暑い時期にエアコンの効きが悪くなると、急いで業者に修理を依頼すべきか、あわててしまいがちです。新しいエアコンに買い替えるべきか、悩む方も多いでしょう。
今回はエアコンが冷えない場合の原因と対処法についてくわしく解説。エアコンの効きが悪いといっても、故障とは限りません。場合によっては自分で解決できるケースもあるのです。
自宅のエアコンの効きが突然悪くなったときも、原因に合わせた対処法を知っておくことで、落ち着いて対応できます。さらに、エアコンを使うとき効率的に部屋を冷やすコツも紹介します。この記事を参考に、暑い夏も部屋で快適に過ごせるように準備しましょう。
目次
エアコンで部屋が冷えないときにチェックすること
エアコンを使っても部屋が冷えない、効きが悪いと感じる場合に、まずチェックすべきポイントを紹介します。故障を疑う前に、以下の2点を確認しましょう。
設定を確認する
エアコンを稼働させてもなかなか部屋が冷えない場合は、正しい設定になっているか確認しましょう。
とくに季節が変わって久しぶりにエアコンを使う場合は要注意です。リモコンの液晶画面を確認して、以下の点をチェックしましょう。
- 暖房・冷房の運転モードの設定を切り替え忘れていないか
- 設定温度は適切か
- パワーセーブになっていないか
- 風量を抑えたモードや静かモードの運転になっていないか
家具などが冷房の風をさえぎっていないか確認する
大きな家具やカーテンなどが、冷房の風をさえぎっていないか確認しましょう。
エアコンの風は正面や真下が当たりやすい場所です。そこに風をさえぎるような物が設置されていると、空気がうまく回らず、部屋が冷えにくくなります。
物を移動できない場合は扇風機やサーキュレーターなどを使い、冷たい空気を循環させるとよいでしょう。
エアコンで部屋が冷えない原因
エアコンの設定が適切で冷房の風をさえぎるものがない環境にもかかわらず、部屋が冷えない場合は、以下のような原因が考えられます。
フィルターや内部の汚れ
フィルターや内部の汚れ
「エアコンから冷たい風は出るものの、風が弱い」という場合は、フィルターや内部の汚れが原因かもしれません。
部屋に設置されているエアコン本体を室内機といいます。エアコンは室内機から部屋の中の空気を吸い込み、熱を取り除いた冷たい空気を室内に送り出して冷やす仕組みです。
室内機のフィルターなどにほこりなどの汚れが詰まると、空気を上手に吸い込むことができず、冷たい風が出にくくなります。運転効率が下がって効きが悪くなり、通常より電気代もかかってしまうでしょう。
室外機の排熱トラブル
室外機がうまく熱風を排出できないことも、部屋が冷えなくなる原因のひとつです。
室外機はベランダなどの屋外に設置されている四角い機器です。室内機の近くにある窓から外を見ると、室外機が見つかるでしょう。室内機が吸い込んだ部屋の空気の熱を、熱風として屋外へ排出するのが室外機の役割です。
室外機が以下のような状態の場合は、熱風をスムーズに排出することができません。空気を冷やす効率が悪くなり、部屋が冷えにくくなるでしょう。
- 室外機の周りにものが置かれている
- 室外機が熱風を排出する場所に壁がある
- 室外機が狭い空間に設置されている
- 室外機が汚れている
冷媒ガスの漏れ
エアコンから冷たい風が出てこない場合は、冷媒ガスが漏れている可能性があります。
冷媒ガスとは、室内機と室外機をつなぐ配管の中をぐるぐると回り、空気中の熱を運ぶ役割があるガスです。冷房時は部屋の熱を外に、暖房時は外の熱を部屋へと移動させる仕組みです。
冷媒ガスが不足すると、熱交換の効率が下がるため、部屋が冷えにくくなります。室外機のカバーを外したときに、配管に霜が付いている場合は、ガス漏れの可能性が高いです。
エアコンの故障
内部部品の劣化などにより、エアコンが故障している可能性もあります。
エアコンは使い続けるうちに劣化し、老朽化していきます。一般的にエアコンの寿命は約10年です。以下のようなトラブルが発生した場合は、エアコンの故障を疑いましょう。
- エアコンから異臭や異音がする
- エアコンから風が出ない
- 電源が付かない
エアコンのパワー不足
