便座を温めたりお尻を洗浄したりする機能のある「ウォシュレット」。トイレでの時間を快適に過ごすために欠かせない方も多いのではないでしょうか。
ウォシュレットには「貯湯(ちょとう)式」と「瞬間式」の2種類があり、今回の記事ではそれぞれの特徴についてくわしく説明します。
トイレのリフォームをする前に、ウォシュレットの種類と選び方のポイントをチェックしましょう。コストやデザイン、機能性など、自分の希望に合ったウォシュレットが見つかるはずです。
ウォシュレットの貯湯式・瞬間式の違い
洗浄機能のついたウォシュレットには、「貯湯式」と「瞬間式」の2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認しましょう。
貯湯式ウォシュレット
「貯湯式ウォシュレット」は、お湯をためる貯湯タンクを内蔵しているタイプです。貯湯タンクに水を貯めて設定温度まで温め、洗浄時に貯めておいた温水を噴出する仕組みです。
- 常に水を少しずつ温めているため、使用時の消費電力が少なく、ブレーカーが落ちる心配がない
- 本体価格が瞬間式よりも安いもが多い
- 温水が出るまでの時間が早く水量が多いため、使い心地が良いと感じやすい
- タンクを内蔵するため、デザインに厚みがある
- 貯湯タンク内の温水を使い切ると洗浄水が水になるので、連続使用に向いていない
- 瞬間式よりも電気代がかかる
- 水を保温し続けるため水道水に含まれる塩素が失われ、タンク内に雑菌が繁殖しやすくなる
瞬間式ウォシュレット
「瞬間式ウォシュレット」は、内部にタンクを内蔵していません。瞬間的に水を温水ヒーターで温めて、洗浄水を噴出する仕組みです。
- タンクを内蔵しないため、すっきりとした薄型のデザインが多い
- 連続して使用してもその都度水を温めるため、湯が切れることがない
- 貯湯式よりも電気代がかからない
- 雑菌が繁殖しにくいため、衛生的である
- 瞬時に水を温めるために約1,000~1,300Wの電力が必要。ブレーカーが落ちる可能性がある
- 貯湯式よりも本体価格が高いものが多い
電気代・水道代の差
貯湯式と瞬間式で、電気代や水道代にどれくらいの差があるのでしょうか。
電気代
ウォシュレットを稼働させるのに必要な電気代を比較します。
安いのは…「瞬間式」です。
水を温めて保温し続ける貯湯式に対して、瞬間式は水を瞬時に温めます。貯湯式よりも瞬間式の方がランニングコストはかかりません。
- 貯湯式の場合:約300円/月、年間3,600円程度
- 瞬間式の場合:約130円/月、年間1,560円程度
瞬間式の方が貯湯式よりも、年間2,000円ほど電気代が安くすみます。
水道代
水道代は貯湯式・瞬間式のタイプの違いのみで変わるわけではありません。
トイレの機種ごとの洗浄水量やお住まいの自治体により、水道代は変わります。機種が新しいほど、節水や節電効果が期待できます。
- 以前の家庭用トイレ:13リットルほど
- 近年(2006年以降):6リットル以下の水で洗浄する節水型トイレも販売
ウォシュレットを選ぶポイント
「貯湯式」と「瞬間式」にはそれぞれメリット・デメリットがあります。どちらの種類を選べばよいかは、求める機能や居住者のライフスタイルなどにより変わります。
さまざまなケースごとに、貯湯式と瞬間式のどちらが向いているのか、チェックしましょう。
家族構成
普段ウォシュレットを使用する人数により、貯湯式・瞬間式のどちらを選べばよいかが変わります。
家族の人数が多い場合
家族の人数が多い場合は、「瞬間式」がおすすめです。
常に少しずつ水を温め続ける貯湯式は、連続使用に向いていません。家族が連続してウォシュレットを利用した際に、湯切れがおきて洗浄水が水になる可能性があるからです。
また、ランニングコストも瞬間式の方が安いため、家族の人数が多いほど瞬間式がおすすめです。
家族人数あたりの1年間のウォシュレットにかかる電気料金を表にすると、次のようになります。
家族数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
貯湯式 | 3,600円 | 7,200円 | 10,800円 | 14,400円 | 18,000円 |
瞬間式 | 1,560円 | 3,120円 | 4,680円 | 6,240円 | 7,800円 |
ウォシュレットの電気代について、くわしくは以下の記事をご参照ください。
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2018.2.23イエコマ編集部
一人暮らしの場合
今後引越しの予定があるかどうかも重要なポイントです。一人暮らしで賃貸物件に住んでいる場合は、就職や結婚、転勤などをきっかけに、引越しをする可能性があります。
