修理の前に!エアコンから水漏れする原因&対処法を知ろう

エアコンを運転中に、水が落ちてきたことはありませんか?
水漏れといっても気にならない程度の量から、ポタポタと水が落ち続けて床がびしょびしょになるほどの水漏れまで、症状はさまざまです。

ある日、突然起こるかもしれない「水漏れ」は、自分で解決できる場合もあります。すぐに修理や買い替えをしたり、水漏れを放置し続けたりしないように、水漏れの原因と対処法を知っておきましょう。

エアコンの仕組み

まずはエアコンの仕組みについて詳しく見ていきましょう。

エアコンの構成

室内機室外機イラスト

エアコンは室内に取り付ける「室内機」と、壁を隔ててベランダなどに設置される「室外機」で構成されます。室内機と室外機にはそれぞれ、周りの空気を吸い込んだり吹き出したりする「ファン」と、吸い込んだ空気を最適な温度に調整する「熱交換器」があります。

富士通画像

引用:FUJITSU

室内機からは、発生した水を排水するための「ドレンホース」や、室内機と室外機をつなぎ、熱を室内へ送り込んだり放出したりするための「冷媒管」が配管されています。

エアコン図説

引用:価格.com

エアコンを稼働すると水が発生するのはなぜ?

エアコンの冷房・暖房では、熱の放出の流れはそれぞれ以下の通りです。

  • 冷房時:室内の空気の熱を奪って、屋外へ放出することで室内を冷やす
  • 暖房時:屋外から奪った熱を屋内へ放出して部屋を暖める

冷房時は室内機の熱交換器で空気を冷やすときに、暖房時は室外機の熱交換器で空気を暖めるときに、それぞれ結露が発生します。これが、エアコンを稼働したときに水が発生する仕組みです。

 

発生した水を排水する仕組みは?

熱交換器で発生した水は、熱交換器の下に付いているドレンパンが受け皿となって集められます。ドレンパンに水がたまると、ドレンホースを通って屋外へ排水する仕組みです。

冷房時に室内機で発生した結露は、ドレンホースを通って屋外へ排水されます。屋外の室外機の側を探すと、ドレンホースが確認できるはずです。

暖房時は室外機に結露が生じ、冷たい風が外に放出されます。屋外の温度が低いときは、室外機に霜が付着するため、運転効率が下がるのです。暖房時の室外機から湯気や水が発生するのは、霜取り運転をするためです。

エアコンから水漏れする原因は?

汚れたドレンホース

エアコン内で発生した水が上手に排水されないと、エアコンから水漏れが起こります。エアコンの水漏れの原因は、次の2点のどちらかです。

  • ドレンホースに問題がある場合
  • エアコン本体に問題がある場合

水漏れが起こる原因について、詳しく見ていきましょう。

ドレンホースに問題がある場合

ドレンホースにはエアコンから発生した水を、屋外へ排水する役割があります。エアコンから水漏れする場合のほとんどは、ドレンホースに問題があります。
では、ドレンホースにどのような問題があると水漏れが起きるのか見ていきましょう。

詰まり

長く使用するうちに、水垢やほこり、泥、虫の死骸、枯れ葉などでドレンホースが詰まることがあります。ホースが詰まって排出できなかった水は、室内側へ逆流して水漏れが発生します。

ホースの形状が変形している

ホースの先端がつぶれていたり、ホースが途中で折れたり、上向きに曲がったりすると、上手に排水できません。水が逆流して水漏れが起こります。

先端が水や土の中に埋まっている

ドレンホースの先端が水たまりや土の中に埋もれてふさがっている場合も、上手に排水されないことがあります。

エアコン本体に原因がある場合

エアコン本体に問題がある場合も、水漏れが起こります。

送風口の結露

冷房時にエアコンの設定温度が低すぎる場合や、湿度が高すぎる日にエアコンを稼働させると、エアコン内部で異常に結露が発生してしまいます。その結果、ドレンパンから水があふれて、水漏れが発生するのです。
結露による水漏れの場合は、大量に水漏れすることはありません。

本体が傾いている

エアコン本体が傾いて設置されていると、排水とは逆向きの勾配が付いて、水漏れが発生することがあります。水平方向だけではなく、前後の傾きにも注意しましょう。

フィルターの目詰まり

エアコンの前面カバーを開けるとすぐに見えるのがフィルターです。フィルターには空気とともに吸い込んだほこりなどの汚れをキャッチする役割があるため、汚れやすい箇所です。

