「ノズルが動かない」「便座が温まらない」など、自宅のウォシュレットの調子が悪いと、故障を疑ってしまいますよね。実は故障ではなく、自分で解決できるケースもあります。
今回はウォシュレットの故障と修理方法について解説。この記事を参考に、自宅のウォシュレットの不具合が故障かどうかを判断し、故障の場合は適切に対処しましょう。
さらにウォシュレットの寿命や買い替えのタイミングについても説明します。自宅のウォシュレットを修理するべきか買い替えるべきかでお悩み中の方は、この記事を参考に検討してください
ウォシュレットの故障原因を調べる前にやること
ウォシュレットの故障を疑う前に、まずはトイレや家の設備の状態、使い方に問題がないかチェックしてみましょう。
ちなみに『ウォシュレット』とはTOTO株式会社の商品名で、正式名称は「温水洗浄便座」です。この記事では、一般的に名前が浸透しているウォシュレットと表記しています。
ウォシュレットに電気が通っているか
電気を使って稼働するウォシュレットに、電気が通っているか確認しましょう。「掃除の際に抜いたプラグがそのままになっている」などで、ウォシュレットが作動していない場合があります。以下の項目に問題がないかチェックしましょう。
- ウォシュレットのプラグがきちんとコンセントに挿してあるか
- ウォシュレット本体の電源がオフになっていないか
- リモコンの乾電池が切れていないか
リモコンの電池切れランプが点滅している場合は、乾電池が切れる前のサインです。新しい乾電池と交換しましょう。
停電が起きていないか
停電によってウォシュレットに電気が供給されていないケースもあります。
まずは落ちついて、落ちているブレーカーがないか確認しましょう。ブレーカーは分電盤といわれる箱の中に収められており、脱衣所や玄関、キッチンなど、家庭によって設置場所が異なります。ふたを開けて、落ちているブレーカーの種類をチェックしましょう
あわてて復旧作業をしようとすると、漏電事故や火災などが起こる恐れもあります。以下のサイトで適切な対処法を知りましょう。
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2024.3.11イエコマ編集部
水回りにトラブルが起きていないか
トイレに水が供給されていない場合もあります。以下の項目をチェックしてみましょう。
- トイレの止水栓(元栓)が閉まっていないか
- 水道の元栓が閉まっていないか
- 断水されていないか
- 水道の配管が凍結していないか
トイレの止水栓は、トイレの水道管とタンクの間に取り付けられている栓です。開閉は手で回せるタイプや、マイナスドライバーが必要なタイプなど、いくつか種類があります。
センサーが反応しているか
ウォシュレットによってはセンサーが搭載されており、以下のようなことが原因でセンサーが反応しないと、ウォシュレットが正しく動作しません。
- センサーが汚れている
- 座る位置が前すぎる
- トイレのふたが正しく取り付けられていない
- 便座カバーがセンサーの妨げになっている
センサーには、人が便座に座ることで反応する着座センサーと、人がトイレに入ったときに反応する人感センサーがあります。メーカーにもよりますが、人感センサーはウォシュレット外側の上部、着座センサーはふたの付け根中央にあることが多いです。センサーの汚れを拭き取ったり、便座に深く座ったりすることで、不具合が解消するか確かめましょう。
誤作動が起きていないか
ウォシュレットの不具合は故障が原因ではなく、誤作動で起きているケースもあります。まずはウォシュレットをリセットして症状が改善するか確認しましょう。
例としてTOTOのウォシュレットのリセット方法を紹介します。メーカーごとにリセット方法は異なるため、くわしくは自宅のトイレの取扱説明書を確認してください。
- 1.コンセントから電源プラグを抜く
- 2.電源プラグを入れる
- 3.電源プラグの「入(リセット)」ボタンを押す
- 4.10~60秒間準備運転が行われるので待つ
- 5.不具合が解消したか確認する
※参考:故障かな?と思ったら(TOTO) ウォシュレットの故障診断と修理ガイド|買い替えの目安は10年
【症状別】ウォシュレット故障の修理方法
症状別にウォシュレットの修理方法を紹介します。前章「ウォシュレットの故障原因を調べる前にやること」をチェックしても解消しない場合は、故障している可能性があります。
ノズルが出てこない/戻らない
ウォシュレットで多いのが、シャワーノズルが出てこなかったり、元に戻らなくなったりするトラブルです。ノズルが動作しないのは、以下の原因が考えられます。
