キッチンや洗濯機など、家の中にある水回り。衛生的に快適に利用するには、排水管のメンテナンスが欠かせません。薬剤を使って定期的に排水管掃除をしている方もいるでしょう。
今回はさらに排水管内をきれいに洗浄できる「排水管高圧洗浄」について解説します。どのような手順で洗浄をするのか、自分でもできるのか、高圧洗浄にかかる費用について、ていねいに説明します。排水管の詰まりの予防にもなるので、くわしく知っておきましょう。
目次
排水管高圧洗浄とは?
排水管高圧洗浄とは、排水管内に付着した汚れを高圧洗浄機で落とす作業です。高圧の水を噴射して、水の勢いで排水管内の汚れを取り除きます。
排水管は、台所やお風呂、洗濯機などの水まわりで使った汚水を下水道へ流すのが役割です。汚水には洗剤カスや髪の毛、皮脂などの汚れが混ざっており、そのまますべては流れていかずに排水管内に少しずつ付着していきます。これらの汚れを放置するとどんどん蓄積され、やがて排水管内は完全に詰まり、汚水が排出されなくなります。詰まりを解消するだけではなく、防ぐためにも、排水管高圧洗浄が必要です。
マンションの場合は1~2年に1回などのペースで、管理会社や大家さんが排水管洗浄を定期的に実施するケースが多いです。一戸建ての場合は自分で排水管高圧洗浄を検討しなければなりません。
排水管高圧洗浄を行うメリット
排水管高圧洗浄を行うことで、以下のようなメリットがあります。
衛生的で快適に過ごせる
排水管内は湿度が高くジメジメとした環境です。汚れが蓄積するほど雑菌が繁殖しやすく、不衛生な状態になります。
排水管内を高圧噴射した水で洗浄することで、付着した汚れが落ち、雑菌の繁殖が抑えられます。悪臭や害虫の発生も防ぐことができ、清潔な状態にすることができます。日々の生活がより快適になるでしょう。
詰まりによるトラブルを防げる
排水管に付着した汚れが蓄積すると、やがて詰まってしまいます。するとスムーズに排水されない、汚水が逆流する、悪臭が発生するなどのトラブルが発生するでしょう。また排水管に付着した汚れは少しずつ排水管を腐食させる原因にもなります。
排水管内の汚れを洗浄することで、詰まりによるトラブルを防ぐことができ、排水管の寿命を長く保つことができるでしょう。
排水管高圧洗浄の手順
排水管は、キッチンや浴室など水まわりの排水口付近だけ汚れているわけではありません。下水管へとつながる排水管全体に汚れは蓄積しており、洗浄が必要です。
そのため屋外にある排水桝(マス)側と屋内にある排水口側の両側から掃除を行います。プロは高圧洗浄機を使って、配水管内に付着した汚れを洗浄します。配水桝とは屋外の排水管の合流部や接合部に設置されており、点検やメンテナンスをするための設備です。専門業者が行う排水管高圧洗浄の作業内容を確認しましょう。
1.排水桝からの清掃
まずは屋外にある排水桝から掃除をします。
1-1.排水桝の位置を確認する
はじめに排水桝の位置を確認し、それぞれの水まわりの排水管がどの排水桝につながるかもチェックします。目立たない場所に設置されているケースもあるので、見落とさないように注意しなければなりません。
1-2.排水桝のふたを開け、清掃ホースを通す準備をする
排水桝の開口部から、マイナスドライバーなどを使ってふたを開けます。排水とともに流れてきた油汚れやゴミをためて、排水管を詰まりにくくするのが排水桝の役割です。排水桝のふたを開け、表面を覆う油のかたまりや底に沈んでいるごみは、取り除きます。
さらに下水にゴミが流れ込んで詰まるのを防ぐための「エルボ」という短く曲がった配管が設置されている場合は、高圧洗浄するために取り外します。
1-3.高圧洗浄をする
排水管の入り口に洗浄ホースの先端を差し入れて、高圧洗浄機を使って洗浄する作業です。下流から上流方向に汚れを洗い流しますが、排水管は家の構造に応じて折れ曲がるように設置されています。むやみに押し込むと、洗浄ホースが抜けなくなったり、排水管を破損させたりすることも。排水管の高圧洗浄は技術力が必要です。
ヘドロ状の汚れや油の固まりなどが剥がれて流れる様子を見れば、排水管がいかに汚れていたかを実感できるでしょう。きれいに洗浄するのはプロだからこそできる作業です。排水桝のふたやエルボもきれいに洗浄し、元の位置に戻したら完了です。
2.排水口からの清掃
つづいて屋内にあるキッチンや浴室、洗面所などの排水口側から排水管を洗浄します。洗浄ホースを奥まで入れたり出したりしながら、排水管に付着した頑固な汚れを落とす作業です。
洗面所など、場所によっては洗浄ホースが入りにくい場合もあります。下水から悪臭や害虫などが上がってくるのを防ぐために、カーブ状のトラップ構造になっているからです。洗浄ホースが入りにくい場合は、一度排水管を分解してから洗浄を行う必要があります。素人が行うと、排水管を外した際に汚水で室内を汚したり、組み立てに失敗して漏水したりすることもあるため注意が必要です。