エアコンフィルターほこり

フィルターがほこりなどで汚れて目詰まりを起こすと、エアコンの効きが悪くなります。部屋の温度が下がりにくくなるので、設定温度を必要以上に下げてしまい、結露を異常に発生させるのです。

熱交換器の汚れ

フィルターの背面にある、縦にたくさん並んだ金属製の部品が熱交換器です。冷却フィンともいわれます。
結露が発生する熱交換器にほこりなどが付いて汚れると、発生した結露が水滴になり、送風ファンにより室内へ水滴を飛ばしてしまうのです。

ドレンパンの詰まりや亀裂・破損

ドレンパンが詰まっていたり、亀裂や破損があったりすると、排水をためることができず、水漏れを起こします。

ガス不足・ガス漏れ

エアコン内では、冷媒ガスが循環しながら熱を運びます。冷媒ガスが不足したり漏れたりすると、熱交換器に霜が付着して霜が溶けることで、室内機から水漏れが起こるのです。
エアコンを運転しても効きが悪かったり、室内機のフィルターに霜が付いたりする場合は、ガス不足やガス漏れの可能性があります。

エアコン水漏れの原因箇所の特定と対処方法

エアコンと業者

エアコンから水漏れが起こったら、修理や買い替えを検討する前に、次のような対処をしてみましょう。
ここで注意すべきことは、エアコンの水漏れが起こっても「エアコンの故障ではない場合」もあることも知っておきましょう。

設定温度を少し上げる

冷房時に設定温度が低すぎたり湿度が高すぎたりすると、結露が増えて水がドレンパンからあふれ、水漏れが起こります。設定温度が低すぎることで起こる水漏れは、設定温度を上げることで解決します。適切な設定温度を心がけましょう。
環境省によると、エアコンは以下の設定温度が推奨されています。

  • 夏の冷房時:28℃
  • 冬の暖房時:20℃

※参考:環境省

エアコンに向けて扇風機の風を当てる

低すぎる設定温度や高い湿度により生じた結露には、扇風機やサーキュレーターでエアコンに向けて風を送るのも効果的です。冷気を分散できる上、冷えた空気が室内を循環するため、室内を冷やすこともできます。

ドレンホースの様子をチェックする

設定温度や湿度に問題がない場合は、屋外へ出てドレンホースから水が排出されているかチェックしましょう。ホースが詰まっている場合は、割り箸などを使い、ゴミを取り除きます。

ドレンホースの形状が変形している場合は、ホースの出口が下向きになるようにし、元の形状になるように形を整えましょう。

エアコンの傾きをチェックする

地震や掃除、エアコン取り付け作業をした直後から水漏れが起こり始めた場合は、エアコン本体が傾いている可能性があります。エアコンの傾きが原因で水漏れが起きている場合は、無理して傾きを直そうとすると、エアコンが落下する恐れもあります。
無理をせずに業者へ依頼しましょう。

エアコンを掃除する

エアコンの汚れも水漏れの原因になります。エアコンの掃除方法は、自分で掃除する方法と業者に依頼してクリーニングしてもらう方法があります。

掃除をすればエアコンの運転効率が上がり、エアコンの寿命も長く保つことができるのです。水漏れの症状がなくても、定期的にエアコンを掃除しましょう。

自分で掃除する

エアコンの吹き出し口やフィルター部分は簡単に掃除ができます。ほこりなどのゴミやカビがたまらないように、定期的に掃除をしましょう。
フィルター掃除は月に2回、室外機の掃除や内部洗浄は年に1回が目安です。

熱交換器やファンの掃除には注意が必要です。故障させる恐れもあるので、エアコン掃除に詳しくない人、少しでも不安がある人は、業者に依頼することをおすすめします。

業者に掃除を依頼する

エアコン掃除は手間がかかり、故障させる恐れもあります。エアコン掃除を業者に頼めば、故障の恐れもなく、内部まできれいに掃除することが可能です。フィルターは自分で細目に掃除しながら、年に1~2回は業者へ依頼して徹底的に掃除するのが理想的です。
イエコマでは、エアコンフィルター洗浄エアコンドレンホース・室外機清掃を承っています。エアコンのことでご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。

修理する

ガスが不足している場合や、部品が破損していたり故障していたりする場合は、修理が必要です。修理費用が高額になる場合や古いエアコンであれば、買い替えも検討しましょう。

 

エアコン水漏れの改善に必要な費用は?