- センサーが作動していない
- ウォシュレットの電源が入っていない
- リモコンの電池切れ
- ノズルが汚れている
- ウォシュレット本体の故障
ノズルには汚水や尿石、水垢(みずあか)などが付着しやすく、汚れでノズルが動かなくなることがあります。ノズルが汚れて動かない場合は、自分で掃除することで不具合が解消するでしょう。
シャワーノズルの掃除方法は以下のとおりです。シャワーノズルは「ノズル掃除」ボタンを押すか、手で引き出すことで掃除できます。引き出すときや掃除の際は、ノズルが破損しないように、力を入れないように注意してください。
シャワーノズルの掃除方法
- 1.ノズルを引き出す
- 2.お掃除シートなどにお掃除クリーナーを吹きかけ、シャワーノズルの汚れを拭き取る
- 3.汚れがひどい場合は、古い歯ブラシなどを使って汚れを落とす
- 4.仕上げに水拭きをする
掃除や電池の入れ替えなどをしても不具合が解消しない場合は、ウォシュレット本体の故障が考えられます。修理または新しいものへの交換が必要です。
ノズルから水が出ない、水の出が悪い
ノズルが出るのに水が出ない場合は、以下の原因が考えられます。
- ノズルのシャワーホールが汚れで詰まっている
- 給水フィルターが汚れで詰まっている
- ウォシュレット本体の故障
ノズルや給水フィルターを掃除して、不具合が解消するか確認しましょう。
給水フィルターは、水道水に含まれる小さなゴミや汚れを取り除くための網目状のフィルターです。止水栓の内部にあり、給水ホースとウォシュレット本体の接続部にあるパーツです。使用するうちに目詰まりを起こすことがあります。一般的な掃除手順は以下のとおりですが、くわしい方法は製品の取扱説明書を参考にしてください。
給水フィルターの掃除方法
- 1.電源プラグをコンセントから抜き、止水栓を最後までしっかり閉める
- 2.水がこぼれるため、下にバケツや雑巾を置く
- 3.マイナスドライバーで左回りに給水フィルターを回し、取り外す
- 4.古い歯ブラシなどを使ってフィルターを掃除する
- 5.水漏れが起きないように、しっかりと給水フィルターを取り付ける
- 6.止水栓を調整する
掃除をしても不具合が解消しない場合は、ウォシュレット本体の故障が考えられます。修理または新しいものへの交換が必要です。
ノズルの水が止まらない
ノズルから水が止まらない場合は、主に以下の原因が考えられます。
- リモコンの電池切れ
- (少量の水が漏れている場合)一時的に自動洗浄が作動している
- ウォシュレット本体の故障
ウォシュレット本体が故障している場合は、自分で対処ができないため、業者に修理を依頼することになります。水を止める応急処置として、マイナスドライバーで止水栓を閉め、電源プラグをコンセントから抜きましょう。
リモコンが効かない
リモコンが効かない場合は、以下の原因が考えられます。
- リモコンの電池切れ
- 停電している・ブレーカーが落ちている
- 電源プラグが抜けている
- センサー部分の汚れ
- リモコンの故障
- ウォシュレット本体の故障
修理が必要なのは、リモコンやウォシュレット本体が故障している場合です。リモコンが故障した場合、リモコンの修理が可能か、またリモコンだけの購入が可能かは、メーカーや機種によって変わります。場合によってはウォシュレット本体の交換も必要なケースもあります。
水が温かくならない
ウォシュレットから出てくる水が温かくならない原因は以下のとおりです。
- 設定温度が低い
- 温水切れ
- ウォシュレット本体の故障
温水切れは、ウォシュレットの長時間使用により温水が無くなることで生じます。ウォシュレットには貯湯式(水を温めてタンクに貯めておくタイプ)と瞬間式(使うときだけ水を瞬間加熱するタイプ)があり、温水切れを起こすのは貯湯式です。貯湯式の場合は時間が経って水が温まるとトラブルが解決するでしょう。
設定温度の調節や温水切れが解消したにも関わらず水が温かくならない場合は、ウォシュレット本体が故障している可能性があります。業者に修理を依頼しましょう。
便座が温まらない
便座が温まらず冷たい場合は、以下の原因が考えられます。
- 便座の設定温度が低い
- センサーが汚れなどで反応していない
- ウォシュレット本体の故障
設定温度の変更やセンサーが反応するようになっても便座が温まらない場合は、故障している可能性が高いです。修理や交換をしましょう。
電源が入らない
ウォシュレットの電源が入らず動かない場合は、はじめに本体の電源ランプの状態を確認しましょう。
ウォシュレット本体の電源ランプが消えている場合は、以下の原因が考えられます。
- プラグがコンセントに接続されていない・しっかり挿されていない