エアコンによってパワーは異なり、使用するのに適切な部屋の広さ(畳数)が設けられています。エアコンのパワーに見合わない広い部屋に設置した場合は、効率よく部屋を冷やすことができません。
たとえば以下のような場合は、エアコンのパワーが適切かチェックしてください。
- リフォームで部屋の広さが変わった
- 新しいエアコンを設置した
- 引越しをして部屋の広さや天井の高さが変わった
- 断熱性能の違う家に引越しをした
ランプの点滅はエアコンの取扱説明書orメーカーの公式サイトを確認
エアコンの室内機のランプが点滅していないかも確認してみましょう。ランプが点滅している場合は、エアコンの室内機や室外機に異常がある可能性が高いです。
点滅の仕方やカラーによって、どのような不具合が起きているかがわかります。取扱説明書を確認して、どのようなエラー内容かをチェックしましょう。
取扱説明書が無い場合は、各メーカーの公式サイトでエラー内容を確認できます。ご自宅のエアコンのメーカーに応じて、以下のリンクからサポート情報をご確認ください。
フィルターや内部の汚れが原因の場合の対処法
フィルターや内部の汚れが原因の場合は、エアコンを掃除しましょう。エアコン掃除は、自分でできるフィルター掃除と業者に依頼する内部洗浄があります。
自分で洗浄する
エアコンのフィルターには、空気中に含まれるホコリなどの汚れがたまります。以下の手順でフィルター掃除を行いましょう。
2週間に1度のお手入れが理想です。
- カバーを開けてフィルターに掃除機をかける
- フィルターを外して掃除機をかける
- フィルターの内側からシャワーをかけて、水洗いする
- キッチン用洗剤と古歯ブラシなどを使い、汚れを洗い流す
- タオルで水気を拭き取り、しっかり乾かす
- フィルターを元の位置に戻してカバーを閉める
くわしい掃除方法や注意点は以下のコラムを参考にしてください。
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2024.7.8イエコマ編集部
また自動でフィルターをきれいにする、お掃除機能が付いた機種もありますが、メンテナンスは必要です。たまったホコリを捨てたり、フィルターを水洗いしたりするなどのお手入れをしましょう。
業者に洗浄を依頼する
業者にエアコンのクリーニングを依頼すると、内部のパーツを分解して、きれいに洗浄してもらうことができます。エアコンの内部洗浄は、1~2年に1度が目安です。
フィルターだけではなく、結露してカビが生えやすい金属製の部品「フィン」や、吹き出し口の奥にある「ファン」などの部品も掃除できます。
室外機の排熱トラブル
室外機がうまく排熱できていない場合は、室外機とその周りを掃除しましょう。ただし無理に内部のパーツを掃除しようとすると、故障の原因になります。解体や取り外しが必要な場合は、業者に掃除を依頼してください。
室外機周辺の掃除・整理
鉢植えなどを室外機の近くに置いている場合は、室外機に熱がこもりやすくなります。周りに置いている物を移動させて、室外機の周辺がすっきりするように整理しましょう。
外カバーの掃除
屋外に設置されている室外機には、ホコリなどの汚れが付着しています。室外機の外側を、水で濡らして絞った雑巾で拭きましょう。故障の原因となるため、室外機の内部に水が入らないように注意してください。
ドレンホースの掃除
ドレンホースは、エアコンの機器内で発生した結露を排出するためのホースです。ホース内に落ち葉などのゴミがある場合は、古歯ブラシなどを使って取り除きます。
冷媒ガスの漏れが原因の場合の対処法
冷媒ガスの漏れが考えられる場合は、業者に修理を依頼しましょう。ガスが漏れている場合は自分で対処することが難しく、業者にガスの補充や配管修理をしてもらうことが必要です。
まずはメーカーや購入した店舗の保証期間内かを調べましょう。保証期間内であれば、無償で修理できる可能性があります。
保証期間外の場合、ガス漏れの修理にかかる費用相場は、1.5万~5万円ほどです。補修内容や業者によって料金は異なるため、目安として参考にしてください。
冷媒ガスが漏れている場合の修理費用は、5万円以上かかることもあります。業者に見積もりを依頼し、修理費用が高額になる場合は買い替えを検討する方がよいでしょう。
