがないと部屋が明るく見える
壁紙に付着した汚れは放っておくとどんどん蓄積していきますが、定期的に適切な方法で掃除を行えば、壁紙をきれいに保つことができるのです。
壁紙の汚れた部屋と、壁紙の汚れのない部屋を見比べてみると同じ部屋でも明るさすら違って見えます。
※引用元:みんなの住まい
壁紙は機能性を重視して選ぶとよい?
壁紙は色やデザインを重視して決めることが多いでしょう。
もちろん、色やデザインも大切ですが、それ以上に機能性の面もよく検討するのがオススメです。
ペットを室内で飼っていたり、たばこを吸う人がいたりする場合はもちろん、防カビ機能や防汚機能のついた壁紙にすることで、掃除をせずとも壁紙をきれいに保ちやすくなります。
壁紙の素材別!汚れの落とし方
壁紙にはビニールクロスや紙のもの、珪藻土(けいそうど)のものなどがありますが、素材により汚れ落としの方法が少し異なります。
ビニールクロス
※引用元:住宅サポート建築研究所
ビニールクロスは日本でもっとも普及している壁紙で、壁紙自体に防汚機能や防カビ機能などが付いているものもあり、お手入れは比較的簡単です。
水拭きや洗剤を使った掃除が行いやすいですが、洗剤を使用して掃除した後、壁紙に洗剤が残っていると変色の原因になることもあるため、入念に拭きとることが大切です。
紙壁紙
※引用元:楽天市場
紙壁紙は欧米からの輸入品として使われる壁紙や、日本国内の場合和紙を使った壁紙などが人気です。
基本的には傷や擦れに弱く、また水汚れは染みこんでしまいます。
紙壁紙を掃除する際の水拭きはNGです。
紙壁紙の場合普段から汚れないよう注意するのが一番ですが、手あかなどの汚れは消しゴムを使って落とすこともできます。
珪藻土壁紙
※引用元:楽天市場
珪藻土壁紙は自然素材である珪藻土を使った壁紙です。
珪藻土は、二酸化ケイ素を主成分とする殻が海底や湖底に堆積して化石化したものです。直径2~50ナノメートルの細孔を無数に持つことにより、調湿作用を持ちます。
水拭きすると水を吸い取ってしまうため、紙壁紙と同様水拭きは好ましくありません。
洗剤や漂白剤を使った掃除も基本的にはNGで、掃除の際は固く絞ったぞうきんでたたくようにして行います。
織物壁紙
※引用元:楽天市場
織物壁紙は布クロスとも呼ばれることのある壁紙です。
厚手で凹凸感のある布地が特徴ですが、紙や珪藻土と同じく水気を吸い取る性質を持つため水拭きは好ましくありません。
掃除の際には固く絞ったぞうきんでたたくようにして行いましょう。
壁紙の掃除に使う洗剤とオススメアイテム
ここでは、ビニールクロスの壁紙の掃除に使う洗剤とオススメアイテムを紹介します。
壁紙に使う洗剤の種類
壁紙の掃除に使う洗剤の種類には、天然植物系洗剤と中性洗剤、アルカリ性洗剤の3つがあります。
天然植物系洗剤
天然植物系洗剤は汚れをよく落とすのに加え、臭いも少なく環境に優しい洗剤です。
手あかの汚れやたばこのヤニを原因とする汚れと相性が良いです。
中性洗剤
中性洗剤はアルカリ性洗剤や酸性洗剤に比べ、一般的に洗浄力は弱いです。しかし、「界面活性剤」という成分のおかげで、油汚れに強いのが特徴です。
アルカリ性洗剤
アルカリ性洗剤はそのアルカリ性の度合いに応じて強い洗浄力を持ち、油や手あか汚れ、たばこのヤニに高い効果を発揮します。
壁紙の掃除では重曹とセスキ炭酸ソーダが活躍します。
重曹&酢
高い洗浄力を持つアルカリ性洗剤ですが、中性洗剤や天然植物系洗剤と比べると肌への影響などが心配です。特に小さなお子様のいる家庭だと不安に感じる人も多いでしょう。
重曹や酢は、アルカリ性洗剤でありながら自然由来の成分でできており、肌に触れても安心です。
重曹は多くの汚れに効果的です。
また、重曹で取れない頑固な汚れに対しては、お酢を2倍の水で割ったものを吹き付けることで効果を高められます。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは重曹と同じく自然素材のアルカリ性洗剤ですが、重曹よりアルカリ性が強く、高い洗浄力を持ちます。
セスキ炭酸ソーダも重曹と同じく多くの汚れに効果的です。
メラミンスポンジ
壁紙の掃除に役立つのがメラミンスポンジ。
壁紙には表面に凹凸のあることが多く、凹み部分に汚れがたまってしまいます。しかし、メラミンスポンジを使えば、手軽に汚れを取り除くことができます。
ただし、擦り過ぎると壁紙を痛めてしまうため注意が必要です。
歯ブラシと歯みがき粉
メラミンスポンジと同様、細かな汚れを取り除くのに便利なのが歯ブラシです。