電卓計算イメージ

エアコンの水漏れが起こった場合、水漏れの程度により、すぐに解決できるものから買い替えが必要な場合まで対処はさまざまです。エアコンの水漏れを改善するためにかかる費用は、次の通りです。
※当記事で記載の価格は目安です。

自分で掃除をする場合

自分で掃除をする場合は、100円ショップなどを利用すれば、3,000円以下で掃除できるでしょう。

業者に掃除を依頼する場合

業者に掃除を依頼した場合にかかる費用は、次の通りです。

エアコン本体の掃除

相場は以下の通りです。

  • エアコン本体のフィルター洗浄:6,000~10,000円程度
  • 内部まで洗浄:10,000~20,000円程度

室外機・ドレンホースの掃除

室外機の洗浄の場合は、10,000~13,000円程度が相場です。

修理する場合

修理が必要な場合、故障部分により大きく値段は変わりますが、7,000~15,000円程度が相場です。
修理費用に何万円もかかる場合は、買い替えを検討しましょう。

買い替える場合

エアコンは取り付ける部屋の広さや機能に応じて値段が異なりますが、10万~20万円程度が必要です。また、新しいエアコンを購入する費用に加えて、取り外し・処分にかかる費用や取り付け費用が必要な場合もあります。それぞれ1万円程度かかるでしょう。

賃貸物件でのエアコンの水漏れ|修理費用の負担は誰?

賃貸物件で備え付けのエアコンが水漏れした場合、修理費用は誰の負担になるのでしょうか。
エアコンから水漏れがあった場合は、すぐにエアコンの使用を中断し、契約書を確認してください。エアコンが設備として記載されているか確認しましょう。

エアコンが設備として記載されている場合

エアコンが設備として記載されていて、エアコンが老朽化により水漏れした場合は、大家が修理費用を負担する可能性が高くなります。水漏れが発生した場合は、エアコンの使用をすぐに中断し、大家さんまたは管理会社へ連絡をしましょう。

ただし、借主のエアコンの使い方が悪かったり、水漏れが発生しているにも関わらず長期間放置していた場合は、補償してもらえない恐れがあります。

エアコンが設備として記載されていない場合

エアコンが設備として記載されていない場合は、以前の入居者が取り付けたエアコンの可能性が高く、修理費用も入居者が払う必要があります。

自分でエアコンを掃除するときは要注意

エアコン掃除中女性

自分でエアコン掃除をすれば、費用があまりかからずに済みます。しかし、何点か注意しなければならない点があります。自分で掃除をする前に確認しましょう。

エアコン掃除は重労働

エアコンのほとんどは高所に設置されているため、上を見ながら両手を上げたままで掃除しなければなりません。腰や首、肩に負担がかかり、さらに掃除に手間がかかります。

故障の恐れがある

パーツを分解して行うエアコンの内部洗浄には、内部の構造についての知識が必要です。掃除をしても、ホコリが取り切れなかったことでかえって目詰まりを起こしたり、水漏れを悪化させてしまったりします。電源コードを抜かずに掃除した結果、漏電や火災に発展するケースもあります。

市販のエアコン洗浄スプレーを使う際は要注意

エアコンの洗浄スプレーは市販されていますが、使用の際には注意が必要です。電気が流れる電装部分に誤って洗浄スプレーを吹きかけると、故障や発火の原因になります。

自分で対処すべきでない水漏れ

次のような場合は、自分で対処せず業者に修理を依頼しましょう。

熱交換器に霜が付着

熱交換器に霜が付いている場合は、冷媒ガスが不足したり漏れたりしています。業者に依頼して、修理が必要です。
ガス不足の場合の相場は15,000~20,000円程度です。ガス漏れの場合は修理費用が高額になることが多く、50,000円以上かかることもあります。
エアコンが古い場合は、買い替えも検討しましょう。

エアコン本体と排水口が逆流を起こしている

エアコンが傾いている場合は、エアコン本体と排水口が逆流を起こして水漏れが発生しています。自分で傾きを直そうとすると、エアコンが壁から落下して故障したり怪我をしたりするため危険です。業者に依頼する方がおすすめです。

まとめ

突然起こるエアコンの水漏れは、焦って修理したり、水漏れを放置して壁などを傷めたりしないように、適切に対処しましょう。エアコンの水漏れは、程度により自分で対処できる場合と、業者に修理を依頼しなければならない場合があります。

古いエアコンであったり、故障箇所により修理費用が高額になったりするときは、買い替えを検討した方がいい場合もあります。

掃除で水漏れが対処できる場合も、エアコンの掃除には手間や時間がかかるものです。誤ったお手入れ方法で掃除すると、故障の原因にもなります。忙しい人やしっかりときれいに掃除したい人は、プロにエアコン洗浄を依頼するようにしましょう。

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