エアコンの故障が原因の場合の対処法
エアコンが故障した場合は、以下のいずれかの対処法になります。
- 業者に修理を依頼する
- 新しくエアコンを買い替える
保証期間内であれば無償で修理できる可能性がありますが、保証期間外の場合は、自分で修理費用を支払わなければなりません。
修理費用は10万円以上かかるケースもあります。エアコンの寿命は約10年で、長年使用しているエアコンは、修理をしてもまた故障して修理費用がかさむ可能性が高いです。
そのため10年以上使用している場合は、新しいエアコンへの買い替えを検討しましょう。最新のエアコン機種は省エネ性能が進化しており、電気料金の節約も期待できます。
エアコンのパワー不足の場合の対処法
エアコンのパワーに部屋の広さが見合っていない場合は、適した能力のエアコンに買い替えましょう。
エアコンのパワーが小さい場合はもちろん、大きければよいというわけではありません。風力が強すぎると電気代もかかってしまいます。効率よく稼働させるためにも、部屋の広さ・畳数にあったエアコンを設置しましょう。
自分でできる対処と業者に依頼するべき対処
エアコンを稼働させても部屋が冷えづらい場合の対処法をまとめました。
自分で対処できるか、業者に依頼する必要があるか、症状に合わせてチェックしましょう。
部屋が冷えない原因 | 自分で対処 | 業者に依頼 |
---|---|---|
フィルターや内部の汚れ | 〇(フィルター掃除) | 〇(内部洗浄) |
室外機の排熱トラブル | 〇(外側の掃除・整理) | 〇(内部洗浄) |
冷媒ガスの漏れ | - | 〇 |
エアコンの故障 | 〇(買い替え) | 〇(修理) |
エアコンのパワー不足 | 〇(買い替え) | - |
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部屋を効率的に冷やすコツ
エアコンを使って部屋を効率よく冷やすコツを紹介します。暑い夏でもより快適に過ごせるように、自分でできる工夫を知っておきましょう。
定期的に掃除する
効率よくエアコンを稼働させるためには、定期的なエアコン掃除が必要です。室内機のフィルター掃除は2週間に1度、室外機の掃除は年に1~2度を目安に行いましょう。こまめに掃除をすることで、エアコンの寿命を長く保つこともできます。
また室内機は1~2年に1度、業者に依頼して内部洗浄をしましょう。内部のカビ汚れをきれいに落とすことができ、エアコンの寿命を長く保つことができます。
窓からの直射日光を遮る
室内に日差しを取り込むことができる窓ですが、同時に熱も取り込んでしまいます。とくに暑い日は、窓から入ってくる太陽光で部屋の温度が上昇し、エアコンの効率が下がるでしょう。
直射日光が強い日は、カーテンを閉めるのがおすすめです。
カーテンを遮光性や断熱性のあるものに取り替えたり、暗さが気になる人は日よけシートや日よけのシェードを設置したりするのもよいでしょう。
扇風機やサーキュレーターを利用する
エアコンの使用時に、扇風機やサーキュレーターを併用することで、冷たい空気を部屋全体に循環させることができます。室内の温度差が無くなり、効率的に部屋を冷やせるでしょう。
ポイントは扇風機やサーキュレーターをエアコンが背になるように設置して、風を送りたい方へ向ける点です。首振り設定をしなくても、下にたまりやすい冷気を部屋全体に拡散することができます。
まとめ
エアコンの効きが悪く、部屋が冷えない場合は、以下のような原因が考えられます。
- フィルターや内部の汚れ
- 室外機の排熱トラブル
- 冷媒ガスの漏れ
- エアコンの故障
- エアコンのパワー不足
原因によって自分で対処できる場合と、業者に依頼すべき場合があるため、この記事を参考に適切に対処してください。
エアコンの寿命は、約10年といわれています。10年以上使用している場合は、修理をするよりも新しいものに交換する方がおすすめです。定期的にエアコンの掃除を行い、エアコンの寿命を長く保ちましょう。
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