- ウォシュレットのスイッチ(本体の側面にある)が切れている
- ブレーカーが落ちている・停電している
ウォシュレット本体の電源ランプが点灯している場合は、以下の原因が考えられます。
- リモコンの電池切れ
- センサーが汚れなどで反応していない
- 漏電を防ぐための保護機能が作動している
- ウォシュレット本体の故障
漏電テストランプ(ほかにも漏電表示ランプなどの呼び方がある)が点灯している場合は、漏電(電気が本来のルートを外れて漏れ出ること)を防ぐための保護機能が作動しています。掃除中に誤って漏電テストボタンを押すなどで作動すると、電源が切れる仕組みです。電源プラグをコンセントから抜き、ランプが消灯するのを確認してから5秒程度経って、再びプラグを挿し込みましょう。電源ランプが約10秒間点滅し、緑の点灯に変われば正常に使用できます。
電源ランプが点灯しない場合はウォシュレット本体の故障や修理が必要です。業者に依頼しましょう。
※参考:温水洗浄便座の点検方法は(漏電・配管・逆流防止装置)(パナソニック)
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【症状別】ウォシュレットの修理費用
症状別にかかるウォシュレットの修理費用と、新しくウォシュレットを買い替える場合の費用を説明します。
ウォシュレット本体の修理
業者や故障場所によっても変わりますが、ウォシュレットの修理にかかる費用は15,000~75,000円が目安です。症状別にかかるウォシュレットの修理費用の相場は以下のとおりです。
症状 | 修理費用 |
---|---|
ノズルが出てこない/戻らない | 20,000~60,000円 |
ノズルから水が出ない、水の出が悪い | 20,000~60,000円 |
ノズルの水が止まらない | 20,000~50,000円 |
リモコンが効かない | 15,000~50,000円 |
水が温かくならない | 20,000~45,000円 |
便座が温まらない | 20,000~75,000円 |
電源が入らない | 20,000~55,000円 |
まずは自宅のトイレのメーカー保証書を確認しましょう。保証期間内であれば、無料で修理してもらえる可能性があります。
保証期間を過ぎている場合は、修理費用が実費になります。修理費用が高額になる場合は、新しいウォシュレットへの買い替えを検討しましょう。
さらに保証期間を過ぎている場合、メーカーの部品保有期間を過ぎていて、修理自体ができないこともあるため、注意が必要です。
ウォシュレット本体の交換
新しいウォシュレットと交換する場合はウォシュレット本体の料金と、業者に依頼する場合は取り付け費用がかかります。
ウォシュレット本体の料金は、1万円程度で購入できるものから10万円以上のものまでさまざまです。家電量販店やホームセンターなどで販売されており、搭載している機能なども機種によって異なります。自宅に合うウォシュレットを探して自分で取り付ければ、交換にかかる費用はウォシュレット本体の料金のみです。
業者に交換を依頼する場合は、ウォシュレット本体の価格に加えて工事費用や出張費がかかります。15,000~20,000円程度が目安です。
ウォシュレットの交換費用について、くわしくは以下のコラムをご覧ください。
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ウォシュレットの寿命や買い替えのタイミング目安
一般的にウォシュレットの寿命は約7~10年といわれています。
ウォシュレットを購入してから10年以上経過している場合は、修理をしてもまたすぐに故障する可能性が高いです。
以下の場合は新しいウォシュレットに買い替える方がおすすめです。
- 保証期間を過ぎていて、5万円以上など修理費用が高額になる場合
- ウォシュレットを購入してから10年以上経過している場合
まとめ
ウォシュレットは使用するうちに、さまざまな不具合が起こる可能性があります。故障を疑う前に、まずは以下のポイントをチェックしましょう。
- ウォシュレットに電気が通っているか
- 停電が起きていないか
- 水回りにトラブルが起きていないか
- センサーが反応しているか
- ウォシュレットの誤作動が起きていないか
不具合が解消しない場合は、修理や交換が必要です。ウォシュレットの寿命は7~10年程度であるため、購入してから10年以上経っている場合は、新しいウォシュレットに交換する方がよいでしょう。
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