また、歯みがき粉はお子さんが落書きしてしまったクレヨンの掃除に効果的です。
クイックルワイパー
高いところにある壁紙の掃除に役立つのがクイックルワイパーです。
クイックルワイパーの先に布を巻きつけることで、広い範囲を掃除することが可能になります。
汚れ別|壁紙の汚れ落しの方法
壁紙の掃除に使う洗剤やアイテムを紹介しましたが、壁紙についた汚れは、その汚れの種類ごとに効果的な掃除方法が異なります。
手あかが原因の汚れ
手あかが原因の汚れは、ぞうきんを使った水拭き、乾拭きなどの一般的な掃除に加えて、アルカリ性の洗剤(重曹やセスキ炭酸ソーダ)を使って掃除すると効果的です。
喫煙によるヤニの付着が原因の汚れ
喫煙によるヤニの付着が原因の汚れの場合も、アルカリ性の洗剤(重曹やセスキ炭酸ソーダ)が効果的です。
油を原因とする汚れ
キッチン周りなど、油を原因とする汚れの場合は、中性洗剤やアルカリ性洗剤を使った掃除が効果的です。
また、油の汚れは油で掃除をするのも効果的です。油を染み込ませたぞうきんで汚れを拭き取るか、油の成分が含まれたせっけんを使うとよいでしょう。
ボールペンやクレヨンによる汚れ
ボールペン、クレヨンともに、油を原因とする汚れと同じ方法で掃除できます。
また、以下の方法も効果的です。
- クレヨン:歯みがき粉
- 油性マジックやボールペンの汚れ:消毒液(エタノール)
カビ汚れ
壁紙にカビが生えてしまったことによる汚れは、重曹や酢などを使って汚れを落とすのが効果的です。
汚れ | 効果の高いもの | |
手あか | 重曹 | セスキ炭酸ソーダ |
ヤニ | 重曹 | セスキ炭酸ソーダ |
油 | 油 | 中性洗剤 |
クレヨン・ボールペン | 消毒液 | 歯磨き粉 |
カビ | 重曹 | 酢 |
壁紙の汚れを落とす流れ
それでは、実際に壁紙の汚れを落とす流れを見ていきましょう。
一般的な壁汚れの落とし方
まず、汚れの種類に関わらず一般的な汚れの掃除方法をお伝えします。
- まずはホコリを落とす
- 洗剤を含ませて拭く
- 水拭き〜乾拭きする
ハタキなどでホコリを落としたり、壁に掃除機をあてて吸い取ったりします。
次に、重曹や中性洗剤など身近にある洗剤を含ませたぞうきんなどで壁紙を拭きましょう。
ぬるま湯をバケツに溜め、洗剤を適量入れてぞうきんを浸して絞ります。
壁紙を拭く際にはゴシゴシ擦ると壁紙を傷めてしまう危険があるため、注意が必要です。
壁紙に洗剤が残っているとシミになることがあるため、洗剤で壁紙を掃除した後は必ず水拭きと乾拭きをするようにします。
ここまでの方法である程度汚れを取り除くことができますが、これでも落ちない場合には他の方法を探す必要があります。
手あかの汚れには重曹を使う
重曹を水に溶かしてスプレー容器に入れ、重曹スプレーを用意すると便利です。
- 重曹水を作る
- 重曹水をスプレーする
- 水拭きと乾拭きで仕上げる
重曹水は、水100mlに対して重曹を小さじ1杯ほど溶かします。
重曹水をスプレー容器に入れ、汚れの目立つ部分にスプレーを直接吹きかけます。
重曹水を吹き付けた後、しばらく時間をおくと汚れが落ちやすくなります。
時間が経ったら水拭きして汚れを落としつつ重曹を取り除き、水拭きが終わったら乾拭きします。
重曹が壁に残ると白い跡が残ってしまうため、この工程は丁寧に行いましょう。
また、重曹の代わりにセスキ炭酸ソーダを使うと、より高い洗浄力を得ることができます。
カビには重曹とお酢
壁紙にカビが生えてしまった時は重曹スプレーと、水で2倍に薄めたお酢による掃除が効果的です。
重曹スプレーを作る手順はこれまでと同様です。
- お酢を2倍の水で薄めたぞうきんでカビを拭き取る
- 重曹スプレーを吹きかける
- 水吹き〜乾拭きをする
お酢でカビを拭き取ったら同じ箇所に重曹スプレーを吹きかけます。
お酢でカビを拭き取った後、重曹でカビの温床となる汚れを落とすことでカビの再発生を抑えます。
少し時間をおいたら水拭きして重曹水をきれいに拭き取り、最後に乾拭きして仕上げます。
油汚れに効果的な重曹ペースト
油汚れにも重曹は効果的ですが、ペースト状にしてパックする方法でさらに効果を高めることができます。
- 重曹ペーストを作る
- 重曹ペーストを付けラップを貼り付ける
- 水拭き〜乾拭きする
重曹水を作るときより重曹を多めにし、水を少なめにして重曹ペーストを作ります。
油汚れの部分に、汚れが隠れるくらい重曹ペーストをつけ、上からラップをつけることでパック状態にします。
このままの状態で10分ほど放置しましょう。
時間が経ったら水拭きして重曹を拭き取り、仕上げに乾拭きします。