排水口周辺やゴミ受け、フタまできれいに洗浄することで、水まわりに清潔感が生まれるでしょう。
自分で行う場合の排水管高圧洗浄の注意点
自宅に家庭用高圧洗浄機がある場合などは、自分で高圧洗浄をしようと考える人もいるでしょう。自分で洗浄すれば費用が抑えられると考えがちですが、実はデメリットの方が大きいです。自分で高圧洗浄をして失敗する前に、注意点を確認しておきましょう。
きれいに洗浄できない可能性がある
自分で労力と時間をかけて排水管清掃をしても、素人ではきれいに汚れが落ちない可能性があります。業務用の高圧洗浄機は家庭用と比べて価格が高い分、洗浄の威力も強いためです。
また排水管は床下で何度も折れ曲がるように設置されており、見えない場所をきれいに洗浄するには、経験や技術力が必要です。排水管がカーブしている箇所はとくに汚れが蓄積しやすいものの、高圧洗浄機のホースは入りにくい構造になっています。
排水管の破損・水漏れが生じることがある
排水管の高圧洗浄は、強い圧力で洗浄すればいいというわけではありません。排水管は毎日、使い続けるうちに劣化が生じます。プロは排水管の状態を確認し、高圧洗浄機の水圧をコントロールしながら洗浄するのです。
素人が高い水圧で高圧洗浄を行うと、排水管に亀裂が生じて破損することがあります。とくに排水管が劣化している場合は注意が必要です。
また自分で洗浄したことで排水管の詰まりを悪化させたり、高圧洗浄の水が上手に排出されずに排水口からあふれ出たりすることもあります。
操作を誤ると事故やケガをする恐れも
高圧洗浄機のホースから、水は勢いよく噴射します。ホースの先端を持っていない状態でスイッチを入れてホースが暴れたり、排水口にホースがきちんと差し込まれておらず周囲に洗浄水が飛び散ったり。操作を誤ると外壁や車を破損したり、ホースがぶつかってケガをしたりする恐れもあります。
排水管の高圧洗浄はなるべく業者に頼む方が良い
排水管の高圧洗浄は、以下の理由から経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。
・排水管内に付着した頑固な汚れを確実にきれいに落とせる
・排水管の破損や水漏れなどの失敗がない
・不衛生な場所を自分で洗浄する必要がない
・自分で洗浄するとかかる手間や時間を省ける
・排水管の状態もあわせてチェックしてもらえる
排水管高圧洗浄は技術力が必要な工事です。プロに任せれば確実にきれいになり、洗浄中に見つかった亀裂や破損などの排水管のトラブルにも柔軟に対応できるでしょう。
排水管高圧洗浄の費用
排水管高圧洗浄にかかる費用をチェックしましょう。業者に依頼した場合と、自分で洗浄した場合をご紹介します。
業者に依頼した場合
一戸建ての排水管高圧洗浄を業者に依頼した場合は、2万~4万円程度が相場です。ただし料金は詰まりの具合や建物の階数、二世帯住宅かどうかなどでも変わります。また排水管の長さや、水まわり1カ所あたりで料金を設定している業者もあります。依頼する業者によって費用は大きく変わるため、目安として参考にしてください。
自分で高圧洗浄した場合
自分で高圧洗浄をする場合は、高圧洗浄機を用意しなければなりません。
購入する場合は高圧洗浄機本体と排水管洗浄用ホースが必要です。排水管洗浄できる威力の高圧洗浄機を購入するには、8万円前後の費用がかかるでしょう。ホームセンターやインターネットで購入できます。
レンタルする場合は、1日あたり5,000円程度が目安です。
ただし自分で高圧洗浄する場合は道具をそろえ、洗浄をする手間がかかります。汚れがきれいに落ちない場合は、結局業者に依頼しなければなりません。
また詰まりを悪化させたり、排水管を破損させたりするリスクもあります。費用を抑えようと自分で高圧洗浄した結果、新しい排水管と交換することになり、かえって費用がかさむこともあるのです。
まとめ
今回は排水管の高圧洗浄について解説しました。毎日のように使う水まわりの排水管には油汚れや髪の毛などの汚れが付着し、放置するとやがて詰まります。汚れが蓄積する前に排水管高圧洗浄をすることは、排水管の詰まりの予防になります。排水口周辺がきれいになれば清潔感が生まれ、より快適に日常生活を送ることができるでしょう。
見えない場所にあり、折れ曲がって設置されている排水管を高圧洗浄するのは技術力が必要な工事です。排水管高圧洗浄はプロに依頼する方がおすすめです。
住まいのトラブルを解決するイエコマでは、「排水管保守クリーニング」を承っております。経験と技術力のある職人が、排水管内に付着した頑固な汚れもきれいに落とします。完全に詰まる前に、自宅の排水管をメンテナンスしましょう。排水管高圧洗浄をご検討中の方は、イエコマにどうぞお気軽にご相談ください。
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