一人暮らしの方や引越しする予定がある方は、初期費用がかからない貯湯式がおすすめです。
また、古い住宅に住んでいてアンペア数が少ない場合は、瞬間式のウォシュレットを利用したときにブレーカーが落ちる可能性もあるので、貯湯式がいいでしょう。
長期不在がある場合
一人暮らしの方には貯湯式がおすすめですが、出張や旅行などで長期間家を空けることが多い方は、瞬間式がおすすめです。
貯湯式だと、トイレを使用していない期間も水を常に温め続け、電気料金がかかることになります。
タンクに貯めた水を長期間使用しないため、タンク内に雑菌が繁殖する可能性があります。衛生面を考えても、瞬間式がおすすめです。
瞬間式でも長期間使用しない場合は、コンセントから電源プラグを抜けば待機電力がかからずに済みます。
ただし、タンク内の水が凍結する恐れのある地域に住んでいる場合や、1週間以上使用せずタンク内の水が腐敗する恐れのある場合は、水抜きや再通水の作業が必要です。
ウォシュレットの選び方の詳細は、以下の記事をご参照ください。 これから新しくウォシュレット(温水洗浄便座)を設置したい場合…
もう迷わない!ウォシュレットの賢い選び方|機能が多い≠良い
●水抜きの仕方
- 止水栓を閉める
- トイレのレバーを回してロータンク内の水を流しきる
- 配管の水を抜く
- ウォシュレット内を保温する
- 電源プラグを抜きウォシュレット本体を取り外す
- 本体はずしボタンを引いて本体の水を抜く
- 本体はずしボタンを戻し、不凍液を入れる
●水抜き後に再通水するとき
- 止水栓を開けて電源プラグをコンセントに差し込む
- ノズルから吐水する
※参考:TOTO 凍結による破損の予防及び長期間使わないときの処置
費用
ウォシュレット本体の値段は、搭載された機能により値段が変わりますが、瞬間式よりも貯湯式の方が安い場合が多いです。
- 貯湯式の相場:1~8万円
- 瞬間式の相場:2~11万円
ただし、ランニングコストは瞬間式の方が1年間に2,000円程、安くなります。
貯湯式と瞬間式のどちらがお得であるかは、居住者の家族構成やライフスタイルにより変わります。貯湯式・瞬間式の特徴やメリット・デメリットを比較しながら、どちらが自分の家に向いているのか検討しましょう。
ウォシュレットの本体価格や交換費用の詳細は、以下の記事をご参照ください。 トイレはいつも清潔な状態に保ちたい場所です。日頃の掃除は欠か… ウォシュレットは、一般家庭への普及率が約80%(※1)となっ…
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機能性
ウォシュレットの基本的な機能は、「便座暖房」と「温水洗浄」です。
さらに脱臭機能やノズルの自動洗浄機能、トイレのフタの自動開閉など、さまざまな機能があります。貯湯式・瞬間式に限らず、欲しい機能が備わっているかチェックしてから選びましょう。
たとえば、「便座暖房機能は欲しいけれど、洗浄は水でいい」という方は、初期費用がかからない貯湯式がおすすめです。
操作位置
ウォシュレットには洗浄や消臭などの機能が付いているため、操作ボタンがあります。
操作ボタンの位置は、便座と一体化した「袖リモコンタイプ」とリモコンに分離された「壁リモコンタイプ」があります。
便座のすぐ横に操作ボタンがあり、座った姿勢から操作がしやすい
便座から操作部分がはみ出ているため、掃除がしづらく見た目もシンプルではない
見た目がすっきりしていて掃除をしやすい
リモコンを取り付けるための穴を壁に開ける必要と、座った姿勢から手を伸ばして操作する必要
イエコマのウォシュレット交換
ウォシュレット便座はDIYで取り外しや設置が可能です。
しかし失敗すると、便座の破損や漏水、漏電をする恐れがあります。ウォシュレット便座を交換する場合は、業者に任せる方がおすすめです。
イエコマでは、ウォシュレット便座の交換を承っております。
実績豊富なイエコマの職人は、親切でていねいなサービスが自慢です。無料で現地調査も行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
イエコマの温水洗浄便座交換について、くわしくは以下の記事をご参照ください。
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まとめ
ウォシュレットには貯湯式と瞬間式の2種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、居住者の家族構成や求める機能性により、おすすめできる種類が変わります。
今回ご紹介したそれぞれの特徴を参考に、ご自分の生活にあったウォシュレットを選びましょう。