重曹ペーストがきれいに取れないときは、薄めた酢をスプレーすると落ちやすくなります。
たばこのヤニには塩素系漂白剤を使う
たばこのヤニにも重曹やセスキ炭酸ソーダが有効ですが、塩素系漂白剤を使うのもオススメです。
塩素系漂白剤を使うときは、色のついた壁紙が白くなってしまう危険性があるため、基本的には白い壁紙のところだけにしましょう。
また、使用時にはゴム手袋を使うようにします。
- 塩素系漂白剤と5倍の水を混ぜてスプレー容器に入れる
- ヤニで汚れた部分にスプレーを吹き付ける
- 水拭きと乾拭きで仕上げる
スプレーを吹き付ける際には周辺によく気をつけるとともに、肌荒れや、目に入ると失明の危険性もあるため、自分の体にかからないようにしましょう。
少し時間を置き、水拭きして漂白剤を拭き取り、乾拭きして仕上げます。
業者に壁紙の掃除を依頼する
ここまで、自分で壁紙の掃除をすることを前提にお話をしてきましたが、実は壁紙をきれいに仕上げるのはそう簡単なことではありません。
自分でするのと業者にお願いするのとどう違う?
壁紙の掃除で難しいのは、ムラなくきれいに掃除することです。
通常の汚れであれば洗剤を使ってきれいにできますが、ヤニや油が染み込んでいると掃除によりムラが残ってしまい、掃除前より掃除後の方が汚く見えてしまうこともあります。
そこまでひどい汚れでなければ、自分で掃除してもきれいに拭き取ることができます。しかし、汚れが染み込んでしまっているような場合には、業者に依頼することをオススメします。
費用はどのくらいかかる?
壁紙の掃除を業者に依頼すると、約500円~/㎡が相場です。実際には、職人の人件費の都合上、1部屋で1万円程度以上かかることが多いようです。
場合によっては、張り替えた方が安くつくか同等の金額になることもあります。
イエコマの壁紙張り替え
イエコマでは、壁紙張り替えの際の現地調査・お見積りを無料で対応しています。
また、イエコマでは壁紙の補修にも対応しており、補修の場合は以下の金額で工事を承っています。
- 1か所3,800円
- 2か所目以降800円/カ所
壁紙張り替え、壁紙補修共に戸建て専門のスタッフが丁寧に対応します。
賃貸住宅退去時の壁紙の費用負担は誰?
壁紙の掃除や張り替えで気にしておきたいのが、賃貸物件退去時の壁紙の費用負担についてです。
壁紙の原状回復義務
借主は、住んでいる間壁紙を汚してしまった場合には原状回復義務があります。
原状回復義務とは、借りたときと同じ状態に戻すことです。
生活していると気づきにくいですが、壁紙には長年の生活の中で傷や汚れが発生しています。
借主としてはきれいに使っているつもりでも、退去時に壁紙の汚れが進んでいると判断されると、大家から壁紙の補修や張り替え費用を要求されることがあります。
経年劣化と通常損耗
壁紙の汚れが目立つようになっていたとしても、それはこれまでの借主による使用が原因なのか、壁紙が元々汚かったのかはっきりさせることは難しいです。
そんな中、あなたに張り替え費用や補修費用が請求されるのでは納得できない、ということもあるでしょう。
こうしたケースで理解しておきたいのが経年劣化と通常損耗(そんもう)です。
経年劣化は毎月の賃料に含まれるとされ、基本的には大家側の費用負担となります。
具体的には、たばこのヤニ汚れや掃除を怠ったことによるダニやシミ、ペットによる引っ掻き傷などが、この通常損耗にあたります。
退去時の壁紙の取り扱いについては、国土交通省の原状回復ガイドラインに規定が書かれているので、退去時にはよく読んでおくとよいでしょう。
※引用元:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
まとめ
壁紙の素材別、汚れ別掃除方法についてお伝えしてきました。
壁紙の掃除では重曹やセスキ炭酸ソーダを使った掃除が効果的で、多くの汚れに対応できます。それ以外にも、漂白剤を使った掃除方法、酢を使った掃除方法など、より効果的に掃除できる方法もあるのです。
ただ、ヤニや油が壁紙に染み込んでしまっている場合には、きれいに掃除をするのは簡単なことではありません。業者に依頼して掃除してもらうか、場合によっては壁紙の張り替えも検討するとよいでしょう。
イエコマでは壁紙クロス張り替えを提供しており、24時間365日お問い合わせ受付、無料で見積もり対応しています。
お手伝いが必要な際はお気軽にご連絡ください。
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